
相対性理論 魂の全曲レビュー
音楽バンド:相対性理論の全曲レビュー
シフォン主義 (2008)

2000年代後半の邦楽シーンに突如現れた超新星、相対性理論の記念すべきファーストアルバム 自主制作ながらも口コミとネットの評判で知名度を上げ、最終的には2009年の第1回CDショップ大賞も受賞した名盤 2008年~09年は色んなメディアで「LOVEずっきゅん」がかかっていたし、例にもれずこの頃に自分もLOVEずっきゅんに衝撃を受けてハマりました
中身の話をすると、全5曲16分とかなりコンパクトな内容ながらも、全曲強烈なインパクトと高い完成度を誇っているので何度も何度も聴ける やくしまるえつこ(以下、やくえつと表記します)の淡々としたボーカルも相まって、どこか適当感のある世界観ながらも、綿密に計算されたオルタナティブな作風
■全曲感想
M1 スマトラ警備隊:イントロの強烈なドラムとギターで突き抜ける強烈なポップ・ロック この曲と「LOVEずっきゅん」に衝撃を受けて相対性理論を好きになったリスナーは数多くいるんじゃないでしょうか 歌詞の一行一行に強烈なフレーズが仕込まれていて、結構重いこと歌っているけど、実はあんまり意味ないんだろうな
M2 LOVEずっきゅん:相対性理論を代表するキラーチューン 自分が言うまでなく傑作だし、J-POPの歴史に名を残すであろう名曲 やしえつのボーカルと歌詞のおかげでどこか気の抜けた世界観になっているけど、バッキングの演奏は結構ロックロックしている
M3 夏の黄金比:この曲も結構ロックな感じ アルペジオ主体のギタープレイで始まる、夏の終わりに聴きたいサマーチューン 一番の聴きどころは何と言ってもかの有名な「コントレックス箱買い」パート、このパートに辿りつくまで結構マジメな雰囲気なのに何の脈絡もなくぶっこんでくる 影響受けてコントレックス箱買いした人、私以外にもきっといますよね?
M4 おはようオーパーツ:この曲もきれいなアルペジオから始まるスローな曲 イントロのギターリフが印象的だけどベースラインが好きだな 歌詞も語感を重視した感じだけど、全体を通して統一感のあるストーリーになってて良い
M5 元素紀行:実はアルバムで一番好きな曲 ナンバガの「IGGY POP FUN CLUB」みたいなギターリフから始まるポップロック(というかこのアルバム、全体的にナンバガの影響かなり受けていると思う 特にイントロのギター・ドラムの入り方とか) Aメロの歌詞は元素名を綴っているだけなんだけど、歯切れが良すぎるので聴いてて気持ちいいし、サビの「ウォウウォウイェーイ」なんかは一緒に歌いたくなる 2番Aメロの「過酸化 sweet sweet days」も洒落が効いていて面白い 独特の後味を残してアルバムが終わる
ハイファイ新書 (2009)

2枚目のアルバム 前作「シフォン主義」が様々なメディアで称賛された中でリリースされた、平成後期サブカルチャーの頂点に位置する超名盤 当時、ヴィレッジヴァンガードに通うサブカル勢(自分含めて)はほぼみんな聴いてたし、女子なんかはやくえつに影響受けてそうな子も周りに何人かいた 名前は伏せるけど、2010年以降、理論フォロワーっぽいバンド・グループも結構活動してたよね
肝心の中身は、前作よりもさらにローファイなバンドサウンドと脱力したウィスパーボイスで構成されたゆるーい世界観 アルバム全体を通して、低血圧でダウナー気味だけどキュートな「やくしまるえつこ」というキャラクターが見事に印象づけられている
■全曲感想
M1 テレ東:シティポップ風のゆるいバンドサウンドで幕開け 気の抜けた炭酸飲料みたいな雰囲気が漂う、サビの歌詞もありきたりなフレーズが散りばめられながらも強いインパクトを誇ってる
M2 地獄先生:バンドの代表曲だと思う ぬ~べ~みたいな厳つい曲名とは相反して、女子高生が先生を想うという切ないストーリー 中でもラスサビの最後のフレーズに撃ち抜かれた男子は沢山いると思う(自分のことです)
