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時長の玉 トキオサノタマ アダの劖怪退治シリヌズ

    ねこ぀う

     私が所属しおいるHEARシナリオ郚で曞いた䜜品です。
    月に䞀床テヌマを決めお、郚員で䜜品を曞き合いたす。
    フリヌで朗読・声劇で䜿甚できる物語です。
    配信などでご利甚される堎合は文末の芏玄に埓っおご利甚ください。
    ■HEARシナリオ郚公匏他の郚員の䜜品も読めたす。珟圚、150本以䞊
    ■その他の ねこ぀うが曞いたHEARシナリオ郚投皿䜜品
    ■゚ッセむも含めたその他の ねこ぀うの䜜品の目次ぞ

    䞍思議なものが芋えるアダは思春期にありがちな䞖の䞭に察する絶望を感じおいた。圌女はある倖囜人の喫茶店に通い始め、壮倧で䞍思議な䜓隓をする。

     

     

    ◆ 蚪問

     

      気になっおいたものがあった。カりンタヌ暪の壁には絵がかかっおいたのだ。軍服を着た男が、癜い旗を高く掲げお、立っおいる絵だ。写真みたいな劙にリアルな絵だった。そしお、軍人が癜旗を䞊げおいるのに、なんだか、あっちの壁にあるキリストのむコンより神々しい雰囲気だった。圓時のあたしは、これが䜕なのかわからなかった。

      「もう、こんなのやりきれない  」

       あたしは、子どもの頃、特殊な䜓質で、倉なものが芋えたり  かっこ぀けた蚀い方をするず、感受性が鋭かったので、よく孊校でいじめられた。家族はよくわかんない仕事をしおいお、ほずんど䞍圚だったし、皌業のために倉な蚓緎が始たるしで、あたしは、い぀も、むラむラしおいた。 それが高じお、もう少し幎霢が行った時、あたしは、ムカ぀く奎を気たたに、ぶちのめしたりするようになった。その時の事を思い出すず、苊笑いが蟌み䞊げおくる。 たあ、逃げ足も速かったので、捕たるようなこずは無かったけれど   そんなふうに過ごしおいた、ある日、あたしは、ガラヌホワさんに出䌚った。

      ある日、あたしは、ぶらぶら歩いおいたら、灰色で金色の目をした猫が、近寄っおきお、あたしをじっず芋䞊げた。灰色の猫は、あたしの足の呚りを歩き、䜓をすり寄せた。䜓を撫でようずしたら、猫は歩きはじめた。猫は歩き続けお、ガラヌホワさんのお店の前で止たった。そしお、店のドアをすり抜けおいっおしたった。猫ドアがあったわけでも、ドアが少し開いおいたわけでもない。その猫は、閉じおいるドアをすり抜けおいったのだ。 あたしは䞍思議なものをよく芋おいたので、あんたり驚かなかった。が、でも、そのお店に、ずおも興味が沞いた。あたしは、ドアを開けおそのお店の䞭に入っおいった。 ガラヌホワさんは、驚いた顔もせず、根掘り葉掘り䜕かを尋ねるこずもせず、あたしのこずを普通、いや特別のお客ずしお、お茶を出しおくれお、なんずなく話しかけおくれた。 なんで、ガラヌホワさんは、あんなにあたしに良くしおくれたのか   ガキでお金なんかないので、タダで貎重なお茶を飲たせおもらい぀぀、入り浞るようになった。圓時のこずを思い出すず、あたりにも申し蚳無い気がする。しかし、圌女のお陰で、あたしは、思春期の闇を乗り越えられたのは間違いなく、深い感謝しかない。 小さくお叀い石造りの建物を芋䞊げた。壁にツタが絡み぀いおいる、その「ブリヌミャ」ずいう看板。䜕幎も、塗装しなおした様子がないのに、ちっずも倉わらない。

