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12幎越しの新喜劇〜諊めきれぞん男の挑戊の蚘録〜

    プロロヌグ

    「解散したしょう」

    圓時挫才コンビを組んでいた盞方の
    鈎朚に蚀われた。

    「䜕がアカンかっおん」

    「アカンこずないです。コタニさんはセンスありたすよ」

    「ほな䜕で解散やねん」

    鈎朚は少し間を眮いお蚀った。

    「コタニさん挫才向いおないず思いたすよ。新喜劇の方が向いおるんちゃいたすか」

    そう蚀い残しお、鈎朚は吉本を退瀟
    しお芞人を匕退した。

    僕は鈎朚の蚀葉を真に受けお、
    その時たたたた開催されおいた
    新喜劇のオヌディションに初めお
    挑戊した。

    たさか、それから12幎以䞊もその
    オヌディションに挑み続けるなんお
    思いもしなかった。


    序の段


    [初めおの匟子入り]


    2023幎。

    初めおの新喜劇のオヌディションから10幎が経ち、

    それたでに䜕回もオヌディションに
    挑んだが党お䞍合栌。

    このたたではアカン。

    なんか぀歊噚を匕っ提げお
    挑たないず合栌できぞん。

    モノマネの緎習はどや

    歌マネ、顔マネ、现かすぎる
    モノマネ。䜕やっおもセンスの欠片もない。

    自己刀断で䌌おないのが即分かる
    レベル。

    1人コントを䜜っおやっおみる

    いや、やったこずないし、それを
    今からやっお完成床䞊げた所で歊噚になるか

    そうやっおあれやこれやず考えおる
    時に、ふずある人の顔が浮かんだ。

    吉本新喜劇で䜜家をされおいた
    神田さんだ。

    たたたた連絡先を知っおいた僕は、
    躊躇し぀぀も思い切っおメッセヌゞを送った。

    新喜劇の脚本の䜜り方を教えお
    䞋さい。

    するず、すぐに返事がきお快く
    受け入れおくれた。

    神田さんは数癟本以䞊の新喜劇の
    脚本や挔出を手掛けた人で、

    吉本ず束竹の新喜劇の脚本を担圓 した事もある凄腕の䜜家さんだ。

    そんな神田さんに

    「䜕で僕なんぞに脚本の䜜り方を
    教えおくれるんですか」

    ず䌺うず、

    「自分がチャンスメヌカヌになっお
    本気でやりたい人の力になっおあげたいから」

    ず、あったかい衚情で答えおくれた。

    䜜家さんっお堅物な人が倚いっお
    むメヌゞを持っおいたんだけれど、

    神田さんは柔和でい぀も笑顔で話しおくれる。

    その姿を芋るずい぀も

    「恵比寿様みたいな人やなぁ」

    ず思っおいた。

    そんな方から盎々に、

    神田流新喜劇脚本術を䌝授しお
    頂く事になったのだ。

    そしお、zoomを䜿ったオンラむン
    レッスンがスタヌトした。

    神田さんが新喜劇の座長ずなり、
    脚本䜜りの奥矩を䌝授しながら、
    僕が䜜家ずしお分の脚本を完成
    させおいくずいう内容。

    たるで、本圓に自分が新喜劇の䜜家になったような擬䌌䜓隓をしながら
    技を習埗しおいくずいうやり方に
    僕は錻息が荒くなった。

    「倧人のキッザニアかリアルに
    ホンマもんが䜓隓できるやん」

    ただ技術を孊ぶだけの教宀じゃない。

    新喜劇の珟堎に自分が䜜家ずしお
    参加しおいる感芚になった。

    「これは進化確定や。あずは党力で
    やるだけや」

    どんどんギアが䞊がっおいく。

    たずはプロット䜜り。

    そこで、いきなり神田流のマル秘
    奥矩を䌝授しおもらった。

    これは流石に口倖できないので
    䌏せるが、

    そのやり方は意倖にシンプルなん
    やけど、目から鱗のやり方で

    「えっそれでええんや」

    今たで自己流で脚本曞いおたから、
    難しく考えお耇雑にしおいた事に
    気が぀いた。

    「たずは䜕でもええから思い぀いた
    事を話しおみお」

    ず神田さんに蚀われたので、 
    こんな話、䜕の物語にもならぞん
    やろず思いながら話し始めた。

    吉野家で䌚蚈の時に珟金で払おうずしたら、手持ちがなかったのでPayPayで支払っお店を出た。

    みたいな話だったず思う。

    そんな本圓に䜕でもない僕の話が
    神田さんが手を加える事で人間
    ドラマに倉化しおいく。

    「わあ〜そうかこうやっお物語を䜜っおいくんか」

    ず、アハ䜓隓のコンボが続く。

    「これなら僕にも脚本が䜜れそうや」

    そんな期埅が胞の奥から
    湧き出おくる。

    するず、たくさんアむデアが
    湧いおきお䜕個もプロットが出来おいった。

    次はそれを箱曞きずいっおプロットをもっず具䜓的な物語にしおいく
    ために、僕が䜜ったプロットを
    神田さんず䞀緒に膚らたせおいく。

    たあ、その時の神田さんの物語を
    発展させおいく時の手数の倚さや
    スピヌドの速さに驚かされた。

    「無限匕き出しか䞀䜓匕き出し䜕個あんねん」

    最初にプロットのアむデアを党郚
    面癜いっお耒められお浮かれおた
    自分が恥ずかしくなるくらいに、
    神田さんの背䞭の倧きさを感じた。

    セリフ぀ずっおも、䞀文字レベルで修正が入っおいくし、

    ワンシヌンごずのボケの入れ方や
    数字を䜿う時のコツなど、実践で
    しか埗れない新喜劇を䜜るノりハりが僕の现胞に染み枡っおいく。

    䞡手しかない僕に察しお、
    千手芳音様のようなハンドスピヌドずマルチタスクで脚本を面癜くしおいく術に、

    頭の凊理が远い付かず、
    ボケたで生み出すのは埅っお䞋さいず蚀っおしたうほどだった。

    たたコントずは違う新喜劇特有の
    展開やボケ方や物語の成立のさせ方がある事も倧きな発芋だった。

    そうやっお、僕の脳内にある新喜劇の゜フトりェアがどんどんアップ
    デヌトしおいった。

    ハッず気づいたら箱曞きを終え、
    いよいよ第1皿ぞず突入しおいった。

    箱曞きでたくさん入れおもらった
    赀ペンチェックをヒントにしお、

    曞いおは芋盎しお修正しお、たた
    曞いお曞いお芋盎しお曞いお......

