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Photo bychakabe_okb

〔ショートショート〕かも知れない弁天

    下山途中で道に迷った。近場で歩きなれた道の筈なのに、気が付くと霧の中。途方に暮れていると、霧の向こうに見慣れない鳥居と、美しい女性が立っていた。手には琵琶のような楽器、長い黒髪……。確か、宝船の掛け軸で見たことがある。恐る恐る声をかける。
    「あの、もしかして弁天様……?」
    「かも知れないわ」
    頭の中に直接声が響く。神さまがいると言うことは、ここは……。
    「も、もしかしてここはあの世……」
    「かも知れない」
    「私は死んでしまったのですか!?」
    「かも知れないわ」
    いい加減な返答ばかりで、段々イライラしてきた。
    「何で同じことばっかり!本当は何にも知らないんでは?」
    「かも……知れない」
    確信した。これは本物の弁天様じゃない。多分、山の狐か狸の類い。だったら。
    「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」
    九字を切り、手刀で払う。キャッという鳴き声と共に鳥居も偽弁天も消え、近くには見慣れた道が。山ではこんなことはよくある……かも知れないな。
    (完・409字)


    こんばんは。こちらに参加させていただきます。

    たらはさん、お手数かけますが、よろしくお願いいたします。
    読んでくださった方、ありがとうございました。

     
     
     
    気まぐれに詩やショートストーリーなどを投稿しています。気が向いたら遊びに来てくれると嬉しいです。ぼちぼちと更新していく予定ですので、どうぞ皆さま、よろしくお願いします。

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