      ドアをくぐるず、カランカランずいう音がした。

     「あら  いらっしゃい」ずガラヌホワさんが迎えおくれた。

       ガラヌホワさんや店の印象を説明するのは、少し難しい。良い意味での違和感がたくさんある。ガラヌホワさんは顔かたちが敎っおいる。たあ、早い話、ずおも矎人だ。倖囜人なのだが、どういうわけか蚀葉に倖囜語なたりがない。あたり日本では芋かけないような柄の服を着おいるし、店の䞭も、よくわからない民芞品や珍しい花ず芳葉怍物で食られおいる。 それよりも、気になっおいたものがあった。カりンタヌ暪の壁には絵がかかっおいたのだ。軍服を着た男が、癜い旗を高く掲げお、立っおいる絵だ。写真みたいな劙にリアルな絵だった。そしお、軍人が癜旗を䞊げおいるのに、なんだか、あっちの壁にあるキリストのむコンより神々しい雰囲気だった。圓時のあたしは、これが䜕なのかわからなかった。あの䞍思議な雰囲気の灰色の猫も、ずきどき出お来お、ニャヌず挚拶しおくれた。これだけ異質なものに囲たれおいるし、ガラヌホワさん自身も異文化の銙りが挂っおいるのに、なんだか、安心しお䞀緒にいられる感じがした。 倖囜人で、こんな倉わった人なのに近所の人ずも䜕の違和感も無く挚拶をしおるし、地域に溶け蟌んでいる。 

    ただ  ガラヌホワさん、今は、䞀人暮らしになっおしたった。

      「 ご泚文は」

        あたしが壁際の垭に座るず、ガラヌホワさんが聞いおきた。 

     「あの玅茶をお願いしたす」

      ガラヌホワさんは、にこにこしながら、玅茶を沞かし始めた。ずおも、いい銙りがする。しばらくしおから、玅茶ず、小さな容噚に入れられたゞャムを圌女が運んできおくれお、あたしは、ゞャムを舐めながら、玅茶を飲んだ。ずおも濃くおコクのある味ずゞャムがよくマッチしおいお、あたしは、これが倧奜きなのだ。圌女の故郷では、砂糖が貎重だった昔に、こういう飲み方が、始たったのだず圌女は教えおくれた。ゞャムを盎接入れるず、玅茶が冷えおしたい、䜓が枩たらないので、舐めながら飲むのが、䞀般的なのだそうだ。 盎接入れるのは、違う地方の習慣らしい。 あたしはため息を぀いた。

    「 どうしたの」ず圌女は蚀った。

      どう蚀ったらいいのかわからなくお、遠たわしな蚀い方になっおしたった。

     「 なんだか、最近起こる事っお、凄く身勝手で、なんか、いたたたれなくなるこずあるじゃないですか  そんなこずばっかりじゃないんだずは思うんだけど、それでも、なんだか疲れちゃうずきがあっお」 

     「 あらあら、アダちゃん、今でも、そんな事を感じる時あるの」

      「 ガラヌホワさん こんな、あたしだっお、悩み倚き乙女なんですよ ハル兄にいに『あたしだっお、悩みくらいあるんだぞ』っお蚀ったら『お腹空いたのか』っお、あんの野郎、倱瀌にも皋がある あたしのこず、なんだず思っおいるんだよ、たったく」

       ガラヌホワさんは、けらけら笑った。

      「 気にするなっお蚀いたかったんじゃないかしら でも、匷く芋えおも、時には、安心しお泣き蚀を蚀いたい時もあるわよね。 アダちゃん乱暎なくらい倧胆なこずするずきがよくあるから、本圓は繊现なこず、みんな気づいおないのかもね」

      「泣き蚀っおいうほどでもないけれど  解決しおほしいわけじゃないんです。もやもやするこずっお、そんなに、簡単に解決するこずばかりじゃない  ただただ、話を聞いお欲しいこずっおあるじゃないですか。でも、男っお、そういうのが苊手みたい  」

       たた、少しガラヌホワさんが笑った。

      「 そうねえ。もっずもらしい理屈を蚀う人いるわよね。この間来おくれた幎配のお客さんが『そういうのを玅茶野郎っお蚀うんだ』っお、教えおくれたわ」

      「玅茶野郎」

      「 セむロンだからだっお」

      「 うわヌ、芪父ギャグ―」

      「 芪父ギャグっお嫌う人いるけど、でも、日本語っお、同じ読み方で違う意味の蚀葉がたくさんあるから、そういう  排萜蚀葉っおいうの 私たち倖囜人からするず、凄く面癜いんだけどね」

     「 ぞえヌ ずころで、ガラヌホワさん あたしが、ここで『人間なんお滅んじゃえばいいのに』っお叫んだ時の事、芚えおたす

      「 芚えおいるわよ 高校生の頃だったかしら」 

      「 あの頃、特に病んでたし、倧人の醜さず鈍感さにうんざりしおたんですよね」

      「 アダちゃん、荒れおたわよねヌ。青春には、ありがちではあるけれど、さすがに、あれは、ちょっず、どうしようかなあず思ったわね」

     ガラヌホワさんは、くすくすず笑った。

      「 ちょうど、この垭に、あたしは座っおいお  」

      あたしが座っおいる方ずは、反察偎の壁際の台に、綺麗な刺繍の入った垃がかけおあり、あの時ず同じように氎晶玉が眮いおあった。

      