    子どもの頃から芋慣れおるギャグも
    いざ脚本にしようずしたら、

    どんなフリやったっけっおなっお
    新喜劇を芋お確認したりもした。

    そんな䜜業を10日ほどやっお
    ようやく第1皿が完成した。

    箱曞きを曞いおる時は、

    「今の僕に新喜劇の脚本を完成させるなんお事が本圓にできるのか」

    っお䞍安にもなったけど、
    完成した脚本を眺めながら

    「よしなかなか䞊出来やないの
    これならすぐにNGK(なんばグランド花月)の舞台にかけれるレベルやろ」

    そんな自信を持っお神田さんに脚本を提出し、数日埌 返っおきた脚本をみお驚いた。  

    真っ赀っか

    党っっっ党っできおなかった。

    恥っずかしい恥ずかしいっ

    あの自信ありげに脚本眺めおる時の顔を神田さんに芋られなくお
    良かった。

    セリフの頭が揃っおないずか、
    唐突過ぎお䌝わらないずか、
    譊官はそんな蚀い方しないずか、
    感情を倧事にできおないずか、
    ここはボケれるずか、、。

    挙げればキリがないくらいの指摘が入った。

    もし゜クラテスが目の前にいたら、

    肩をポンっお叩かれお

    「なっ」っお蚀われるレベル。

    無知の知を思い知らされた僕は、

    ギアを入れ盎しお脚本制䜜ず
    向き合った。

    するず、第2皿、第3皿ずやればやるほど赀ペンの数が枛っおいっお、

    ようやく1侇5千文字、50分尺の
    完成皿たで蟿り着く事ができた。

    新喜劇を1本䜜る倧倉さを痛感したず同時に達成感もやっおきお少し自信が぀いたず思ったのも束の間、

    神田さんはその完成皿を芋ながら、

    「ここは違う展開にしたらこういう
    物語も䜜れるで」

    ず、圓たり前のように蚀うから
    驚いた。

    必死で脚本を曞き䞊げたばかりの
    僕にはそんな事思い぀くはずもなく、

    神田さんの脚本家ずしおの背䞭は
    ただただ遥か先にあるのを嫌ず
    蚀うほど感じた。

    2か月に枡る神田流新喜劇脚本術の䌝授をしお頂いた埌、

    神田さんからこんな蚀葉をもらった。

    「基本的な事は䞀通り教えた。新喜劇が䜜れたら、どんなドラマでも䜕でも䜜れる。ここから先は自分次第やから、どんどん磚いおいっお自分の
    モノにしおいけばいいよ」

    僕は神田さんから䞀生䜿える財産を莈䞎しおもらったのだ。

    最埌に神田さんから

    「䜕か質問あるか」

    ず蚀っおくれたので、僕はこの機䌚を逃すたいず思い切っお口を開いた。

    「新喜劇で必芁ずされる人っおどんな人ですか」

    神田さんはすぐに

    "物語を䜜れる人"

    ず答えた。

    その時は、

    「えっそれでええの」

    っお半信半疑だったけど、
    今になっおようやくその蚀葉の意味がわかったような気がしおる。

    だから今でもずっず、その蚀葉だけは心の壁に額装しお食っおある。

    その日から新喜劇を芋れば、

    「ここはこういう意図で䜜っおるな」

    「この展開やず次のセリフはこう蚀うやろなぁ、、ほらやっぱり」

    他にもドラマや映画やマンガやコント、あらゆる䜜品を芋る床に、

    脚本の構造を分析できおしたう自分に驚いた。

    たるで挫画の䞻人公が厳しい修行を終えお、新しい歊噚を手に入れた
    ような感芚になった。

    「やるか」


    砎の段

    [コタティン2.0、新喜劇ぞ]


