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Photo byolsen_olsen

湖䞭の火

    ねこ぀う

    私が所属しおいるACTシナリオ郚で曞いた䜜品です。

    月に䞀床テヌマを決めお、郚員で䜜品を曞き合いたす。
    フリヌで朗読・声劇で䜿甚できる物語です。
    配信などでご利甚される堎合は文末の芏玄に埓っおご利甚ください。
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    ◆
     
    私はレむンコヌトを着お雚の䞭を歩いおいた。雚が、ここ数日ずっず降り続いおいる。
    森の䞭には、誰もいない。凄く楜だ。ずにかく人に䌚いたくない。
    倜寝るずき以倖は、人気のない所を私は歩き回っおいた。
    お䞖話になっおいるおじさん、おばさんに、圓然、ずおも心配をかけおしたうのだが、私は抜け出しお森を歩き続けた。
    雚が朚々や地面に圓たる音ず、ちゃぷっ、ちゃぷっ、ず、私の長靎の音。
    それだけが、聞こえおいる。
    森の䞭で、しかも、雚の䞭ならなおさら人はいない。
     
    ◆
     
    䞀幎前。突然、それが芋えはじめた時は、それが䜕なのかわからなかった。
    駅のホヌムで䞊んで歩いおいるカップルの胞のあたりに、ちらちらず、蝋燭の火のようなものが芋えた。
    あっず思ったが、その火は、燃え広がるわけでもなく、二人の胞のあたりで、揺れおいる。
    私は、じっず、その火を眺めおいたら、黄色っぜかった火は赀い色に倉わった。
    女の人の方が、ため息を぀いお、男に䜕かを蚀った。
    男が、顔をしかめお、蚀い返す。
    だんだん、蚀い合いから眵り合いになり、぀かみ合いになっお、ホヌムに居合わせた客たちが、二人を匕き離した。
    気が぀くず、私の芖界にいる党員に胞の火が揺らめいおいた。
    私は、目をそらしたが、そらした芖線の先にも、スヌツ姿のおじさんがいお、おじさんの火をじっず芋おしたった。たた、火は赀く倧きくなっおきた。おじさんの衚情が、険しくなっお、おじさんは、唟を吐くず、その堎を立ち去った。
     
    私は、䞋を向いお誰も芋ないようにしながら、逃げるように、家に垰った。
    家にいたお母さんにも、やはり胞の火があった。
    どうしたらいいかわからず、私が䜕も蚀えないでいるず、たた、お母さんの火が倧きくなっおきお、お母さんの衚情が険しくなる。
    「垰っおきたら、挚拶くらいしなさいよ」
    お母さんが声を荒げお蚀ったので、私は、恐くなっお、郚屋に駆け蟌んだ。
    䜕なのこれ
    人の胞に芋える火。
    あの倉な火を私が芋぀めおいるず、火が赀く倧きくなっお、人が怒り出す
    食事時も、私は䞋を向いお、顔を合わせないので、䞡芪は䞍審がったが、あの火を芋るわけにはいかない。
    孊校に行っおも、うっかり私がクラスの友だちの火を芋るず、その子は、喧嘩をはじめおしたう。
    私は、頭が痛いず蚀っお、その日は、保健宀で過ごし、たた、䞋を向いお、孊校から垰っおきた。
    私は自分の郚屋から出られなくなった。
    郚屋に閉じこもっおいる私に、䞡芪は、ドア越しに怒ったり、なだめすかしたりしおいたが、じきに食事を運んで声をかけるだけになった。
    私は、そっず、トむレず郚屋を埀埩する毎日。
    そんな期間が䞀か月ほど過ぎたあず、䞡芪が、山村留孊ずいうものを提案しおきた。
     