    ◆ 氎晶玉

     
     あたしは、子どもの頃、同幎代に、ハブられお、垞にむラむラしおいた。ハブられおいたずいうのは、正確ではないかもしれない。いじめられおいたずいうよりも、なんか、同じ幎代の子たちず、感芚があたりにも違うので、溶け蟌めないでいた。粋がっおはいたが、感情が通じ合える人が誰もいないずいう状態は、いくら匷がっおいたずころで、結局は脆い。粟神的にダバい時、人はマむナスなこずばかりを、拟っおしたいがちになる。

     圓時、悪質で匷欲な事件、異垞性・残虐性のある事件も、続いおいお、人の悪意に察しおあたしはずおも過敏になっおいた。

     圓時のあたしは、ガラヌホワさんに察しお、甘え過ぎおいたので、身の回りや䞖の䞭の䞍満なこずを、ガラヌホワさんにぶちたけ「もう、人類なんか、滅んじゃえばいいのに」ず、ある日蚀っおしたった。そうしたら、あの氎晶玉が光り出した  。

     「 ガラヌホワさん あれっお氎晶玉 なんか、あたしには、倉に光っお芋えるんだけど  」

      「         これは「時」を芋る玉よ。芋おみる」

      「 え」

      その時、ガラヌホワさんは、小さな座垃団みたいなものごず、その氎晶玉を持っおきた。あたしは、そこを芗き蟌んだ。

     小さな玉の䞭で、倖囜人の男たちが、航空写真みたいなものを芋お、䜕か話しおいる様子が芋えた。髪型が、なんか、昔っぜい  

    「小さな玉なのに、なんで、こんなに凄く倧きくはっきり芋えるんだろう」ず思ったのを芚えおいる。

      「これっお  蚀葉がわからない  」

      「同時通蚳しおあげるわ  」

      

    ◆ ある写真

     

    䜜業服のようなものを着た男たちが話しおいた。

      「ああ、間違いないな  芋たこずがある  軍事パレヌドで転がされおたや぀ず酷䌌しおる。念のために送られおきた仕様曞ずも照らし合わせおみよう。十䞭八九、䞭距離匟道ミサむルだ。配備されおいる数は、機くらいか  倚いな  

      「   䞻任  栞匟頭も甚意しおいるず思いたすか」

      「   トヌストが出来おるのにバタヌを塗っおないず思うか」

      

    ◆ ある陰謀

     

     堎面が倉わっお、なんだか、別のたた、違った雰囲気の初老の男たちが話し合っおいる。別の蚀葉だ。

     ガラヌホワさんが蚀った。

     「ああ、これも蚳しおあげるわ  」

      「通垞兵噚はずもかくずしお、あの革呜家に、栞ミサむルを、本圓に、預けお良かったのでしょうか」

     「この䜜戊には、䞉぀の利点がある。栞配備に関しおは、わが囜は、劣勢だ。これで、かなりの挜回になる。喉元の囜にミサむルがあれば、あの囜も奜き勝手できたい。そしお、このミサむルを、あの囜が配備しおいるりラノスシステム撀去の亀枉材料に䜿う。䞀石䞉鳥ずいうわけだ」

     男は䜎い声で笑っおいた。

      

    ◆ 䌚議の始たり

     

     たた別の堎面が氎晶玉の䞭に珟れた。十数人の男たちが、倧きな䌚議宀のような所で、蚀い合いをしおいる。

      「 茞送船が停装されおいたにしおも、どれだけの数の埀来を芋逃しおしたったのか。なんで、本土が射皋距離に入る、あんな喉元の囜にミサむル基地など䜜られおしたったんだ」

      「 空爆で砎壊するしかない」

      「 ダメだ いきなり空爆するのは、絶察に私は反察だ 向こうも匕くに匕けなくなる」

      私は呟いた。

     「 これっお  」

     「バヌンズ囜連倧䜿 奎らは防衛のための斜蚭だず倧嘘を蚀っおいた。恐らく戊術栞が、本土射皋距離内にあるんだぞ すぐ砎壊するべきだ そしお、䟵攻䜜戊に移るべきだ」

     「冷静になっおください。リズメむ統合参謀長 䜕の譊告も無く空爆したら、パヌルハヌバヌず同じだずいうこずが、わかりたせんか」

      「 ケネス叞法長官 それなら、どうするずいうのだ 指をくわえお芋おいろずいうのか」

      「 䜕もしないずいう遞択肢は、もちろんありたせん。それは、私にもわかっおいたす。私は、亀枉ず海䞊封鎖を䞊行しお行い、盞手の出方を芋るこずを提案したす。我々は、海䞊封鎖の法的正圓性の怜蚎を始めたす。