    アプデ完了した僕は随時募集しお
    いる新喜劇のオヌディションに応募
    するため、ホヌムペヌゞを開いた。

    するず、

    随時募集終了のお知らせ。

    次期オヌディションは開催未定。

    ず蚘茉されおいた。

    䜕でやねん。

    いや、どんなタむミングやねん。

    䜕で準備䞇端でいけるっお時に
    限っおこうなんねん。

    この瞬間からゎヌルがどこにあるかもわからないミステリヌマラ゜ンが
    スタヌトした。

    おか、コヌスどこ

    䜕もないやん

    どこ走れっお蚀うん

    いきなり僕はコヌスもゎヌルもない
    マラ゜ンに参加する事になった。

    じゃあ目線を倉えよう

    YouTubeでフォロワヌを増やせば
    オヌディションでプラスになるん
    じゃないか

    ず、䜕幎か前から始めおいたYouTubeに取り組むも再生回数が
    䌞びずに悩んでいた。

    そこに远い打ちをかけるように
    突然電話が鳎る。

    「お疲れっす」

    「お疲れ様です。あの〜...」

    「どないしたんなんかあった」

    「...申し蚳ないんですけど、
    ラゞオ蟞めなアカンくなっお、、」

    「えっ」

    䞀緒にラゞオ番組をやっおる芞人
    から、ある事情があっおラゞオを
    続けるのが難しいず申し出された。

    理由は䌏せおおくけど、あい぀に
    ずっおも苊枋の決断だった。

    僕にずっおラむフワヌクだった
    ラゞオ。

    「ただただ面癜い事をここで衚珟しおいきたい」

    その願いは倩には届かず、

    8幎間続いたラゞオ番組は呆気なく
    終了したのだ。

    泣きっ面に蜂どころやあらぞん。
    泣きっ面にモスラ飛んできたがな
    どないせいっちゅうねん

    そんなトリプルパンチによっお
    サンドバッグ状態にされた僕の心は、気づけばサハラ砂挠になっお
    いた。

    それでも、次のオヌディション開催
    ずいう名の泉に出䌚うたで、

    僕は新喜劇の脚本を曞き、YouTubeを続けながら、圷埚い続けるしかなかった。

    2024幎10月18日

    誰に祝われるわけでもない
    僕の誕生日にプレれントが届いた。

    吉本新喜劇座員金の卵12個目
    オヌディションの開催が発衚された
    のだ。

    誕生日に金の卵お

    もっぺんやれっお事やろ。

    たずは曞類審査に向けお審査員が
    僕に䌚いたくなるような自己PR
    を考えた。

    この日のためにず、䜕ヶ月も前からチョコザップで身䜓を絞っお、
    䌞ばしおいた髪を敎えるために矎容宀に行き、写真スタゞオで応募甚の
    写真を撮圱した。

    自分史䞊ビゞュMAX状態で
    ゚ントリヌを完了させた。

    2025幎1月

    スマホに新喜劇からメヌルが届いた。

    心臓がドキンっず鳎る。

    その恐怖に飲たれる前に、
    「おりゃ〜」ず叫びながら開いた。

    結果は、

    "1次審査合栌"

    颚船が萎むように党身の力がふわ〜っず抜けるず同時に

    「耐えた〜」ず思わず声が挏れた。 

    次審査はこのメヌルから4日埌。

    それたでに自己PRず新喜劇の脚本を仕䞊げないずいけない。

    けれど、そんな事は想定枈み。

    既に9割出来䞊がっおるからそれを 完成させればいいだけ。

    甚意しおいたパズルのピヌスが
    バチッバチッずハマっおいく。

    今思えばその順調さが逆に䞍気味 やったけど、その䞍気味さは芋お
    みぬフリをしお、

    新喜劇の舞台に立っおいる未来
    予想図に無理やり目を向けおいた。

    たさか、それが地獄絵図になるずは
    予想もせずに。

    2025幎 2月某日 

    2次審査オヌディション䌚堎

    脚本もPRも完成させた。

    あずはやるだけや。

    そう自分に蚀い聞かせる。

    自分の番が来お吉本の䌚議宀に入る。

    皜叀等で䜕床も入った事があるけれど、オヌディションになるずい぀も
    ずは違う独特な雰囲気が僕を緊匵
    させる。

    審査員の方が数名着垭しおいお、
    僕らに着垭するように促す。

    するず、すぐに審査員の1人が淡々ず自己PRのやり方を説明し始めた。

    「時間は90秒です。このタむムりォッチで蚈るので時間になったら匷制終了になりたす。では、準備はよろしいでしょうか」

    匷制終了

    やば

    どないしよ

    自己PR5分で䜜っおきおもうた。

    90秒っおメヌル来おたで。

    来おた。

    けど

    今たでは䜕分やっおも倧䞈倫やったやん

    だから今回も90秒やけど、
    やりたい事がある人は5分くらい
    できるっお思う......

    やん。

    アホヌ

    俺のアホヌ

    えっ、おか、

    タ、タ、タ、タ、タむムりォッチ

    めちゃめちゃキッチリしおるやん

    䜕でやねんどないなっずんねん

    「小谷さんPRお願いしたす。」

    こんな土壇堎で5分のPRを90秒に
    短瞮できるわけもなく、案の定PRの途䞭で

    ピッ

    「はい終了です。終わっお䞋さい。」

    「あ、ありがずう、ございたした。」

    だが

    自䜜した新喜劇の脚本を䜕ずか
    審査員に枡した。

    それが今の僕にできる最埌の
    悪あがきだった。

    垰り道、

    昌の千日前がショック過ぎお
    おかしく芋えた。

    あれ

    薄らピンクがかっおない

    あヌせやせや、ショッキングピンク
    っおこういう時に生たれたんや

    きっずそうやわ。

    懞呜に気持ちを玛らわそうずする
    けど、

    心の䞭で副音声が喚き散らす。

    ここたで䜕幎も準備しおきたのに、
    こんな凡ミスやらかすお

    アホの極みやろ

    䜕で90秒ず5分の2パタヌン甚意
    せんかっおんや

    悔やんでも悔やみきれんど

    ......

    

    はははは〜

    逆に笑えおきた。

    俺っおいっ぀もこう蚀う倧事な時にありえんミスやらかすねんな〜。

    今この瞬間、

    情け無いワングランプリが開催されおたら俺の圧勝やろ。

    党䌚䞀臎で優勝や。

    、、ははっ

    。

    道頓堀に涙捚おお垰りたいわい。

    ボケぇ

    。

    。

    。

    そうしお、

    2次審査は䞍合栌で終わった。

    もし蚺断曞があれば、

    症状は"心耇雑骚折"

    完治する芋蟌み無し。

    もう無理や、、

    芞人蟞めよう......

    そう思わざるを埗なかった。

    [終]

    っおなるはずが、

    この時の僕はドラマにはただ続きがある事を知らなかった。


    [急の段]


    [絶望の先で始たった12死に1ドラマ]


    毎週芋おた新喜劇のテレビも芋なくなった。

    い぀芞人蟞めようかな

    でも、今蟞めたら本圓に埌悔せんのかな

    かず蚀っお䜕をやんねよ

    あの時、自己PRをバッチシ決めたのにそれでも䞍合栌やったらキッパリ
    蟞めれたかもしらぞんな。

    くそ

    新喜劇以倖にやりたい事なんか
    あらぞんねん......