M3 ふしぎデカルト:この曲大好き メロディーもとってもポップで中毒性あるし、何と言っても曲の世界観が良い 霊感の強い女の子が幽霊に出会うって曲なんだけどオカルトチックにならずにどこかコミカル リスナーに真実を問いかけるような大サビもドキッとしてしまう
M4 四角革命:この時期のバンドの強みが最も色濃く反映されたアルバムのハイライトだと思う ディストピア感あふれる怪しいイントロから世界観にぐっと引き込まれるし、キャッチーなサビの言葉遊びなんか最高だし、全体通してSF的な世界観なのに落ちサビの「きっともう宿題出せない」で現実に引き戻される構成、、何もかもが素晴らしい
M5 品川ナンバー:イントロの電子音が印象的なゆるーいファンク 見慣れた都会の風景からグッバイして、南の島に旅行するっていう曲 ちょっとノリノリなやくえつのボーカルも良き
M6 学級崩壊:けだるい歌い出しから始まるがサビは超高音ボーカル、この温度差が大好き この曲の一番の聴きどころはやくえつの「学級崩壊」の「ほう」の歌い方、可愛すぎる、、
M7 さわやか会社員:アルバムで一番好きだし、相対性理論の好きな曲ベスト3には絶対入るくらい大好きな曲 終始韻を踏んだ歌詞や、圧倒的な盛り上がりを見せるサビも大好きなんだけど、何と言っても、いくつもの表情を見せるリードギターが素晴らしい Aメロとサビはバッキングに徹するんだけど、間奏で美しいフレーズが奏でられる 極めつけはラスサビ終わりのギターソロ、泣いてしまう
M8 ルネサンス:ルネサンスが提唱した数学論がテーマ こういうネタを曲にするのってなかなか難しいと思うんだけど、そこは流石の相対性理論、綺麗な語感にまとめる作詞のセンスに感心してしまう 自分は理系専攻だったので、数学の勉強しているとこの曲が何度も脳内再生されてた思い出
M9 バーモント・キッス:最後の最後でものすごい曲来た 美しいシンセライザーで奏でられるハイスケールな大名曲 サウンドは最早神々しさすら感じられるけど、歌詞は世界征服をあきらめた主人公の日常がつづられる、そのギャップも素晴らしい 一番の聴きどころはやっぱり2分45秒〜のメリーゴーランドのようにぐるぐるリフレインするラスサビ 脳内麻薬ドバドバになってハイになってしまう
シンクロニシティーン (2010)

3枚目のアルバム 前作「ハイファイ新書」の雰囲気はある程度継承されつつも、よりポップかつロックなバンドサウンドが目を引く作品 ただし曲そのもののクオリティは前作よりもビルドアップしていると思うし、どの曲も心の琴線に触れるようなキャッチーなメロディとフレーズがたくさんちりばめられていて不思議と中毒性あるし、リリースから15年経っても全く飽きない名盤 個人的には相対性理論のアルバムで一番好き
■全曲感想
M1 シンデレラ:ファンタジックなシンセから始まるオープニングナンバー 歌詞のテーマは「バイクでシンデレラをタンデムして舞踏会に送り届ける」っていうシュールな世界観、バイクに乗っているときの描写もやたら丁寧に綴られる 自分はバイク乗りなのでこの曲大好き、いつかはボンネビル乗ってみたいけど高くて買えない(T_T)
M2 ミス・パラレルワールド:アルバムのハイライトかつバンドを代表する名曲 求心力あるサビは一発で覚えられるくらいキャッチーだし、一度聴いたらなかなか頭から離れない MVは夜の高速道路の映像がひたすら流れる、歌詞の世界観と見事にマッチしてる
M3 人工衛星:ベースラインが印象的なポップ・ロック 「人工衛星マギオン」や「空中庭園バビロン」など声に出して言いたいフレーズが多数登場 やしえつのボーカルも一段とハリがある印象 サビもキャッチーだし演奏もかっこいいので大好きな曲
M4 チャイナアドバイス:この曲も大好き(ていうかみんな大好きだと思う) 相対性理論流の必殺チャイニーズ・ポップ 全部サビってくらいどの歌メロもどキャッチー カバーだけど、一時期TikTokでも流行ってた 再ブーム来い!