     軍の方では、海䞊封鎖のためにどれだけの艊隊や兵力が動員できるかを怜蚎しおいただけないでしょうか」

      

    ◆ 受けいれる芚悟

     

    次の堎面では、ずおも䜓栌の倧きい真っ黒なスヌツ姿の男ず、若い女性が、二人の幌い子どもを連れおいるのが芋えた。

     「倧統領倫人、あなたにお䌝えしなければならないこずがありたす  」

      「コリンズ  あなたが䜕を蚀いたいのかわかっおいたす。その前に、䌝えおおくこずがありたす。私たちが栞シェルタヌに入らなければならない時が来たら、私はキャロラむンずゞョンの手を぀なぎ、倧統領官邞前の庭に行きたす。そしお、ほかの䞀般垂民の人たちず同じように、運呜を受け入れたす  」

       本圓に、あたしは、バカだった。

     あたしは、これを芋お、䞖界が終わるずしたら、䜕も知らない幌い子どもたちも犠牲になるずいうこずに、ようやく気が぀いた。

      

    ◆ 空爆の是非

     

     「 倧統領 海䞊封鎖など、手ぬるい はっきり蚀っお、匱腰だ すぐに空爆しお、䟵攻䜜戊を進めるべきです

    敵軍は、たかだか、䞀䞇ほどしかいないずいうのに」

     「リズメむ統合参謀長  もし、君が、間違った遞択をしお、それが採甚されたずしおも、誰も君を責めるこずはできない

    ほかのメンバヌの間違った意芋が採甚されおも、同様だ  

    そうなったら、ここにいる、君も含めお党員、䞀人残らず生き残っおいないからだ

    リズメむ統合参謀長  そのくらいの事態だずいう事を理解しお慎重に発蚀しおくれ  

    タヌナヌ空軍参謀長  君は、珟堎のこずをよくわかっおいるはずだ。率盎な意芋を聎かせおくれ」

      「 倧統領  お尋ねの件ですが、珟圚の空軍の胜力を鑑みおかんがみお、䞀床の空爆で、党郚のミサむルを砎壊するのは、保蚌しかねたす。ミサむル基地は、広範囲に倚数存圚し、砎壊しきれなかったミサむルで反撃を受ける可胜性は非垞に高いず思われたす」

     

     

    ◆ 点呌

     

    たた、別の堎面。どこかの空軍基地らしい所で、倧勢の兵士が慌ただしく動いおいる。

      「マゞかよ  これだけの芏暡の緊急移動なんお、第二次倧戊でも無かったんじゃないか」

      「䜙蚈なこず蚀わずに、さっさず動け」

     

     

    ◆ 向こう偎の意識

     

     たた別の堎面。

      「 倧統領が、テレビ挔説するだず」

      「はい、副銖盞」

     「銖盞には䌝えたのか」

     「ただでありたす」

     「あの囜のミサむル基地に気付かれた 早く銖盞に䌝えろ 䞋手をするず党面戊争になる」

     

     

    ◆ テレビ挔説

     

     倧統領のテレビ挔説が行われおいた。

     「かねおから我が囜の囜民の皆さんに玄束した通り、政府はかの地域における連邊の軍事力増匷を厳重に監芖しおきたした。過去䞀週間以内に明癜な蚌拠によっお䞀連の攻撃甚ミサむル基地が我が囜の喉もの囜に準備されおいる事実が確認されたした。

     こうした措眮は、わが囜ず同盟囜の安党保障䞊、重倧な脅嚁であり囜際法をないがしろにするもので、断固容認するわけにはいきたせん。

     これ以䞊、連邊の攻撃甚ミサむルを増やす事も防ぐ必芁がありたす。我が囜は、あの島囜に察しお海䞊隔離を行いたす。

     シェヌキン銖盞およびモラン倧䜐に、以䞋の四぀の項目の措眮を我が囜は、速やかに行う事を宣蚀したす。

      ・バルベルデ共和囜向け船舶の「海䞊隔離措眮」

     ・バルベルデぞの空䞭監芖

     ・囜連安党保障理事䌚の緊急招集

     ・そしお䞡囜の指導者に『䞖界を壊滅の地獄から匕き戻すための歎史的努力』に参加しおいただく亀枉を開始するこず

     これが我々が着手した困難か぀危険な努力であるこずは、誰にも疑いの䜙地のないこずでしょう。今埌、この事態が。どのような経過をたどるか予想できたせん。もし、この危機が  倧囜同士の倧量砎壊兵噚による応酬の匕き金になれば、それは、䞖界戊争に繋がり、どれだけ人的損害を招くか党く予想できたせん。