    あ〜

    グルグルグルグルず頭の䞭で䜕呚も
    回るだけで、歩も前に進たない。

    たるでメリヌゎヌランドのように
    回り続けるこのルヌプ珟象を僕は、

    「ノンストップメリヌゎヌランド」

    ず名付けた。

    略しおノンメリは24時間営業で
    䜕ヶ月も続いおいった。

    ノンメリの間はただただ、

    YouTubeずラむスワヌクをしながらお金を貯めお倏䌑みを䜜ろうず決め
    毎日働いた。

    けれど、䜕でやろう

    倚少収入は増えたけど笑顔は枛っおいった。

    しかも、珟実は甘くなくお思った
    よりお金も貯たらなくお、

    結局 倏䌑みなんお䜜れずに働き
    詰めで倏が終わっおいった。

    2025幎10月31日

    䜕気なくスマホでYahoo!ニュヌスを流し芋しおたら、

    新喜劇金の卵13個目オヌディションの開催の蚘事が目に止たった。

    「たたやんねや。」

    そう呟いた埌、䞀瞬、心が反応したのを掻き消すようにしお、

    「もう受けおも無駄や、受かるはずがない」

    っお心の䞭で呟いおスマホを閉じた。

    ただ、毎日ラむスワヌクをしお、
    ご飯を食べお、テレビやYouTubeを぀けたら売れおる埌茩が出おくる。

    なんずも蚀えない䞍快感に襲われおすぐにチャンネルを倉える。

    笑いの事なんお考えたくもない。

    あれ

    俺は䜕の為に生きおんねやろう

    芞人ずしお生きたいんやないの

    こんなお湯入れお攟眮したブペブペなカップ麺のように、やる気のない延呜をしお䞀䜓䜕の意味があんねん

    蟞めるか

    続けるか

    ちゃんず決めよう。

    こんな状態でただ生きるなんお
    真っ平ゎメンだ。

    そうやっお自分ず向き合いながら
    考えを深めおいくうちに、

    ある぀の遞択肢が浮かんだ。

    ぀目はショヌトドラマを䜜っおSNSにアップする。

    ぀目はYCA🟰よしもずクリ゚むティブアカデミヌに入孊しお、
    新喜劇の䜜家兌プレヌダヌを目指す。

    悩んだ末に出した答えは......

    "ショヌトドラマを䜜る"

    それでも結果が出なかったら、
    YCAに行くっお事に決めた。

    っお、どんだけ新喜劇が奜きやねん。

    自分でも諊め悪いなっお思う。

    けど、俺にはそれしかできない。

    今蟞めおもうたら、

    「あの時 蟞めおなかったら俺は...」

    っお絶察に埌悔するから。

    思い぀いた事は党郚やりきっお、
    才胜がない事を自分の手で蚌明するんや。

    2床ずは戻らないこの時、この瞬間を思いっきり生きお、泣きながらでも、傷だらけでも、笑われおも俺は俺の道を進んでいくしかないねん。

    それが俺の生きる道やねん。

    そんな自分ずの面談が終わった埌、
    次は䜜戊䌚議が始たった。

    どんなドラマを䜜る

    自分が面癜いず思うモノを䜜る。

    それは栞ずしお持っずかなあかん。

    かずいっお、それだけではたくさんの人には届きにくい。

    だから、

    自分が面癜いず思うモノ
        ✖
    他者が芋たいず思うモノ

    この぀の最倧公玄数になるモノを䜜るずいいのではないか

    あっ

    あず、

    䜜品をSNSにアップするから
    それがポヌトフォリオになっお、

    業界関係者が俺をこんな颚に
    䜿ったら面癜いかもっおむメヌゞが
    湧くようにもしたいな。

    そうやっお、

    いく぀か䜜品のアむデアが浮かんだ
    時に、ふず思った。

    "俺の人生がドラマなんちゃうん"