M5 (恋は)百年戦争:この曲も大好き 前曲と同じくチャイニーズなギターリフから始まるポップス 男女の三角関係を歌っていて、アルバム収録曲の中でもわかりやすいストーリー 終始かわいらしい世界観なんだけど、サビの最後のフレーズ「ちょんぎって見せるわ」にドキッとしてしまう
M6 ペペロンチーノ・キャンディ:大好きな曲6連発、本当にシンクロニシティーンって素晴らしいアルバムだ…、、 この曲、やくえつのボーカルが一番可愛い曲だと思う 語感重視しただけだと思うが、「ペペロンチーノ・キャンディー」が何なのか最後まではっきりしない物語も良い(正直、おいしそうではない)
M7 マイハートハードピンチ:ディスコ調のギターが印象的 相変わらず語感を重視した歌詞に乗ったメロディーもポップでいいんだけど、この曲の聴きどころはドラムだと思う、手数が多い
M8 三千万年:軽快なリズムで跳ねるポップス 盛り上がりが少ないので一見地味めな曲に思えるだけど、バッキングのギターをはじめとして演奏凝ってるし、やくえつのボーカルも可愛いので結構好きな曲
M9 気になるあの娘:アルバムの中で明らかに浮いている、ストレートなロックンロール この曲をコピーした学生バンドは過去沢山いたんじゃないかな 心のど真ん中に刺さるバンドサウンドやキャッチーなメロディーも大好きなんだけど、個人的に一番好きなのは歌詞 Aメロでは「気になるあの娘」という身近な存在の普遍さを歌いつつも、サビでは一転して多国籍かつスリリングな世界観に広がっていくギャップが良い ちなみにイントロはチャットモンチーの某曲に激似
M10 小学館:この曲人気あるよね この曲の歌詞をモデルして短編映画作れそうなくらいドラマチックな曲だと思う SFチックな歌詞にピッタリあったディストピアなサウンドも良い
M11 ムーンライト銀河:アルバムを締めくくるのはスローテンポながらもハイスケールの名曲 サウンドも夜空のお月様と星空を想起させるような音作りになってて、真っ暗な夜に一人で聴くと楽しい
正しい相対性理論 (2011)

新曲3曲、リミックス10曲を収録した異色作 これまで発表された曲を「再構築」した、リミックス・アルバムならぬ”ミュータント・アルバム" こういうリミックス作品って音楽界ではあんまり評価されないorあんまり良くないことがあるあるだと思うけど、自分はこのアルバム、傑作だと思う これまでの相対性理論の曲って全体的にポップでゆるーい作風が多いけど、本作はその作風をぶち壊し、現代音楽やアンビエント風・ラップ・ファンクなど他ジャンルに昇華させ、全く違う曲に変貌を遂げている 合計70分と長いし、合わない人にはとことん合わない作品なので、このアルバムを聴いて拒絶するか、どハマりして沼の底に沈むかで今後の音楽嗜好が変わってくるのでは
■全曲感想
M1 Q/P:新曲 ヒップホップ風のボーカルとファンキーなサウンドで化学反応を起こした新境地 とはいっても相対性理論らしいどこか気の抜けたダウナーな曲に仕上げられている
M2 QJPCAM:「ペペロンチーノ・キャンディ」のリミックス 終止鳴り響く「ペ、ペ、ペ」が怖すぎる ブレイクビーツ主体のサウンドも気持ちいい、何度も聴いてるとトランス状態に似た感覚に陥る
M3 QGKGAO:始まって1分以上経ってもなかなか歌い始めない‥と思ったらまさかの朗読 6分以上ある曲だけど、幻想的なアンビエントサウンドに仕上がっていて、聴いてて飽きない
M4 QSMJAF:「四角革命」のリミックス これは比較的原曲に近いかも よりサイケデリックかつ浮遊感ある仕上がりになってて、何なら原曲よりいい
M5 QHPMAS:7分半の大曲 前半5分は「(恋は)百年戦争」のフル、後半は「マイハートハードピンチ」をワンコーラスというメドレー形式 マイハートハードピンチに切り替わる展開が唐突すぎて毎回笑ってしまう
M6 QMSMAS:「ミス・パラレルワールド」のリミックス バンドサウンドが主軸の原曲とはうって変わって綺麗なピアノ主体の穏やかなサウンド こっちのバージョンも素晴らしいです