    ◆
     
    私は歩みを止めた。
    䜕かいる。
    この山の䞭の村に来おから、いろいろな気配に敏感になった。
    郜䌚にいるず人工的な音や光、人工的な刺激が溢れおいお、感芚が麻痺するのだろう。いや、麻痺させ適応しないず、生きおいけないのかもしれない。
    私は、気配のする方を芋た。がさっずいう音ずもに、灌朚の間から、熊が出おきた。
     
    熊
     
    熊がいるなんお聞いおなかった。
    私は動けなくなった。
    熊は、カフッ、カフッず興奮気味の呌吞をしながら、私の方に進んで来ようずしたが、熊は動きを止めた。
    熊は、暪を向いた。
    そこには、い぀の間に来たのか、男の子が立っおいた。
    熊は、その男の子のこずをじっず芋おいた。
    「あっ」ず思った。
    熊が、あの倧きな䜓を䌏せた。たるで飌い犬が、飌い䞻に呜什されたみたいに。
    信じられなかった。
     
    「もう、人間を襲ったりしちゃだめだよ」
     
    男の子が熊に蚀うず、熊は、のそのそず、茂みに消えおいった。
     
    私が、あっけにずられおいるず、男の子が蚀った。
     
    「僕は、ヒトシ。君の名前は」
     
    「わ、私は、アナミ  です」
     
     
    ◆
     
    ヒトシず䞀緒に䞊んで歩く。村たで送っおくれるずいう。
     
    「あ、あれは䜕ですか」
     
    「あれ」
     
    「熊が  」
     
    「ああ、あれか。がくは、動物を操るこずができるんだ  」
     
    ず、「実は䞀茪車に乗れるんだ」くらいの軜い調子で蚀った。
    私は、混乱しそうになったけど、あの熊のこずを思えば、信じないわけにはいかなかった。
     
    「アナミは、なんでこんな雚の䞭、歩いおるの」

    「  それは」
     
    「蚀いたくなかったらいいよ」
     
    そういうず、ヒトシは黙っおしたった。
     
    「  倉なこずなんだけど」
     
    ず、なぜか、私は話しおいた。あれだけ、匕きこもっおしたった理由を倧人には話せなかったのに。
     
    「ふヌん。そうなんだ  人の気持ちが、炎の圢で芋えるんだね。でも、そんなふうに、喧嘩のきっかけになっちゃうんじゃ、人に䌚うのが恐くなっちゃうね」
     
    ヒトシの堎合は、動物を芋るず、その動物の䞭に光が芋えるのだずいう。赀は怒りや䞍安、青や緑は、萜ち着いおいる状態。そしお、赀い光を出しおいる動物の色を青や緑に倉えたり、自分のむメヌゞを䜿っお操れるのだずいう。でも、私ず違っお、人間の気持ちを芋たり、倉化させたりするこずはできないのだそうだ。
    それでか、ず思った。私が心を開けたのは、それでだったんだ。
    ヒトシは、私を理解するチャンネルの持ち合わせがあったのだ。人ず違う異垞な䜕かを持っおいるずいう状況に察しおの。
     
    「あの、なんで、ヒトシさんは、ここに」
     
    「そんな䞁寧な蚀葉䜿わなくおも。ヒトシでいいよ。母の仕事の関係で、ここに䜏むこずになったんだ」
     
    「あ、そうじゃなくお、なんで、雚の森を歩いお  」
     
    「ああ、行きたい所があったんだ」
     
    「行きたい所」
     
    「うん。雚の時しか咲かない花があるんだ」
     
    ◆
     
    湖のそばに管理する人がいなくなった神瀟があるこずは、私も䌝え聞いおはいた。しかし、その神瀟の裏に、雚の時にしか咲かない花があるこずは、知らなかった。
    梅雚時に咲く花は知っおいるが、雚の日しか咲かない花ずいうのは、聞いたこずがなかった。「雚の花」を知っおいる人は、ほずんどいないそうだ。
    山奥の廃墟になっおいる神瀟の裏、しかも、雚の時にしか咲かないのでは、誰も芋向きもしなかっただろう。
    しかし、私が、雚の花を芋るこずは無かった。
     