    10幎以䞊も新喜劇のオヌディションを受け続けおる人なんおどこに
    おんねん

    䞖界䞭探し回っおも俺しかおらん
    やろ

    その瞬間、頭の䞭でバラバラに
    散らばっおたピヌスが芋事にハマっおいく。

    ドラマを䜜るっおこずは、

    1,蚭定を䜜る力→ラゞオ䜜家で埗た
    䌁画力

    2.物語を䜜る力→新喜劇の脚本で
    孊んだ創䜜力

    3.撮圱、線集、SNS発信力→YouTube、 Instagramの運甚で
    埗たノりハり

    4.挔技力→挫才コント、萜語、
    むンプロ、茂造の絆で培った衚珟力

    今たで遠回りやっお思っおた道が
    党郚ここに繋がっおるやん

    あの時の無駄ずも思えおいた経隓ず
    いう名のピヌスが、1枚の宝の地図
    ずなり、進むべき道を瀺しおくれた
    のだ。

    これや。

    12幎以䞊も新喜劇のオヌディションに萜ち続けおも挑戊を蟞めない男。

    この悪あがきがドラマになる。

    この歊噚を匕っ提げお、
    もっぺん金の卵を割りに行こ。

    倱敗したずお、

    それがたたドラマになっおいくんや

    この時すでに11月が終わる頃。

    ゚ントリヌする時にショヌトドラマがSNSにアップされおなければ
    自己PRずしお匱くなっおしたう。

    だから、それたでにはアップしお
    おかなければいけない。

    オヌディションの締め切りが
    12月31日に迫る䞭、

    たった1ヶ月でショヌトドラマを
    䜜る事なんお俺にできるのか

    いや、

    やるしかないねん。

    そんなプレッシャヌを抱えたたた
    すぐにドラマの制䜜に入っおいった。

    たずは脚本䜜りから。

    頭で画面をむメヌゞしながら、
    カット割りを考えおいく。

    「ここでテロップやな。」

    「あヌここナレヌションにしたほうがええかな〜」

    たた、蚘憶を蟿りながら過去の自分ず向き合っおいく。

    その時その瞬間に自分が䜕を感じおいたのか

    懐かしさ、悔しさ、嬉しさ、
    情けなさ......。

    それらの感情に添付されおいる
    䜕癟枚ものフィルムに目を通し
    ながら、

    自分ずいう玠材を脚本に萜ずし蟌んでいく。

    脚本䜜りを進めおいくずちょい
    ちょい障害物にぶち圓たる。

    「ここの画はパ゜コンの画像入れたいけど甚意できひんな〜
    どないしよう」

    「...じゃあ、ここは挔技でカバヌしお成立させようか」

    「あ〜ここ説明ばっかりになっおるな〜画で䌝えるにはどうしたら
    いいのか...」

    時には劥協したり
    障害をクリアしたり
    孊びを埗たりしながらを

    1週間ほど繰り返しお〜7話たでの脚本を曞き䞊げた。

    締め切りたで残り3週間。

    急いで撮圱に必芁なカツラや
    マニュキアなどの小道具を買い揃え、
    いよいよ撮圱に入っおいく。

    初めお過ぎお考えおもわからない
    からず、ずりあえずスマホのカメラ
    を芗いおみる。

    するず、

    「ここでこう撮っお、
    こんな挔出入れおみたら面癜そう」

    っおアむデアが湧いおくる。

    ずりあえずカメラのボタンを抌しお
    挔じおみる。

    それをすぐに撮圱しおはチェック
    しおを䜕床も繰り返しおいく。

    自分の䞭にいるもう1人の自分が
    その様子を芋ながら呟く。

    「あ〜い぀かテレビで芋た監督っおこんなんやったな〜」

    1日ラむスワヌクをしお身䜓は疲れおるはずなのに、

    ワクワク物質が脳内からドバドバ
    出おるのを感じるず目が冎えおきお
    頭の回転もアップしおいく。

    この䜜品は登堎人物を党お僕が
    倚圹芝居で挔じるのだが、

    ある時、オヌディション䌚堎の
    シヌンで女性圹を挔じお背景は合成 で線集しおいたら、

    壁の色が原因で実物ず合成が亀互に映っちゃったりしお䞍安になりながらも、

    諊めずに撮り盎しおたた線集しおを
    䜕床も繰り返しお

    ようやく出来た頃にはカヌテンの
    倖が明るくなっおいた事もあった。

    たたある時は、

    ドラマの埌半で1幎の経過を映像
    だけで䌝えるシヌンがあるのだが、

    春倏秋冬の服やタオルやお茶を甚意
    しお、抌入れから扇颚機を匕っ匵り
    出しおきおワンシヌンず぀撮圱
    しおいく。

    「倜䞭に俺は1人で䜕やっおんね
    やろう」

    っお思いながらも、

    終わっおは着替えおセットを倉えお
    を繰り返し、ようやっず線集たで
    したらほんの数秒の映像にしか
    ならない。

    「いや、ドラマの費甚察効果せち
    蟛過ぎるやろ」

    そんな事を心で呟きながらでも
    顔からは自然ず笑みが溢れおた。

    たた、脚本はこう曞いたけどカット
    増やそうずかアングル倉えようずか、

    机の䞊では思い぀かなかった最適解が撮圱䞭に芋぀かる床にドンドン
    カットが増えおいったりもした。

    脚本は蚭蚈図。

    そこに珟堎で生たれたアむデアを
    融合させる事で机の䞊で描いた想像を超えおくるモノが出来䞊がっお
    いく。

    その面癜さがアドレナリンを連れお
    きお眠気を䞀瞬で攫っおいった。

    監督モヌド
    ↓
    圹者モヌド
    ↓
    線集モヌド

    脳みその䞭の担圓者が入れ替わり
    立ち替わり働いおいるず、

    鳥のさえずりず共にカヌテンレヌスの向こうから青い光が滲んできお、
    ようやくその日の撮圱が終わる。

    そんな日々が続いた。

    締め切りたで残り10日間。

    予定より撮圱が抌した状態で線集に入っおいく。

    線集アプリを開くず700カット以䞊の玠材が画面いっぱいにビッシリ
    䞊んでいた。

    「こんなもん料理の鉄人でも
    手ぇ焌くで〜どないしたろうかな〜」

    ず、迫っおる時間ず玠材の倚さに
    プレッシャヌがのしかかっおくる。

    気になるのはそれだけじゃない。

    やはりクオリティだ。

    僕は完党䞻矩気味な性質があるの
    だが、そんな事を蚀っおたら
    間に合うわけがない。

    しかも、

    コンビ掻動しおる時のネタ䜜りで
    完党を求め過ぎお䜜れなかったり、

    意味が䌝わらないモノになっお
    したったりしお、うたくいかなかった
    過去が山ほどある。

    だから、

    "70点で合栌"を基準にしお満足は
    できなくおも、玍埗できるように
    するっおマむンドセットした。

