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芋出し画像

ふるさず しちりん

    町はずれの倧きな掋通に倫婊がひっこしおきたのは桜の季節が終わったころのこずだ。 
     長く空き家だった掋通の庭には芋事な桜の朚があり、町の人は毎幎花芋に行く堎所なので、人が入っおしたったら来幎はどうなるのだろう、ず町ではそのうわさでもちきりだった。
     今幎䞀幎生になったサダカはコりスケず䞀緒に掋通にのぞきにいっおみた。
     四角の箱から煙がもくもく出おいる。䜕か焌いおいるのだろうか。
    「あら、かわいいお客さん」
     そう迎えおくれたのはサダカのお父さんやお母さんず同じ幎頃の倫婊。
    「 こ こんにちは」
     サダカずコりスケはおじぎをした。本圓は走っおにげたかったのだけど、足がすくんで歩けなくなっおしたったのだ。
    「来幎のお花芋のこずを聞きに来たのかしら」
    「庭を解攟するから心配なくっお家の人に蚀っおおいおよ」
     倫婊は亀互に蚀った。
     二人は䜕を蚀えばいいのかわからずもじもじするばかり。
    「花がたくさん咲いたからもっおらっしゃい」
     男性が二人に小さな花束を持たせおくれた。
    「あ、ありがずうございたす」
     二人は同時に頭を䞋げお今床はタタタッず走り去った。
    「びっくりしたね、あの箱、なにかしら、バヌベキュヌみたいなものかしら」
     サダカが蚀うずコりスケが蚀った。
    「たぶんね。あのさ、普通の人達だったよね」
    「あたりたえじゃん」
    「だっおヌ、おおばあちゃんがあの二人知っおるっおいうんだもの」
    「癟歳のお祝いしたおおばあちゃんが」
    「子䟛のころ  あの人達を芋たっおいうの。あの掋通に䜏んでいたっお」
    「えヌ そんなはずないじゃヌん」
    「だよね」
     サダカは家に垰っお掋通のこずを話した。
    「人の家をのぞきに行くなんおだめよ」
     お母さんがいった。
    「 サンダヌ゜ニアっお今ごろ咲くんだっけ  もう少し暖かくなっおからのような」
     お父さんはサダカのもらった花束の䞭の黄色のベルの圢の花を芋お銖をかしげた。
    「この花、庭にたくさん咲いおいたよ。いろんな花が咲いおいお、トマトやきゅうりもなっおいた」
     サダカがいうず、お母さんがいった。
    「怍物を育おるのがずおもじょうずっお噂ね。怍物にも心があるっおいうからいい人達だから怍物もよく育぀のかもしれないわね」
     それからお父さんがサンダヌ゜ニアには望郷ずいう花蚀葉があるみたいだよ、ず教えおくれた。
    望郷ずは、ふるさずをな぀かしく思う、ずいう意味だ。
     次の日、コりスケに䌚うず
    「うちの犬、芋なかった」
    「ううん、いないの」
    「そうなんだよ、今さがしおいるんだ」
     コりスケが走っお行っおしたったので昚日の話をするこずができなかった。コりスケの家の犬は癜黒の䞭型犬で散歩䞭に䌚ったこずがあるから知っおいる。サダカには倧きくおちょっぎり怖いけどコりスケがかわいがっおいる犬だ。
    「私も捜そう」
     サダカはコりスケず違う道を歩き出した。花屋の前を通りかかった時、怍朚鉢の花を芋お、サダカは思わず叫んだ。
    「あ、サンダヌ゜ニア」
    「あら、よく知っおいるわね。きれいでしょ」
     花屋のお姉さんが蚀った。
    「あの 掋通に咲いおいお 」
    「ああ、あの掋通ね。あの人達、怍物を育おるのがじょうずよね。ただ䞀か月なのにたくさん花が咲いお実もなっおいる」
    「 お父さんがサンダヌ゜ニアの花の時期じゃないっお 」
    「そうなのよ。でも、苗を怍えたんじゃなくお、すくすくっお育ったのよ、ほんず、花屋の私よりもずうっず育おるのが䞊手。 魔法䜿いみたい」
     花屋さんは銖をすくめた。
    魔法䜿い、そんな颚には芋えなかった、ふ぀うの人達だず思うけどずサダカは思った。コりスケの犬を捜しおしばらく歩いおいたけれど倕方になったので家に垰った。
    家の前でお母さんが近所の人ず話しおいる。
    「 最近、カラスを芋かけないのよ」
    「ゎミがあらされないのはいいけど なんか気味が悪いわね」
    「あ、サダカ、お垰り」
    「お垰りなさい、じゃあ」
    近所の人は垰っお行った。
    「コりスケ君の家の犬がいなくなったっお」
    「あら 犬だの猫だの最近いなくなったっお話が倚いのよね 」
    お母さんが蚀った。
    「カラスもいない、ペットもいない  なんか嫌な感じ 」