M7 Q&Q:新曲 アルバムで一番好きな曲 子守唄みたいな心地いい歌メロと、いつもより一段ウィスパー感あふれるやくえつのボーカルが印象的なふわふわポップス 歌詞も恋愛体質な女の子を綴ったストーリーで可愛らしい 埋もれさせたくない隠れた名曲
M8 QSSGAB:「元素紀行」のリミックス リミックス曲ならこの曲が一番好き 高速ドラミングとノイジーなギターから始まるイントロが衝撃的 ただ歌い始めると一転して神秘的な雰囲気となり忙しい 更には歌パートが終わると後半は爆発的なサウンドがかき鳴らされ、一粒で三度美味しい名リミックス
M9 QVSCAA:「バーモント・キッス」のリミックス 原曲と雰囲気は似てるんだけどこっちは終始ぶつ切りのキーボードと謎の環境音が鳴らされてて、より刹那的でトリップ感あふれる仕上がり
M10 QMCMAS:10分以上ある大曲、本アルバムのハイライトだと思う 幻想的でキラキラしたサウンドをベースとして、「ムーンライト銀河」「シンデレラ」「ミス・パラレルワールド」の3曲をごちゃ混ぜにした問題作 長い長い曲だけど曲間の繋ぎが綺麗だし、ボヘミアンラプソディ並みの劇的展開を見せるので、大好きな曲 深夜に部屋の電気を消して聴きたい
M11 QLOTAS:「テレ東」のリミックス BPMは原曲と変わらないけどこっちはHIPHOP風のリズム 一番の聴きどころは後半のスチャダラパーのラップパート
M12 QKMAC:「ミス・パラレルワールド」のリミックス まさかの小山田圭吾が編曲を担当 比較的原曲に忠実な雰囲気だけど、こっちは打ち込みと色んなSEが音が鳴ってて、Corneliusっぽい
M13 (1+1):新曲 フルートの音色も相まって、夜の静寂に似合う幻想的な曲 全体的にやりたい放題やってるアルバムを綺麗に締める
TOWN AGE (2013)

バンドの核を担ってきた真部さんが脱退して初のアルバム 2010〜2012年の間はやくえつソロが活発だったこともあってか、今作もどこかソロの雰囲気を持ちつつ、かつ、以前までの相対性理論の作風に近づけたような音楽性 この作品、発売当時はかなり賛否両論だった記憶がある 大体の意見を見ると「相対性理論っぽくない」「真部が抜けて物足りない」など、音楽面での批判が多かった 事実、作曲しているのはやしえつと永井さんのみなので、作風が違うのはその通り けれど、やくえつのボーカルは更に進化したと思うし、作曲面でも前作以前と比べても全然負けてないので、決して駄作ではない、良盤だと思う
■全曲感想
M1 上海an:イントロのリコーダーの音が印象的なリードトラック 歌詞は上海旅行がテーマ、レジェンドの殺し屋に命を狙われるスリリングなストーリーだけど相変わらずどこか気の抜けた雰囲気
M2 BATACO:バタバタしている女の子(バタコさん)を歌ったポップロック 求心力あるサビは一発で覚えられそうなくらいキャッチー なんとなくやくえつの歌い方がいつもより感情的になってる気かする
M3 YOU&IDOL:アルバムのリードトラック 気だるいウィスパーボイスで歌われるもこもこした曲、「ハイファイ新書」に収録されてそうな雰囲気 曲の完成度もこれまで以上に高いと思う
M4 キッズ・ノーリターン:主にサウンド方面においてソロに入ってそうなシリアス要素の強い曲 曲展開や歌い方もソロのそれに近い 大サビの気の抜けたラップパートが聴きどころ
M5 辰巳探偵:実はアルバムで一番好き イントロのキーボードで心全部持ってかれるドリームポップ Aメロから最後のサビまで同じテンションで歌うから盛り上がりには欠けるけど、浮遊感あるモコモコしたサウンドメイキングが効いていて、この平熱な温度感がたまらなく心地良い 眠れない夜もこの曲のおかげでぐっすり寝れそう
M6 救心:アルバムの中でもかなり好きな曲 ドラマチックな歌詞のストーリーと解放感あるサビで突き抜けるラブソング あざといやくえつのボーカルも相まって、とっても可愛いポップロックに仕上がっていると思う