    それでも、玠材のチェックをするず

    「これで倧䞈倫か」

    ず、䜜品ずしお芋れるレベルたで
    仕䞊げれるのか䞍安になっおきた。

    たた順調に進んでる時に、

    ナレヌションや画像を入れおから
    カット割を倉曎したら、0コンマ䜕秒で音がズレおたたやり盎したり。

    冒頭ずラストに流す䜜品にピッタリなアンビ゚ントやロヌファむを探すのに䜕癟曲も聎いおも芋぀からず、

    もうこれが最埌ず恐る恐る再生の
    ボタンをタッチしたら、

    それがドンピシャで安堵したり。

    撮圱が党お終わっお数日埌に線集
    しおる時に動画が足らない事に
    気が぀いた時は、䞀瞬で血の気が
    匕いた。

    今から撮圱しおも空気感が違うから
    違和感が出おしたう。

    藁をも瞋る気持ちで撮圱した玠材を
    チェックしおたら、䜕かあった時の
    ために䜙蚈に撮圱しおた動画を
    発芋しお、

    「あの倜の俺ナむス」

    っお思わず声が出た。

    そんなこんなで、

    色んなハプニングを乗り越え䜕ずか第1話の線集を終わらせる事ができ、チェックしおみるず

    「おお〜なんかそれっぜいやん」

    線集をする事で䜕でもなかった玠材が、぀の䜜品ぞず生たれ倉わっおいく。

    線集には、䜕でもない食材を料理人が絶品メニュヌにしおしたうような
    䞍思議な力があった。

    「よっしゃこのたんた走り抜けたるぞ。」

    ず、ラむスワヌクの時も線集の事を
    考え、スキマ時間にちょこちょこ
    やったり、倜通し線集をした結果、

    第話〜7話ず、さらに切り抜き
    動画10本。

    ようやく、人生で初めお䜜った
    ショヌドラシリヌズが完成したのだ。

    「なんずか圢になった〜」

    ずにかくホッずした。

    もしも集䞭力が途切れたら

    誘惑に負けたらどないしよう

    そんな䞍安を乗り越えお走り切れた事に䜕床も胞を撫で䞋ろした。

    数ヶ月前のあの絶望に飲み蟌たれおるたんたやったら絶察に䜜れなかった。

    だっお、自分には䜕も出来ないず
    思い蟌んでいたから。

    けれど違った。

    神田さんから授かった歊噚は
    ちゃんず俺の䞭にあったんや。

    神田さんが蚀っおくれた。

    "新喜劇が䜜れたら䜕でも䜜れる"

    あの蚀葉はホンマやった。

    だから今俺はここに立っおるんや。

    完成した䜜品を芋た。

    䜕回も䜕回も芋た。

    「ようこんなモノを1人で䜜ったな」

    「自分で自分を誉めおやる」

    「もう1回おんなじ事やれっお
    蚀われたら絶察やりたないわ」

    実はこの頃、ショヌトドラマ制䜜
    ずは別にある人から動画の線集を
    頌たれおいお、

    それがどうしおも断れない案件
    だった。

    ラむスワヌクが終われば䟝頌された線集をやり、ショヌトドラマ制䜜を
    しお朝を迎える。

    そんな生掻を1ヶ月もしたもん
    だから、完成した時の達成感は、
    今たで味わった事がないくらい
    倧きかった。

    「ああヌ俺はやり切ったどヌ」

    あずは、予玄しおる矎容宀ず写真
    スタゞオに行っお゚ントリヌする
    だけや。

    これで気持ち良く新幎が迎えられる。

    2025幎12月30日 午前2時

    さあ今から寝お少し早起きしお
    䜙裕持っお矎容宀ず写真スタゞオに行こか

    ず、颚呂䞊がりに䜕げなくスマホを芋るず長男からの着信履歎があった。

    「えっ颚呂入っおる時やな。
    こんな時間に...たさか...なあ」

    僕の盎感がバッドニュヌスが来るず
    緊急速報のように働いた瞬間、

    着信の音がうるさく鳎り響いた。

    「もしもし」

    「ヒデ、、んっぐっふっん、、うっ、うう、オカンが倒れた」

    「倒れたどう蚀う事」

    「もうあかん...っんぐっ、、死ぬかもしれん...っんぐっ、、」

    「䜕で䜕があった」

    「今すぐ病院に来おくれ...」

    嗚咜しながら話す長男の声が只事
    ではない事を物語っおいた。

    䜕でこんな時だけ嫌な予感お圓たるねん

    ......


    オカン死ぬんか

    僕はすぐに次男に電話をかけたが
    出なかったので、気づかせるために

    オカンが倒れお死ぬかもしれない事をLINEで連打した。

    するず、すぐに次男から着信がきた。

    次男は東京にいお、すぐに病院には
    行けないから、オカンの状態が
    わかったらLINEで䌝える事にしお、

    小雚が散ら぀く䞭、僕はバむクで
    病院ぞず向かった。

    たさか、幎の瀬の深倜にバむクで
    病院に行く事になるなんお思いも
    しなかった。

    オカン死んでたうんか

    䜕でやねん

    もうちょい生きずっおくれや。

    俺が新喜劇の舞台に立っおる
    ずこ芋せれおないねん。

    䜕で俺ただ売れおないねん

    もっず早よ売れおたらもっず芪孝行
    できおたんちゃうんか

    ク゜がぁっ

    䜕で今やねん

    ああ〜、最埌に喋ったんお
    い぀やっけ

    もっず芪子らしい事したかった
    なぁ......

    オカンがタバコ吞いながら笑っおる
    顔が浮かんでくる。

    その時ふず、こんな事を思い出した。

    1992幎ヌヌ

    僕が小孊2幎の頃。

    オカンが話があるからず蚀っお僕ず次男をテレビの郚屋に呌んだ。

    「お母さん明日この家出おいくからな」

    「えっ䜕で出お行かんずいお」

    「もうこの家にはおられぞんねん...」

    ただ幌かった僕は半信半疑だった。

    次男ず2人で緊急䌚議を開いた。

    「たさか明日出お行くなんおないよな」

    僕がそう蚀うず、次男は困った
    ような顔をしお俯いた。

    翌日、倕方頃ボストンバッグを
    持ったオカンが玄関に立っおいた。

    「じゃあね...」

    振り返るオカンの姿をゆっくりず
    叀びた鉄の扉が消しおいく。

    「お母さヌん」

    「行かんずいおヌヌ」

    「お母さヌヌヌんんん」

    僕は次男ず䞀緒に わんわん
    泣きながら、

    「こんなドラマのセリフみたいな事
    ホンマに蚀うねんな」

    っお、心の䞭で呟いたのを今でも
    芚えおいる。

    たたあの時みたいに、俺の前から
    突然いなくなっおしたうんか

    「事実は小説よりも奇なり...」

    こんなドラマのセリフみたいな事
    ホンマに蚀うね、、、

    

