
私の海を行く
中島みゆきの歌に
「お前が消えて喜ぶ者に お前のオールを任せるな」
という歌詞がある。
私は、この歌詞、半分はわかるけど、半分はわからない。
たぶん、自分の不幸を願う者に主導権を握らせてはいけない、という意味かと思う。
でも、私の不幸を願う人は私の人生とは関係がない、と私は思う。
誰かが消えて喜ぶ人がいたとして、それはその人の魂を自ら汚すだけで、私とは関係がないことだ。
相手が私を好きでも嫌いでも、それは相手の領分のことであって、私の領分ではない。
だから、誰かが私を消して喜びたいと思っていても、別にいいんじゃないかと思う。
一方、「お前のオールを任せるな」は強烈にわかる。
誰が私に仇名すか、もしくは心配してくれるかどうかに関係なく、私は私のオールを絶対に人に渡したくない。
それは私の「自由」にかかわることだからだ。
自分で考えること。
自分で納得すること。
自分で決めること。
その責任を引き受けること。
「自由」はその全部を含んでいる。
だから、相手が善人でも、賢人でも、私のことを愛していても、私には見えない行く末がその人には見えていても、オールを渡したくない。
目的地を間違うかもしれない。
嵐に遭うかもしれない。
それを先回りして教えてもらいたくない。
私が耐えがたいのは遭難することではなく、誰かの船で、安全に、知らないうちに運ばれることだ。
私の船が沈みそうだと思う人がいても、それはその人のことで、私はただ漕いでいきたい。
あくまで、自分の手で。