
海外"人怖"怪談~危うく事件関係者に
暑いですねぇ、世界各地。ということで本日は、人が怖い系の怪談でもしてみましょうか。以下は全て作者が、ネパールで友人・知り合いから聞いたお話です(身バレ防止の脚色をしています)。では始めましょうか~
海外移住にまつわる"人怖"~親切心の罠
あるネパール人女性は家族で米国に移住して20年。安定した仕事について、既に米国市民として帰化もしていました。ある時、ネパールの親族の祝い事に参加するためカトマンズに滞在中、彼女の滞在先に突然見知らぬネパール人中年男性と、若者がやって来ました。
「これは私の息子なのだが、米国に移住する手続きをしている。ただ書類が難しくて、あなたの手助けが必要なんです」
彼女は二人を見て、何となく嫌な、不安な感情が感じられました。事前の連絡もなく突然現れたこともありましたが、"コイツラニ カカワルナ" と、何かが囁いている声が聞こえます。普段は見知らぬ人にも親切な彼女ですが、
「ごめんなさい。突然見知らぬ人のプライバシーにかかわる書類を見たくないです。帰ってください」
と、二人を追い返しました。父親と名乗る男性は
「こんなこともしてくれないのか!」
と怒りを露わにして、彼女の滞在先を後にしました。
それから数年後、米国でネパール人の若者男性が国際的なマネーロンダリング事件の嫌疑をかけられ、逮捕拘束されたとのニュースが広がりました。報道の中で彼の無罪を訴える "兄" の顔に見覚えがありました。そうです。あの時の中年男性でした。米国で有罪となったのは歳の離れた "弟" でした。
あの二人は父親と息子ではなく、実は年の離れた兄と弟だったのです。(紆余曲折の末、米国に移住していた親族のコネで)米国で違法滞在者として働いていた弟が、彼の地での交流関係の中で国際金融事件の嫌疑を受け逮捕・起訴されてしまったということでした。米国がマネーロンダリング事件への厳格化を図った時期と重なり、長期間にわたってセンセーショナルに報道されました。後日その男性の嫌疑は晴れ無罪釈放されたのですが、その男性(息子と偽られていた弟)はネパールに帰ってしまったといいます。
彼女は言うのです
「誤認逮捕されてしまった弟さんは気の毒ですが、全てのきっかけとなった移住にかかる書類をあの時親切心で見て、アドバイスをしていて、あの家族との付き合いが始まっていたら。米国入国直後には生活を立ち上げるための借金を申し込まれたかもしれず、金銭やりとりの記録が残った可能性があります。その結果、私たちまでもが知り合い・関係者として米国官憲の捜査線上に上がったかもしれません。私たちも米国でいろんな噂を撒かれたり、下手をすれば要注意外国人のリストに載せられたかもしれません」
「なぜ兄弟と言わずに、息子と偽ったのか?その時何となく、この二人は何かを隠していると感じて拒絶してしまいました。あの時のカン。表現のできない違和感に忠実に行動したことで、私も家族もあらぬ疑いをかけられる事態から逃れられました」
「あなたももし、第六感が "これはヤバい" と感じたら、その直感を無視しないでね。あなただってネパールという外国に住む外国人なんですからね」
ホテルにまつわる"人怖"~隣の部屋は闇
これはとある日本人。この方はネパールの地方都市に行く機会があり、ネパール中部、インド国境にも近い街のとあるホテルに宿泊した時のお話です。
朝はゆっくり出発してよい日程だったのだが、何となく胸騒ぎがして早朝にチェックアウトをして次の目的地に向かい、すべての用件を終えてカトマンズに戻り、手にした新聞に "胸騒ぎを覚えた街" の名前を見つけたとのこと。
「あれっ?と感じて読んでみたら、その街の、私が泊まったホテルの、私の部屋の隣の部屋でその日、殺人事件が起こったというのです。たまたま早朝にチェックアウトしたために、事件に巻き込まれずに済みました。新聞を手にしながら、背筋が凍った恐怖は忘れられません」
「ネパールという国はのほほんと見えて、時に闇の入り口が転がっていますからね。嫌な予感がしたら逃げるが勝ちですからね」
生きている・いない者にまつわる "人怖"
ある友人の兄は時々、目の前にいる人の頭上に "漫画のセリフ吹き出し" のようなものが感じられて、その人が隠している悲しさ、直面する悩み、迫りくる災難のようなものが見えるというのです。それでその相手が最悪の事態に陥らぬようさりげなく声をかけたり、自分自身が巻き込まれないように付き合いを絶ったりすることがあるそうです。
また、世界中の歴史的建造物を訪れた時、何となく夕暮れのような雰囲気を感じ、不思議と周囲の人影も消え、建物の隅っこや窓から "人ならぬ者たちが興味深そうな眼付きで彼を見ている" ことに気づくことがもあるそうです。危害は加えられず、その時の者たちは水木しげるが描く妖怪たちのような雰囲気で、彼は親しみを込めて "魑魅魍魎くんたち" と呼んでいます。
とあるお酒の席でそんな話をしたら、目の前にいる初対面の女性の目つきが変わったのだと。あれ?
「もしかして、精神科のお医者さんですか?」
「え、なんで分かったの?」
「もしかして、僕のことを統合失調症かなって、疑ってましたか」
「はい、一瞬。でも立ち居振る舞いにはその兆候がなくて、病気のレベルではないけれど不思議な人だな。でも気になるな…..と」
友人の兄は実感したそうです。
「私が感じる "吹き出し" って、これなのかな。異常な感覚なのか、観察が鋭過ぎるというか。でもね、不思議な話を人前でむやみに語るのは考え物だなって感じましたよ。病的な人と思われる恐れがあるんだなって」
最後に
ということで、"なんでそんな知り合いがいるの?" "実はあなたもスピリチュアル系なの?" と疑問の声が起こる前に。本日のお話はここまでにしましょう。おあとがよろしいようで…..テンテケテケテケテケ~