    我々の意志ず忍耐が詊緎にかけられおいたす。䞀番倧きな危険は䜕もしないこずです。我々が遞んだ道は危険に満ちおいたす。しかしそれは、我々が䞖界に負っおいる重倧な責任でもありたす」

      

    ◆ 軍の集結

     

    たた、海軍基地みたいなずころで、倧勢の兵士が移動しおいく。

      「なんで、䌑暇䞭に呌び出されなきゃいけないんだよ」

      「  なんかダバくないか 䌑暇䞭の党兵士が呌び戻されおるっお  どこの陞海空軍基地もこんな感じらしいぞ  」

     「  ただ開戊しおいるわけでもないのに、どんどん戊闘機が飛び出しおる  異垞だよ」

     倧雑把にしかわからないけれど、話しおいる堎面が移り倉わるに぀れお、どんどん、ドミノ倒しみたいに事態が悪化しおいくのがわかった。

    たた別の堎面が珟れた。

     

     

    ◆ 倧統領の曞簡

     

     『海䞊封鎖など囜際法違反だ。そんなものは突砎する』ず、ラゞオであの囜は声明を出しおきた。非垞にたずい状況だ。秘密裡に曞簡を送るこずにする」

      「どのような内容ですか」

      「   口述筆蚘しおくれ。掚敲したあず、銖盞に、送ろう。

     『あなたの囜は、攻撃甚ミサむルを我が囜の喉元にある囜に䞎えた。これは、わが囜の安党保障䞊、この䞊ない脅嚁です。

    それで私たちは  海䞊「隔離」を実行したした。これは、私がテレビ挔説でも䌝えた通りです。

    囜の指導者ずしお、これらの凊眮を取らざるを埗ないこずは、ファレル銖盞。あなたにも、圓然わかっおいるはずです。

    私が、テレビ挔説で、申しあげた事の繰り返しになりたすが、小さなプラむドず、わずかな目先の利益のために倧量砎壊兵噚で戊いを始めるならば、䞖界芏暡で、どれだけの犠牲が出るか、予枬すらたちたせん。この事態は、誇匵ではなく、䞖界の呜運は、今、我らの手にかかっおいたす。

    たた、この亀枉が長匕くこずにも、危惧を感じおいたす。小さな偶発的な出来事がきっかけで、䞀気に事態が悪化しかねない。䞀刻も早く、状況を打開する必芁がありたす。私ず、第䞀曞蚘、あなたは、理性ず賢明さを持っお状況を管理䞍胜な状態にしおはなりたせん。これは、倧囜の指導者ずしお、私たちの責務であり、䜿呜であるはずです』

     

     

    ◆ 迎撃の䜓制

     

    たた、堎面が倉わった。倚分、栞ミサむル基地なのだろう。歊噚のこずは、よくわからないけれど、いか぀い兵噚が、いろいろず備えられおいお、基地の出入り口には、小さな芁塞みたいなものが䜜っおある。銃を持っおいる兵士がたむろしおいお、兵士がたくさん乗った軍甚車䞡も走っおいる。

     たた堎面が切り替わる。今床は、倚分、地䞋の指什宀みたいな所  

     「 海䞊封鎖が始たったようです。我が軍は、孀立する恐れがありたす」

     「心配するな。この地には、粟鋭四䞇ず珟地兵䞉十䞇がいる。向こうも倧きな被害は出したくないはずだ。おいそれず、攻撃をしかけおくるはずがない それに、空爆でミサむルを砎壊しようずしおも、残った栞匟頭で倧統領官邞が吹き飛ばされるずいうこずは、向こうも理解しおいるはずだ  」

     

     

    ◆ 囜連での察決

     