M7 ジョンQ:「辰巳探偵」と同じ雰囲気を持つモコモコしたポップス エイプリルフールと映画「ジョンQ」との関連性はわからない あんまり聴かない、、
M8 ほうき星:初期からライブでも演奏されていた、ファンからも根強い人気を誇る名曲 子守唄のような歌メロと、夜に似合う綺麗で穏やかなサウンドの調和が素晴らしい
M9 帝都モダン:何度も転調するバンドサウンドを土台として、矢継ぎ早に繰り出される歌メロが好き 最後の「ラララ…」パートも良い 3分強と短い中で劇的な展開を見せる隠れた名曲
M10 たまたまニュータウン:シンセライザーが印象的なEDM風の曲、比較的あっさりしたメロディーでアルバムを〆る この曲に関しては別バージョンの「たまたまニュータウン(2DK session)」のほうが断然いい 一発どりのセッションらしいけどクールなバンドサウンドで作りあげられた名演 中でも4分40秒からの長尺アウトロなんかはロックファンなら涙無しには聴けない 世界観バッチリのMVも合わせてどうぞ
天声ジングル (2016)

前作から3年ぶりに発表された5枚目のアルバム やくえつのソロ活動が2014〜2015年の間ゆるやかになった後で発表された渾身の一枚 これまでのふわふわで平熱なサウンドとは一変して、異世界に時空転生したような、SF要素の色濃いダークな雰囲気 どこか真部さん在籍時の影を引きずったような前作から一変した、これまでの相対性理論とも、更にはやくしまるえつこソロとも全く違う、第2期相対性理論と呼ぶに相応しい作品(この作風であと1〜2枚アルバム作ってほしかった‥)
■全曲感想
M1 天地創造SOS:旧約聖書に登場する「天地創造」という雄大なタイトルながらも歌詞は慌ただしい日常を歌うというギャップがいい ボーカルもこれまでの作品よりもより力強い
M2 ケルベロス:この曲大好き 厳ついタイトルながらも初っ端から「地獄の番犬わんわん」、、思わずズッコケそうになるが、Bメロからは一転シリアスでセカイ系みたいな世界観になる 目立たないなからもカラフルに彩るギターサウンドも素晴らしい
M3 ウルトラソーダ:先行配信曲 この曲凄い 遠い星からミサイルが落ちてくる、という異常事態の中、主人公は「クリームソーダ飲みたいな」である 初聴きだとなんだこれ?って思うかもしれないけど、所謂よく雑談で取り上げられる「今日で世界が終わるとしたら何をしたい?」がテーマなんじゃないかな 主人公は人生最後の瞬間に「クリームソーダを飲むこと」に決めた、という無力感に得も知れない悲しさを感じる
M4 わたしがわたし:第1期相対性理論の作品に入ってそうな雰囲気の緩くて爽やかなサウンド 片想いの気持ちを歌った歌詞が切ない
M5 13番目の彼女:アルバムで一番好きだし、相対性理論で一番好きな曲 この曲の凄さは何と言っても歌詞 前半は慌ただしい日常生活を送る主人公の様子が歌われるけど、英詩のサビからガラッと流れが変わる やくえつの可愛いボーカルに惑わされそうになるが英詩を翻訳すると「死にそう、さよならを言う時間よダーリン」「少年だった頃、あなたが降りてきた」「あなたに恋したくて堪らない」と歌っている
この曲って、恋に落ちた時の主人公の心情を歌っていると解釈しているんだけど、英詩を見ると「13番目の彼女」は実在する人間なのかすら怪しい(虚像ないしは精霊?) それを踏まえると、曲冒頭のフレーズ「それはある日突然来たの」は主人公にとって希望であり絶望的な出来事なのかもしれない、、
歌詞の話ばかりしたけど、音作りも凝りに凝ってて、夜明けを思わせるようなシンセ主体のサウンドは幻想的だし、中盤以降バッキングで暴れまわるギターもかっこいい
「希望」と「絶望」、「生」と「死」が絶妙なバランスで入り乱れた、相対性理論屈指の怪曲
M6 弁天様はスピリチュア:打ち込みとシンセが印象的な癒し系ソング ファンタジーな世界観の歌詞と絶妙にマッチしてる 天気のいい新月の夜に散歩しながら聴きたい