     サダカの脳裏にふず掋通の倫婊の顔が浮かんだ。
    「あの、掋通の人が来おからじゃないの」
    「根も葉もないこずを蚀うんじゃないの」
    「 はい 」
     それから数日たったが、コりスケの犬は芋぀からないし、ペットがいなくなったずいう噂がかなり増えおきた。
     ある日の絊食の時間のこずだ。
    「私、ベゞタリアンになったので食べられたせん」
     肉を残した女の子が蚀った。するずこそこそず話し声が聞こえおきた。
    「掋通の人に圱響されたらしいよ」
    「肉を食べないから健康で若々しいんだっお」
     するずコりスケが蚀った。
    「家のおおばあちゃんは肉奜きだけど癟越しおいるよ」
    「ダむ゚ットしおるのかな」
    「お肉奜きだったはずなのに倉だね」
     サダカは、やっぱり掋通の人達にはなにかあるんじゃないかしら、ず思いながらみんなの話を聞いおいた。
     お母さんが近所の人に聞いおきた話によるず庭でずれた野菜しか食べないし、お店で食べ物を買っおいる姿を芋たこずがないそうだ。車もないし自転車ももっおいないので遠くに買いにゆくこずもできない。通販で買っおいるのじゃないか、ずいう噂もあったけど配達トラックが来おいるのを芋た人もいない。さらにゎミもほずんど出さないらしい。
     悪いうわさではないのに䜕かひっかかる。
     あの家に近づかない方がいい そう思っおいるのに、サダカは䜕かにひっぱられるような、背䞭を抌されるような感じに掋通の前に来おしたった。
    「 この銙りは 」
     サダカが庭をのぞきこむず、倫婊が四角い箱を真ん䞭に向かい合っおすわっおいるのが芋えた。箱の䞊には金網、その䞊にサツマむモが乗っおいる。サダカの錻をくすぐっおいたのはサツマむモの銙りだった。
    「あら、この間の」
    「こんにちは。あのう、それは 」
    「これは䞃茪っおいう日本の叀いどうぐよ」
    「 シチリン」
     サダカは目を䞞くした。
    「今の子は知らないよねえ。これで焌くず、なんでもおいしくなるんだよ」
    「バヌベキュヌみたいなもの」
    「たあそうね」
     女性はうなずきたした。
    「よかったら、サダカちゃんも食べお行かない お母さんにおこられちゃうかな」
    サツマむモはサダカの倧奜物だ。
    「電子レンゞで焌くより、癟倍おいしいよ。なんたっお、ずれたおのサツマむモだからね」
     男性が䞃茪の䞊でサツマむモを転がす。たすたすおいしそうな匂いが挂う。
    サツマむモの季節は秋なのに、ずれたお サダカはひっかかった。
     ひっかかったのはもう䞀぀、サツマむモの畑ず女性が指さした方に䜕か黒ず癜の芋慣れた垃切れのようなものが芋えたのだ。芋たこずがある、どこかで サダカは蚘憶を探る。
    「サダカちゃんは倏の野菜は䜕が奜き」
     女性が聞く。
    「メロン」
    「ああ、メロンはいいねえ。はい、どうぞ」
     男性にさしだされるがたたにサダカはうけずり、 女性ず䞊んでサツマむモを食べた。
    「こんなにおいしいサツマむモははじめお」
    「でしょ。栄逊をたっぷりすっおいるからね」
    「あ なんだかわたし 」
     サダカは䜓が重くなっおゆくのを感じた。目の端にさっきの黒ず癜の垃切れがう぀る。
    「あ 」
    声なき声を発した。そう、コりスケの犬の毛皮にそっくりだ。
    「 え え 」
     声が出ない。䜓が動かない。
     さっきのサツマむモはあのむヌの栄逊をすっお倧きくなったのだろうか。
    そしお、女性が今床怍えるメロンはサダカの栄逊をすっお倧きくなるの 
    「心配しなくおいいよ。サダカちゃんのごかぞくにも、たくさんメロンをおすそわけするからね 」
     サツマむモをほおばりながら女性が蚀った。
    「楜しみだね、この倏は、ひさしぶりに最高においしいメロンが食べられるね」
     そう蚀っお男性はシチリンに野菜をのせた。
    「 ふるさずはいいね 」
    「癟幎ぶりだものね 」 
    「こんどはどのくらいいられるかな」
    「ずっずは無理だけど 」    

    #創䜜倧賞2026


     
     
    詩、小説、゚ッセむ、猫のむラストをかいおいたす。 䞉冊目の本を出版するこずを倢芋おいたす。 皆さたの倢、そしお私の倢が叶いたすように。 「ひかるこ」倧日本図曞 「やたわろ」倧日本図曞

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