    たた、別の堎面が珟れた。䜕かの囜際䌚議みたいだ。ここでも、怒鳎り合いになっおいる。

     「バヌンズ囜連倧䜿、お蚀葉ですが、攻撃的なミサむルの䟛䞎など、わが囜は行っおいない 根拠のない我が囜に察する䞭傷行為を、我々は断固非難する」

     「 皆さん、今の発蚀を聞かれたしたね

      これが、わが囜が、䞊空から撮圱した写真です。皆さん、芋おください 

    䜕床も我が囜で、写真を分析・怜蚎を重ねた結果、これは、防衛のためのミサむルではない事が確認できたした。

    防衛のために、なぜ栞匟頭を搭茉できる䞭距離匟道ミサむルを配備する必芁があるのですか。

    こんな重倧な事に関しお、囜際䌚議の堎で、写真たで぀けお、我々が嘘を぀くず思いたすか 

    これは、䞖界の安党保障に察する重倧な挑戊であり、栞攻撃の連鎖が起きるこずも考えられる事態です。

    今、䞖界は存続できるかどうかの瀬戞際に立っおいたす。ゟむド囜連倧䜿、あなたの囜は、密かに攻撃のための匟道ミサむル基地を建蚭したしたね

    通蚳は必芁ないでしょう。む゚スかノヌでお答え䞋さい」

      「私はあなたの囜の法廷に立たされおいるのではない」

     「あなたは今、䞖界䞖論の法廷に立たされおいるのです」

      「そんな怜事のような質問をされおも、お答えするこずはできない」

     「ゟむド囜連倧䜿 地獄が凍り぀くたで、回答をお埅ちしおいたすよ」

     

      

    ◆ 亀枉の可胜性


     

     「 連邊の銖盞からの曞簡が届きたした」

     「読み䞊げおくれ」

     「あなたから十月二五日付けの曞簡を受け取りたした。あなたが事態の進展をある皋床理解しおおり、責任感も持ち合わせおいるず感じたした。私はこの点を評䟡しおいたす。

    䞖界の安党を本圓に心配しおおられるのであれば私のこずを理解しおくださるでしょう。

    私はこれたで二぀の戊争に参加したした。至るずころ死を広め尜くしお初めお戊争は終わるものだずいうこずを知っおいたす。ですから政治家ずしおふさわしい英知をみせようではありたせんか。

    今、戊争ずいうロヌプの結び目を匕っ匵り合うべきではありたせん。匷く匕っ匵り合えば結んだ本人さえ解けず 

      それが䜕を意味するか申し䞊げるたでもありたせん。我々の条件ずしおは  」

     「 なんだ 今になっお 海䞊封鎖など突砎するず、䌝えおきおいた癖に」

     「随分、時間がかかりたしたね。意図的に遅らせおいるんでしょうか」

      「それでも、かなり柔軟な内容になりたした。これなら亀枉の䜙地があるず思いたす。党面戊争の危機を感じ、向こうも、それは回避したいのだず思いたす。

    この状況で開戊したら、どちらが勝っおもピュロスの勝利です。粘り匷く亀枉するべきです」

      

    ◆ 撃墜ず領空䟵犯

     

    奜転したかず思ったら、事態はたた悪化しおいった。

     「 悪い知らせです、倧統領 我が囜の偵察機が撃墜されたした。パむロットも、恐らく死亡したものず思われたす」

      「なんだず 間違いないのか」

      「やはり、こちらの亀枉など、はなから聞く気は無いのだ 党面空爆ず䟵攻䜜戊しかない」

     「 いや、それでも貚物船は、匕き返し始めおいる。刺激するべきではない」

     「 たず、小芏暡の空爆を行っお、盞手に譊告を䞎え、出方を芋るべきではないだろうか」

     「 ダメです これは、向こうの䜜戊行動ではなく、偶発的な事かもしれない。空爆するにしおも、時間を眮くべきです」

     「  もう䞀床、曞簡を送る事を怜蚎しよう。それでも、向こうが、さらに軍事行動を取った堎合、十月䞉十日に空爆を開始したらどうだろうか。党員の意芋を聎かせおもらいたい」

      「 倧倉です」

     「 今床はなんだ」

      「 こちらの偵察機が、操瞊を誀っお、連邊に察しお領空䟵犯をしおしたいたした。盞手の戊闘機がスクランブル発進したそうです」

      「たずいです。こちらが、栞の先制攻撃堎所を偵察しおいるず勘ぐられる恐れが  向こうから先制攻撃を受ける可胜性も  」

     「なんずいうこずだ こんなタむミングで、盞手を刺激する事が起きるなんお」

     

     

    ◆ 駆逐艊ず朜氎艊

     

     寒気がした。こんなに立お続けに  あたしは、教科曞で芋た栞兵噚で人が死に絶えた地域の写真を思い出した。今床は、どこかの海の䞊で、艊船が航行しおいた。その戊艊のキャビネットで  

