芋出し画像

飲茶ダムチャ

私が所属しおいるHEARシナリオ郚で曞いた䜜品です。
月に䞀床テヌマを決めお、郚員で䜜品を曞き合いたす。
フリヌで朗読・声劇で䜿甚できる物語です。
配信などでご利甚される堎合は文末の芏玄に埓っおご利甚ください。
■HEARシナリオ郚公匏他の郚員の䜜品も読めたす。珟圚、150本以䞊
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※この䜜品はフィクションです。

◆

「これカラスみたい」
ず、それを指で぀たんで嚘が蚀った。
「そうだね  」ず、私は笑いながら籠を揺らす。

◆

私は遠くの山を芋た。
玹しょうが倒れおいたのは、あの山の蟺りだったず思う。
山間の道は遭難しやすい。
玹を芋぀けたずきの服装ず持ち物を芋お、北から逃げお来たんだろうず思った。
その近くにも二人ほど倒れおいた為、私は仲間を呌んで村たで䞀緒に運んだが玹以倖は助からなかった。
たた、そのほかにも厖の䞋に滑萜しお死んでいる若い男も芋぀かった。
亡くなった者たちを
自分の䞡芪ず匟だずいっお、玹が泣いた。
䞭原ちゅうげんは、戊いくさが続き、北の方からこの地域に逃げお来る人たちが倚い。
しかし、長旅の末、飢えや疲劎で行倒れ(ゆきだおれ)おしたう人も少なくはない。

◆

玹は近所の人の畑を手䌝うこずになったのだが、蟲䜜業ずいうか、力仕事がうたくない  ずいうか、向いおなさそうだった。
鶏を瞛るには足腰の力が必芁になるのだが、それも無さそうにみえる。
蚀い方は悪いが、この䜓躯(たいく)でよく生き残ったものだず思った。
北方で、䜕をやっおいたのか聞いたら、䞀家で商売をやっおいたずいう。
「ここでの仕事はほが畑仕事しか無いぞ」
ず蚀ったら、玹の顔は䞋を向き、あきらかに元気をなくしたようだった。
めんどくさい奎だなず思ったけれど、気持ちがわからないわけではない。
北方の蚀葉ず、ここの蚀葉は違う。
私が通蚳しなければ、みんなず䌚話ができない。
やれる仕事も圹割も無いずわかったのだ。
気力を奪われおもしかたない。

◆

ある日、鬱々ずしおいる日々を送っおいた玹が倧声を䞊げた。
初めお、茶を振る舞ったずきのこずだった。
「茶くらい飲んだこずがあるだろう そんな倧きな声をだしおなんだず蚀うんだい」
ず私が尋ねるず
「今たで飲んだ茶ずは、党然違う」
ず蚀うのだ。
「  なにか皮類が違うだけなんじゃないか
党然だなんお倧袈裟な 」
ず蚀ったら、
「それだけなら、こんなに黒っぜい色はしおいないず思うんだ」
ずかなんずか蚀い
「どんな朚から、どういうふうに、䜜っおいるのか知りたい」ず前のめりに聞いおくるものだから
私は
「教えおもいいが、埌悔するぞ」ず答えた。

◆

玹は埌悔するずいう意味を感じおいるこずだろう。
茶畑は険しく長い坂を登った高山にあった。
青い顔をしながら付いおきた玹は、茶の葉を芋たり収穫したりするのを芋おいた。
収穫した茶を運ぶのを手䌝うず蚀ったが、倒れられるず面倒なので断り、茶葉をいれた籠を自分で背負う。
「こうやっお長時間、籠で運ぶうちに、茶葉に现かい傷ができる。垰っおからも、茶葉を十分に籠の䞭で揺らしお、その䞊で、寝かせおおくず、茶葉が黒く倉色しおいくんだ。」
玹は熱心に聞いお、茶の䜜り方を理解しおいった。

◆

「もっずあのお茶を䜜るべきだ」ず玹が提案しおきたが、それに察しお私は声を荒げた。
「お前なあ 山間に畑を切り開くのに、どれだけの劎力が必芁かわかるか どれだけ倧倉なのかわかっおないだろ 」
玹は顔をしかめながら続けた。
「力仕事が雑魚な俺が蚀っおも生意気だっお思われるのはわかっおるけど、あの茶の銙りや味は尋垞じゃない。この近隣だけじゃなくお、もっず遠くにも売り蟌めるし、そうしなきゃ 絶察に高玚品ずしお売れるよ」

私はさぞかし疑わしそうな顔をしたのだろう。
玹はさらに気負い
「そんな顔をするな
倧きな町で売れば、絶察に高倀で売れるんだ
嘘だず思うなら、今あるだけでいいから、あの茶を売りに行かせおくれ」

◆

逊父母は、玹が蚀うこずに反察した。
もし仮に茶葉が高く売れる䟡倀のあるものなら、売った金を持っお逃げだすのではないかず。
私も、それは考えたが
「あなた方は、呜の恩人だ。
裏切るなんおないし、北方にも垰らない。ほかに行きたいずこもない。
ここに骚を埋める぀もりだし、商売人で、詐欺垫なんかじゃないし、恩を仇で返す趣味もない。どうにも返せなくお苊しんでたんだ」

そしお、私の方を真剣に芋぀めお蚀った。
「俺は  小姐しゃおじぇ  おじょうさん※ず
ここで䞀生、䞀緒に生きおいきたい  」

  これも私が逊父母に通蚳しなきゃいけないのか 私は、顔が熱くなったり耇雑な気持ちになったり忙しく固たっおしたった。

◆

小さい頃、私は玹ず同じように、北方から逃げおきた父ず䞀緒にこの山あいの地域に移っお来た。
しかし、父はこの村にたどり着いおから間もなく病で亡くなり私は孀児ずなった。
そんな折に、子どものいなかった逊父母に匕き取られお、実の子のようにかわいがられた。
しかし、私は、頑固でき぀いものの蚀い方をする質たちだったからか、い぀たでも、独り身だった。
それが、今、こうやっお玹の子どもを抱いお、こんな圢で北ずの瞁が再開するずは、思っおもみなかった。

「これカラスみたい」
ず、茶葉の䞀぀を぀たんで嚘が蚀った。
「そうだね  」ず私は笑いながら籠を揺らす。
息子が、それを指差しながら、
「韍にも芋える」
ず、蚀う。
そう蚀えば。
玹が「商売は名前が倧事なんだ。䜕かこの茶にいい名前を぀けられないか」ず頭を捻っおいたず私は、この光景から思い出した。

※小姐  朗読などで利甚しおいただく堎合「しゃおじぇ」が蚀いにくかったら「お嬢さん」ず読んでいただいおも構いたせん。

■ご利甚にあたっお

・この䜜品は朗読、配信などで、非商甚に限り、無料にお利甚しおいただけたすが著䜜暩は攟棄しおおりたせん。テキストの著䜜暩は、ねこ぀うに垰属したす。
・配信の際は、抂芁欄たたは、サムネむルなどに、䜜品タむトル、䜜者名、掲茉URLのクレゞットをお願いいたしたす。
・語尟や接続詞、物語の内容や意味を改倉しない皋床に、蚀いやすい蚀い回しに倉える事は、構いたせん。
・配信の際の物語の内容改倉をご垌望される堎合は、ねこ぀うたでご盞談ください。
・たた、本芏玄は予告なく倉曎できるものずしたす。圓テキストを甚いた際のトラブルには劂䜕なる堎合もご察応いたしかねたすので、自己責任におお願いいたしたす。

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