    䜕でいちいち 
    あの時ず䌌おんねん...。

    ピチャッ

    冷たい雚が頬っぺたに圓たる。

    幎末が醞し出す街の空気感ず
    車がほずんどいない濡れた道路を
    走っおるず、

    遠くに芋える赀いテヌルランプが
    䜕だか䞍気味に芋えた。

    たるで映画の䞖界に迷い蟌んだような䞍思議な感芚に襲われた。

    病院に着くず埅合宀にグッタリした
    長男から、オカンは今症状を
    詳しく怜査するためICUにいるず
    聞かされた。

    6時02分

    僕ず長男は担圓医に呌び出された。

    脳動脈瘀砎裂。

    倒れた時ず救急車で運ばれおる時に
    脳の血管が回砎裂した。

    その原因になっおいる、動脈瘀に
    コむルを詰める事で再出血や砎裂を
    防ぐずいう手術を今から行うずの
    こず。

    手術䞭や手術埌に死ぬかも知れないし、成功しおも埌遺症が残るかも
    しれない。

    ずにかく今は危険な状態だから救呜できるように最善を尜くしたすず
    話しおくれた。

    「よろしくお願いしたす」

    再び埅合宀に居るず、い぀か芋た
    ドラマみたいにカラカラず音を
    鳎らしながら、ストレッチャヌに
    乗せられたオカンが目の前に珟れた。

    長男は憔悎しながらオカンの手を
    握りしめ、

    「オカン頑匵れよなっ」

    ストレッチャヌのオカンはたるで
    別人のように老いた顔に芋えお、

    僕はただ呆然ず立ちすくんだたた
    その光景を芋るしかなかった。

    8時12分

    ただ手術は終わる気配がない。

    けれど、もうすぐ矎容宀の予玄の
    時間が迫っおる。

    矎容宀もスタゞオも幎内の営業は
    今日たでで時間の倉曎も䞍可。

    しかもオヌディションの締め切りは
    明日。

    僕は頭の䞭でオカンず䌚話した。

    「私のために埌悔するような事はしなくおいい。行っおきい」

    「わかった。」

    僕はオカンの事を考えるスむッチを
    無理やりオフにしお、長男を病院に
    残しそのたた矎容宀に向かった。

    オカンの事を知らない矎容垫さんが普通に䌚話しおくれる事で平静を
    装えお、良い感じのヘアスタむルが
    敎った。

    そのたたすぐにスタゞオに行き、
    カメラマンさんず楜しく撮圱を
    しお、

    たるで䜕事もなかったような顔で
    笑う写真が撮れた。

    倕方の垰り道、人気のない商店街を歩きながら長男からのLINEを開く。

    手術は成功したけど、意識が戻っおも寝たきりになる可胜性が高いみたいやわ。今日は䜕もできないから、
    たた明日面䌚に行くわ。

    その瞬間オカンスむッチがオンに
    なる。

    「意識が戻らん」

    「もう䌚話もでけぞんのか」

    「䜕でやねん...」

    「もっず...孝行したり家族らしい事
    したかったのに......でけぞんのかい」

    「䜕で今日やねん...」

    「あぁ...俺、䜕で生きおんねやろ」

    匵っおた気が緩んで疲れがドッず
    抌し寄せる。

    歩くスピヌドは䞋がっおいき、ご飯食べおないのにお腹も枛らない。

    ぜっかりず空いた心の穎に冷たい颚が玠通りしおいく。

    シャッタヌだらけの商店街が䜙蚈に虚しさを膚匵させおいく。

    家に垰りたくない。

    垰れば珟実ず向き合わないずいけない。

    い぀もず違う駅から乗った電車に
    いたカップルたちが無性に目障り
    だず思った。

    楜しくなるはずだった幎末が、
    最悪の幎末になった。

    2025幎 倧晊日

    オカンの面䌚に行った。

    オカンはCCUずいう重症患者が入院する病棟にいた。

    郚屋に入るず、たくさんの管に繋がれた状態で酞玠マスクをしお眠っお
    いるオカンがそこにいた。

    真っ癜な空間にピッピッピッっお
    芏則正しい電子音が鳎っおいる暪で

    䞀瞬、ベタなドラマの展開みたい
    過ぎお僕の頭の䞭は真っ癜になった。

    するずすぐに、この状況を受け入れたくない子どもの自分がいる事が
    わかった。

    その子をすぐに捕たえチャむルド
    シヌトに瞛り぀け、

    倧人の自分がアクセルを螏んで
    オカンに声を掛けた。

    オカンは薄ら目を開けお唞り声の
    ような声にならない声を出しながら䜕か蚀おうずしおいる。

    「うっぉぁわ〜あヌっ、ぉうおあぁ」

    僕はオカンの手を握ろうず思ったが手にも管が付いおお、その透明な管からは赀い血が透けお芋える。

    「ただ術埌すぐで安定しおないのに、動いお倉になったら怖いな」

    ず、䜕も出来ずにただ呆然ず立ち
    尜くしおいた。

    するず、そこに看護垫が来お

    「むンシュリンの泚射打ちたすねヌ」

    ず、淡々ず手際よくオカンの服を
    めくっおお腹に泚射針を刺した。

    「うあっ、あ〜、うっ、あ〜あヌ...」

    オカンが唞り声をあげながら泚射
    されおいるその姿はたるで、

    獣医が動物に治療を斜しおるように
    芋えお芋るに耐えなかった。

    このたたオカンは䞀生寝たきりで、
    䌚話すらも出来ずに死んでいくんか

    せめお、せめお䌚話だけでも出来る
    ようになられぞんのか

    なん、

    で、

    や、、

    ねん......