    ヒトシず二人で、湖畔の神瀟を蚪れたら、裏山の厩れた土砂で、神瀟の建物は抌し぀ぶされ雚の花が咲いおいたずいう敷地も埋たっおしたっおいた。
     
    ヒトシも私も、蚀葉もなく立ち尜くしおいた。
    しかし、匷烈な䜕かを感じた。
    熊以䞊の激しさだった。
    気配の方向を向いたが私は戞惑った。䜕もない。
    黒々ずした湖の氎面があるだけだ。
    しかし、すぐに理解できた。
    その氎面が動いたのだ。
    雚粒の萜ちる波王じゃない。
    倧きな湧き氎が沞き䞊がっおいるような、䞍自然な波王が湖の氎面に起きおいた。

    「あ  」

    湖の䞭に、あの赀い火が芋えた。濁った氎を通しお芋たから「それ」の姿は芋えなかったけど「それ」の倧きな「火」だけが芋えた。
     
    私は、「それ」の「火」を倧きくしないように、ずっさに暪を向いた。
    ヒトシが私の手を取っお匕っ匵った。私たちは、党力で走りだした。
     
    ◆
     
    私たちは、湖が芋えない所たで走るず息を切らせお、立ち止たった。
     
    「あ、あれ  凄く倧きな火が」
     
    「うん。普通じゃなかった。姿は芋えなかったけど、湖の䞭に䜕かがいたね。
    凄く怒っおた。がくも、真っ赀な光が  
    でも   アナミも芋えたの 『火』  が」
     
    「え」
     
    「うん  アナミは人の気持ちが『火』の圢で芋えるんだよね 
    がくも芋えお、アナミも」
     
    「うん  あ  」
     
    ヒトシに『光』が芋えたずいうこずは、「あれ」は獣。
    そしお、私に『火』が芋えたずいうこずは、人間
     
    獣でもあり人間でもあり、しかも、湖の䞭にいる「なにか」。
     
    しかも、匷烈な怒りを抱えおいる。
     
    それは、いったい、どんな存圚なのか。想像が぀かなかった。
     
    私は、今ごろ、ぞっずしお震えが止たらなくなった。
    奮えおいる私を芋お、ヒトシが、電車の垭をお幎寄りに譲るくらいの自然さで、私を抱きしめお、背䞭をトントンず手で叩いおくれた。
    こんなふうに人に觊れたのは、䜕幎ぶりだろう。ヒトシは震えが収たるたで抱きしめおくれおいた。
     
     
     ■ご利甚にあたっお

    ・この䜜品は朗読、配信などで、非商甚に限り、無料にお利甚しおいただけたすが著䜜暩は攟棄しおおりたせん。テキストの著䜜暩は、ねこ぀うに垰属したす。
    ・配信の際は、抂芁欄たたは、サムネむルなどに、䜜品タむトル、䜜者名、掲茉URLのクレゞットをお願いいたしたす。
    ・語尟や接続詞、物語の内容や意味を改倉しない皋床に、蚀いやすい蚀い回しに倉える事は、構いたせん。
    ・配信の際の物語の内容改倉をご垌望される堎合は、ねこ぀うたでご盞談ください。
    ・たた、本芏玄は予告なく倉曎できるものずしたす。圓テキストを甚いた際のトラブルには劂䜕なる堎合もご察応いたしかねたすので、自己責任におお願いいたしたす。


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    䞉぀のこずをやらせおいただいおたす。 ◆声劇・ボむスドラマのシナリオ曞きやボむスドラマ補䜜 ◆散歩䞭に芋぀けた怍物のご玹介 ◆持病の療逊に関する゚ッセむ執筆 䜕屋かわからない雑倚な堎所になっおいたすが、 サむトマップで分類しおいるので良かったら芗いおみおください。☺

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