立ち歩いてOK、私語OK。それでも崩壊しない、たった一つの違い
「誰に聞いてもいいよ」って授業、やってみたいけど怖い。
そう思ったことありませんか?
演習中に立ち歩いてOK。隣と相談してOK。
聞こえはいいけど、実際にやったら私語だらけになりそう。そんな不安、めちゃくちゃわかります。
僕も昔、まさにそれで失敗しました。
「自由にしていいよ」ってやってみたら、見事に私語だらけ。他ごとやり放題。仕方ないから叱る。
空気が悪くなる。次の授業、なんか気まずい。
若手のとき、これ、何回もやりました。
でもある研修で、ひとつの原理を知ってから、変わりました。
この記事では、その原理と、「自由にしても崩壊しないクラス」の考え方を、書いていきます。
読み終わる頃には、「立ち歩きOK」を怖がらなくてよくなります。
そもそも、なぜ「自由にする」と崩壊するのか。
答えはシンプルです。
「正しい授業」ができていないからです。
わかりやすい授業は、「正しい授業」の上に成り立っています。そして「正しい授業」とは、「指示」が明確な授業のことです。
崩壊するクラスは、たいてい「指示」がないか、あいまいです。
例えば、先生が喋っているのに、生徒がおしゃべりをしている。これ、生徒が悪いんじゃなくて、
「今は聞く時間だ」という指示を、そもそも出していないか、指示を聞くことが徹底できてないんです。
僕も、この原理を知るまでは、同じでした。
「自由にしていても、生徒は自分で考えて動ける」
そう思ってたんです。
変わったのは、ある研修で聞いた一言でした。
「全員が指示に従うまで、授業を進めてはいけない」
これを聞いて、ハッとしました。
僕は、指示らしい指示を出すこともなく、「察してくれるはず」で授業しながら、たまに出したとしても、従ってない子がいてもどんどん次に進んでいたんです。
その結果、先生の言うことは別に聞かなくてもいいもの、そんな認識が生徒の間に生まれて、気がつけば私語や他ごとのオンパレードになってしまったのです。
それ以来、4つのことを大事にしながら「指示」を徹底させていきました。
①なぜ相談OKなのか、目的を毎回共有する
「今から相談タイムね」だけだと、生徒はただの雑談だと思ってしまいます。
なので授業びらきのときに、
「人に教えることが、一番学習の定着率が高い」
ということを、根拠つきで共有しておきます。
だから相談タイムのたびに、
「聞いていいよ。教えてる人も、実は一番勉強になってるからね」
と、目的を思い出させます。
目的がわかっているから、生徒は「何のための自由か」を理解して行動できます。
これがないと、「自由」はただの「放置」になります。
②最初の数時間で、線を引く
授業びらきの段階で、
基本的な指示(例えば「静かにする」「前を向く」といったこと)に全員が従うまで、絶対に先に進みません。
ここで妥協すると、あとで怖い顔をして怒鳴るハメになります。
③自由な時間のあとは、必ず「戻す指示」を出す
隣と相談したあとも、演習で立ち歩いたあとも、
次に進む前に、必ず全員を一度こちらに戻します。
小さな指示ですが、これの積み重ねがしつけになります。
④自由な時間と、戻る合図をセットにする
演習中は立ち歩きOK。
友達と一緒に相談しながら解く子もいます。
でも解説に入るときは、必ず、全員を席に戻す合図を出します。
これだけで、叱ることなく空気を戻せます。
ちなみに、それでも指示に従わない生徒には、
授業後に個別で話を聞きます。
怒鳴るのではなく、「指導」として、対話で解決します。
慣れてくると、面白い変化が起きます。
指示を出さなくても、生徒が自分で「ここはまだ喋っててOKだな」「あ、そろそろ静かにするタイミングだ」と判断できるようになるんです。
これ、実は授業展開のスピードにも直結します。
「毎回丁寧に指示するの、時間かかるのでは?」
と思うかもしれません。
でも逆です。
しつけも授業展開も、複利のようなもの。
最初は丁寧に、丁寧に。
時間がかかっているように見えます。
でも生徒が慣れてくると、
言わなくても伝わるようになる。
そうすると、テンポがどんどん上がっていく。
授業が面白くなる。寝ない。
そして、範囲もちゃんと終わる。
「自由」を機能させているのは、実は一番地味な「指示」の積み重ねです。
今日の授業、まずは一つだけでいいので、
「戻ってくる合図」を決めてみませんか。