    。

    「うっ、あヌ、あ〜、、ああ〜、
    あっ...あヌ」

    再びオカンが僕に䜕かを蚀おうず
    詊みおいる。

    その瞬間、ダムが決壊したみたいに
    僕の䞭から倧量の涙が流れ出おきた。

    きっず芋えおないやろうけど、咄嗟に僕は掗面台の方に逃げおオカンに
    背を向けた。

    ただ止たらない。

    嗚咜たでしおきた。

    䜕でこんな事になったんや

    ごめんなさい。

    もう蚱しお。

    こんな蟛い事、、

    勘匁しおくれ。

    もう無理や。

    しんど過ぎる。

    䜕でいっ぀もこうやっお家族ずの
    瞁が玡がれおいかぞんねん

    ク゜ッタレっっ

    ......

    ピッ

    ピッ

    ピッ

    ピッ

    。

    。

    。

    い぀もなら、

    1幎の終わりくらい莅沢しおすき焌きでも食べおビヌルでも飲むか

    っおやっおたけど、

    食欲は党くなく、

    生きる力が湧いおこない。

    このたた䞖界が終わっおもうたら
    ええんや。

    そんな状態で家路に着いた。

    ゜ファに寝っ転がっお倩井を芋぀める。

    オヌディションの締め切りたであず
    4時間。

    ただ゚ントリヌはしおいない。

    䜕か食べよ。

    食べな身䜓に悪い。

    今俺が䜓調壊しおる堎合じゃない
    やろ。

    ただ栄逊を補絊するために口に䜕かを入れた。

    味なんかどうでもいい。

    䜕を食べたかも芚えおない。

    テレビから聞こえおくる笑い声が
    かえっお虚しくさせる。

    「今幎も もうすぐ終わんねんなぁ」

    「最埌の最埌に、こんなこずあるか......」

    「ほんた...人生 䜕があるかわからんな...」

    「...もう、、」

    その時ふずオカンの声が頭の䞭に
    響いた。

    「私のために埌悔するような事は
    せんでいい」

    「...せやな」

    「だったら、埌悔せんように目の前の
    こずに挑戊するしかないか」

    「泣いおも笑っおも生きなアカン
    ねん。せやったら笑いながら死んだらあ」

    「......よし」

    ゜ファから起き䞊がった僕は静かに
    スマホで゚ントリヌ完了の画面を
    タッチした。  

    ホンマは心の敎理をしおから気持ちよく゚ントリヌしたかった。

    でも敎理なんか出来なかった。

    ぐっちゃぐちゃのたんた、
    前に進むしかなかった。

    「やるしかないねん」

    テレビでアむドルがカりントダりン
    コンサヌトをやっおいた。

    その10カりントはたるで、

    今たでの僕の終わりず、
    新しい未来の始たりを祝犏しおくれおいるようだった。

    2026幎 2月2日

    ラむスワヌクの合間にマクドで
    䞀息぀いおる時に、

    元盞方のピン芞人からLINEが来た。

    お疲れ様です。新喜劇曞類で萜ち
    たしたわ笑

    「あい぀アカンかったんかぁ...」

    「えっ」

    僕は慌おおメヌルボックスを確認
    する。

    そしおすぐに、新喜劇のHPを開いた。

    "曞類審査の合栌者の方ぞの連絡が
    完了いたしたした。

    なお、連絡は合栌された方のみに
    差し䞊げおおり、、、"

    「萜ちおるやん」

    次審査䞍合栌。

    ショックが無いわけではない。

    でも、䞍思議ず萜ち着いおいる。

    「たたアカンかあ...」

    「いよいよホンマに無理なんかも
    しらんな」

    その時 䞀瞬 諊める事が頭を
    よぎったけど、すぐに息を吹き返す。

    考えた所で仕方がない。

    だっお人生は䜕があるかわからないから。

    俺にはショヌトドラマを䜜るずいう
    歊噚があるんや。

    今床はその歊噚匕っ提げお次の戊堎に突入しおいくのみや。

    その道すがらオヌディションが
    あったらたた受けたらええ。

    萜ちた所でそれがたたドラマになるんや。

    「このたたあず7幎萜ち続けたら
    20幎になるぞ」

    「悪あがきもそこたでいったらギネスもんやろ」

    その時は"20幎越しの新喜劇"にしお
    新章突入や。

    去幎の䞍合栌の時ずは打っお
    倉わっお、新喜劇にしがみ぀いお
    いない自分がそこにいた。

    あの12幎間は合栌ずいう果実を獲る為だけの時間じゃなかった。

    神田さんから脚本を孊び、
    ショヌトドラマを䜜り、
    自分を掻かせる歊噚を手に入れた。

    萜ち続けたク゜みたいな日々は
    気づけば自分を育おる肥料ずなっおいた。

    新喜劇に振り回されおいたようで
    実は新喜劇に育おおもらったのかもしれない。

    もちろん、オヌディションは受けるんやけど、

    そこに行くたでのプロセスを自分が味わいたいだけ味わい尜くしたい。

    それでもうお腹いっぱいっお
    なったら、ご銳走様しお次の事に
    取り組んでいく。

    今はただ食べ足りおないから箞を
    進めるだけ。

    "新喜劇のフルコヌス"はただ前菜
    しか食べれおない。

    俺はデザヌトを食べるたでは、

    ご銳走様はせえぞん。

    いや、

    しおたたるか。






    #創䜜倧賞2026
    #゚ンタメ原䜜郚門
    #吉本新喜劇
    #芞人
    #挑戊
    #倢を远う
    #人生
    #小説

     
     
    吉本新喜劇を目指しお、ショヌトドラマ 「12幎越しの新喜劇 」を制䜜・公開䞭珟圚1〜8話。 このnoteでは、 ・オヌディション挑戊の蚘録 ・芞人ずしおの成長過皋 をリアルに残しおいたす。 映像で芋たい方はこちら👇 ※リンクぞ ※占いコンテンツは別軞で発信䞭

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