     氎の音ず、レヌダヌ音が聞こえる。 

     「゜ナヌ探知。朜氎艊がいるようです。、いや隻。友軍ではありたせん。匕き返しおいく貚物船の護衛でしょうか」

     「挔習甚爆雷を投䞋し、浮䞊するよう譊告を」

      私は呟いた。

    「 え そんなの譊告じゃなくお、攻撃ず取られるんじゃ」

     「了解」

      兵士たちが、次々ず、二人がかりで、倧きな金属の物䜓を海䞭に投げ入れおいく  

     倧きな蜟音がいく぀も起きた。海䞭にいた朜氎艊が、衝撃で嫌な振動をしおいた。次は、その朜氎艊の䞭の様子が映った。

     「  今、我々は、爆雷攻撃を受けた

    戊争の火ぶたは、切っお萜ずされた。我が軍の誇りを芋せようではないか

    栞魚雷甚意」

      「艊長 目にもの芋せおくれたしょう」

      「副艊長 祖囜のために」

      「 栞魚雷発射甚意  」

     「 え 栞魚雷」私は呟いた。

      氎䞭を魚雷が進む音。栞爆発。そしお、その攻撃による、ドミノが、次々ず䞖界䞭に倒れおいった。あちこちの地域で、栞攻撃の応酬が起きた。キノコ雲が無数に立ち、熱颚で人々が蒞発し、䞖界䞭の建造物が厩れお吹き飛んでいくのが芋えた。

      ガラヌホワさんが、呟いた。「これが、䞀぀の結末だったの」

      「 え」

     「詊されおいたの  」

     「え 䜕が」

     「人類が  ここだけは介入できなかった  」

     「え」

      なぜか、少し時間が戻っお、たたあの堎面が続いた。

      

     

    ◆ 䞖界の終わる日に

     

     「  今、我々は、爆雷攻撃を受けた

    戊争の火ぶたは、切っお萜ずされた。我が軍の誇りを芋せようではないか 

    栞魚雷甚意」

      「 艊長

    私は、反察です 今、我々は爆雷攻撃を再床受けるのを避けるため、深い堎所を航行しおいたす。それで、情報が途絶し、倖郚の状況がわかりたせん 本圓に、開戊したのかどうか、今の我々には確認できたせん

    このような状況で、軜々しく栞の䜿甚など、絶察にやめるべきです」

     

    「 副艊長 戊争は始たった。この艊の損傷では、これ以䞊の、長距離朜氎航行は無理だ 䞀矢報いお、最埌の誇りを芋せるべきだ

     

     「 ダメです 

    この䞀隻の朜氎艊が、䞖界の呜運を握っおいるかもしれないのです

    浮䞊しお、戊闘の意志が無いこずを、向こうに瀺すべきです」

     

     「しかし」

     

     「 この状況での発射は絶察に、やめるべきです

    党面栞戊争になれば、䞖界が終わりたす。

    私は、䞖界の終わる日に立ち䌚いたくありたせん

    それを回避できるなら、どんな屈蟱であろうず匕き受ける芚悟です」

     

     副艊長ず呌ばれた男が、艊長を説埗しお、朜氎艊は、包囲しおいた敵の艊隊の真ん䞭に浮䞊し、癜旗を掲げお戊闘の意志が無い事を䌝えた。戊闘の意志の無いこずが、確認されるず、朜氎艊は解攟されお、その海域を離れおいった。

      このあずも、必死に人々は、戊争回避のために、奔走しおいた。

      「 再び、シェヌキン銖盞に曞簡を送っおくれ。今から蚀うので口述しおくれ。

     ・ミサむル基地建蚭の䞭止

    ・攻撃型ミサむルの撀去

    ・囜際連合の査察団受け入れ

     この䞉぀の条件が、容れられれば、我が囜は、海䞊隔離を解き、空爆・䟵攻しないず確玄したす。

    私はあなたからの十月二六日付けの曞簡を倧倉泚意深く読み、この問題ぞの早急な解決を願う熱意が述べられおいたこずを歓迎したす。曞簡で瀺された線に沿っお、解決に向けた取り組みを、この週末に囜連事務総長代行の䞋で䜜成するように指瀺したした  」

      

     ◆ 匷硬な人々

     

     「 倧統領 すぐに、䟵攻䜜戊を開始するべきです」

      「危険は䌎いたすが、この状況ではやむを埗ないかもしれたせん」

      「今回は、私も即時攻撃を支持したす」

      「私も、攻撃に賛成です。しかし、時間を眮く必芁はあるず思いたす。倧統領が蚀われたように䞉〇日たでに、回答が無かったら、空爆・歊力䟵攻を開始する案に賛成したす。明日の䌚議で䞉〇日の攻撃䜜戊に぀いお、話し合う事を提案したす  」

      

    ◆ 川のほずり

     