M7 夏至:夏のはじまりに聴きたいポップス 住んでいる思い出をつづったストーリーだけどあんまりいい思い出はなさそう タメにタメた後で一回しか歌われないサビも劇的
M8 ベルリン天使:いつか天使になれるのを信じている繊細な女の子を歌ったストーリー この世界観が大好きっていう人はきっと沢山いるはず
M9 とあるAround:シンセライザー主体のEDMっぽい曲、歌詞の半分以上は英詩 ボーカルも(やくえつ基準で)いつもよりノリノリな感じもする
M10 おやすみ地球:人類終焉がテーマなのに明るい雰囲気の歌詞、サウンドも可愛らしくてそのギャップに息が詰まりそうになる 曲の最終盤は「鳴り止まない大喝采」と歌ったあと唐突に終わる、、
M11 FLASHBACK:終始鳴らされる不穏なキーボードと打ち込みが印象的な、「人類終焉」のその後を歌ったアルバムのハイライト 中盤(2分45秒~)からはギターとストリングスが不協和音を奏でて怒涛の盛り合がり いつもより淡々と歌うやくえつのボーカルも世界観の構築に多大に貢献している 歌メロが単調な気がするけど、アルバムの中で実験音楽とSF要素が最も色濃く出ている名作だと思う 本作収録バージョンも良いけど、ライブアルバム「調べる相対性理論」のバージョンはより凄い、鬼気迫る演奏も相まって圧倒される
調べる相対性理論 (2019)

キャリア唯一のライブ・アルバム このアルバムしか入ってない曲が2曲入っているので触れておきます ライブ・アルバムとは言いつつも、各曲が全体的にリアレンジされていて、世界観はどことなく前作「天声ジングル」を思い出させるけど、よりディストピアかつ前衛的な雰囲気 最早リミックスアルバムといっても差し支えないのでは どうでもいいけど、この作品ずっとサブスクリプションで聴いてたんですが、最近フィジカル買いました アートワークがアルバムの世界観とマッチしてて、購入してよかった
■全曲感想 ※既存曲は省略
M8 NEO-FUTURE:2018年に突如配信されたシングル曲 和訳すると「新しい未来」、タイトル通り電子音を主体とした近未来あふれるサウンドで展開するインダストリアルの傑作
M9 わたしは人類:やくしまるえつこのソロ曲 原曲は4分半の曲だったけどこっちは8分半と大幅にビルドアップ、環境音と電子主体の原曲とは異なりこっちはバンドサウンドとストリングス主体の仕上がり 一番の聴きどころは中盤から4分間続く間奏、生命の誕生から現代までをエクスプレッシングしたようなスケール その壮大さに聴くたびに圧倒される
余談:好きな曲ベスト10
自分が特に好きな10曲を改めて考えてみた
好きな曲たくさんなので、時間がたてば変わってるかも
・13番目の彼女:「天声ジングル」収録
・さわやか会社員:「ハイファイ新書」収録
・Q&Q:「正しい相対性理論」収録
・シンデレラ:「シンクロニシティーン」収録
・わたしは人類:「調べる相対性理論」収録
・バーモント・キッス:「ハイファイ新書」収録
・元素紀行:「シフォン主義」収録
・気になるあの娘:「シンクロニシティーン」収録
・ウルトラソーダ:「天声ジングル」収録
・たまたまニュータウン(2DK session):シングル
おわりに
以上、相対性理論の全曲レビューでした
コラボシングル「アワーミュージック」と「乱暴と待機」収録曲は今回省略しました(後日書き足すかもです)
中学生のころからずっと愛聴している大好きなバンドについてアウトプットできて楽しかったです
相対性理論って、どうしても「やくしまるえつこ」という圧倒的なキャラクター性と存在感に目を奪われるけど、実は高度な音楽理論と演奏技術に基づいたサウンドを展開する、強かなバンドだなと改めて思いました
コロナ禍以降、相対性理論としての活動は音沙汰無くなってしまい、ソロ活動もゆるやかになってしまったので、いつ再開してくれるか見通しが立たないけど、新作ずっと待ってます
最後まで読んでくれてありがとうございました