     「 囜務長官ず呌ばれおいた男が、䌚議の小䌑止のずき、倧きな川を芋ながら぀ぶやいおいた」 

      川の流れる音がする。

      「  安党保障䌚議の倚くのメンバヌが、空爆ず䟵攻が䞍可欠だず蚀うようになった。戊争回避のため取り組みが限界に近づいおいる。明日、空爆ず䟵攻䜜戊぀いおの、䌚議が開かれる   この矎しい倕日を、私は家族ず、たた芋続ける事ができるのだろうか」

      

    ◆ 銖盞の決断

     

     たた、別の堎面が映った。たた、あっちの囜の方だ。

      「 本圓に、偵察機を撃墜したのか」

      「 間違いありたせん」

     「 倧統領官邞の動きは」

      「 倧統領が、䞉〇日の朝に新たに声明を発衚する可胜性が高いずいう情報が  それから  」

      「それから ただあるのか」

       『戊術栞を䜿っおでも、倧囜の暪暎を蚱しおはならない。絶察に退いおはならない』ず、あの革呜家が  曞簡を送っおきたした」

      「軜々しく栞を䜿え 正気か 若僧が 

    栞は、あくたで倖亀のカヌドだ 

    䜿甚すれば、栞攻撃の応酬になり、䞖界が終わる。

    あの男は、その皋床の政治的刀断もできない銬鹿なのか

    あの男の囜にミサむルを預けるべきではなかった 

    事態が制埡䞍胜に陥いり぀぀ある。

    私は、こんなこずで、䞖界の終わる日に立ち䌚いたくない

    倧統領からの曞簡が来おいたな  

    倧統領官邞に、䞉぀の条件を承諟する曞簡を送る。

    いや  前回は、曞簡の送付に手間取った。

    手間取っおいる間に、たた、偶発的な事故が起きる可胜性がある。ラゞオ攟送で、すぐに声明を発衚する  」

     

     ノむズのたくさん入ったラゞオの声が聞こえた。

     「    この声明は嘘ではないですよね  」

     「ああ  確かに、基地建蚭の䞭止、囜連査察団の受け入れ、そしお、ミサむル撀去に合意する、ず  」

      男の䞀人が、倧きくため息を぀いお、座り蟌んだ。

     「䞖界は救われた  」

     「   我らは、䞖界の終わる日に立ち䌚わずに  枈んだ  」

     もう䞀人の男も、倧きく息を぀いお座り蟌んだ。

     

     

     

    ◆ 人間の愚かさず気高さ

     

     私は我に返った。氎晶玉は、光るのをやめおいた。

      「 ガラヌホワさん、私は、いったい䜕を芋たの

       ガラヌホワさんは、柄んだ瞳で、私を優しく眺めながら蚀った。

       「人間の愚かさず気高さ  かな」

     

     ◆ 祈り

     

    私は、珟代のガラヌホワさんに話しかけた。 

     「そのあず、ガラヌホワさん蚀いたしたよね。栞魚雷を絶察に発射させなかった『副艊長』は、私の曜祖父だ。圌は、䜕の勇たしい名前も残さなかった。でも、私は、圌のこずを心の底から誇りに思っおいる。

    愚かな人もいっぱいいる。人は愚かな間違いを起こす。けれど、無数の名もない人たちも含めお、少しでも䞖の䞭を平和にしたい、良くしたいず思っお頑匵っおいる人たちもたくさんいる。

    いろんな気が滅入る事件が起きおいるから、気持ちはわかるのだけど、そんなに、人間に察しお、悪く蚀わないでほしい。絶望しないで欲しいっお  」

      「そうね  」

      「でも、今回のこず  あの      ガラヌホワさんは本圓に匷いし、今も、䜕でもない顔しおるけど  その  」

     ガラヌホワさんの目が少し倧きくなった。

      「 アダちゃん     あなた  」

     「みんな、あんたりのこずで、どう蚀っおいいかわからないから、ガラヌホワさんに話しかけないみたいだし  䞭には心無い客が、嫌がらせをする事もあるっお聞きたした。

      あたしには、なんにもできないんだけど、でも  ガラヌホワさん  」

     ガラヌホワさんの目から涙が溢れお、圌女は手で顔を芆っお  嗚咜しはじめた。

     あたしは、立ち䞊がり、生たれお初めお、泣いおいる人を自分から抱きしめた。圌女は、背が高いから、抱きあげるような感じになったが、圌女は、子どものように泣き続けお、あたしを抱きしめ返した。

     「戊争、本圓に早く終わっおほしいですね  」

      あたしは、ガラヌホワさんの背䞭をさすりながら蚀った。

     「そうね    」


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