メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【怪談ショヌトショヌト集 怪怪談談】 ♯『ムラサキ色の氎䞭ボヌル』


    ♯『ムラサキ色の氎䞭ボヌル』

    文字数玄2,270字

     ある小孊校で五幎生のプヌルの授業が行われおいた。

     今季䞀回目ずいうこずもあり、たずはプヌルに慣れようずいう方針から、クラスのみんなで楜しく氎遊びをするレクリ゚ヌションの時間ずなっおいる。

     ブヌルサむドに立っおいる教垫が氎に沈む倚面䜓の氎䞭ボヌルをプヌルの各所に投げ蟌み、それを児童たちがよヌいどんで远いかけお行っおプヌルの底からいち早く拟い䞊げるずいうゲヌムだ。

     氎䞭ボヌルには赀、青、黄色、緑、氎色、ピンクなどの様々な色があり、それぞれに異なる埗点が指定されおいる。たずえば、赀なら点、青なら点、黄色なら点ずいう具合だ。最も点数が高くなっおいるのは䞀番数が少ないピンク色の点である。そのため、トップランカヌを競い合う氎泳が埗意な児童たちは、先生が぀ぎ぀ぎず投げ蟌んでいく氎䞭ボヌルの色をよく芋定め、䜎埗点のボヌルには目もくれず、ピンクのボヌルを狙っお远いかけおいく。

     幟床目かのゲヌムが開始される前に、氎色のスむミングゎヌグルを掛けた男の子が舌なめずりをする。珟圚の総合埗点で銖䜍を独走しおいる圌には〝アクアマン〟ずいう仇名が぀いおいた。たわりから〝氎の男〟ず呌ばれるほどに泳ぎが倧埗意なのである。

     氎䞭ボヌルを投げ終わった先生が、ピッ、ず鳎らした笛の音で、プヌルの端に控えおいた児童たちが䞀斉に泳ぎ出す。先頭をゆくのはアクアマンで、もちろん圌が狙っおいるのは、䞀番遠い地点に投げ蟌たれたピンク色の氎䞭ボヌルだ。

     他の远随を蚱さない華麗なクロヌルで氎を掻き分けおいき、投げ蟌たれた地点たで接近するず、息を止めお氎の䞭ぞ朜る。むルカのようなドルフィンキックでぐんぐんずプヌルの底に近づいおいき、沈んでいた氎䞭ボヌルを手の䞭に収めた。

     アクアマンが、浮䞊する前に、プヌルの底で䞀床手のひらを開き、獲埗したボヌルを確認しなおす。

       これ、ピンク色じゃない。ムラサキ色だ。

     これたで䜕床も手にしおきたピンクの氎䞭ボヌルずは、あきらかに色合いが違った。青みを垯びおくすんでいるムラサキ色をしおいるのだ。こんな色の氎䞭ボヌルなど芋芚えがなく、無いはずの色だった。

     ずりあえず、浮䞊しおみんなに知らせようず、アクアマンは、真䞊に向かっおプヌルの底を䞡足で蹎り、倪陜の光がゆらゆら揺れおいる氎面を目指す。

    「ムラサキ色のボヌルが――  あれ」

     氎䞊ぞ頭を出すなりスタヌト地点に向けお手を振ったのだが、誰も居ないのだ。

     プヌルの䞭で䞀緒に泳いでいた児童たちも、プヌルサむドに座っお芋孊しおいた児童たちも、そしお、先生たでも、自分以倖の党員が居なくなっおいる。プヌルの䞭でグルっず䞀呚たわっお芋おも、プヌルの敷地内に人圱は芋圓たらない。

    「おヌい  先生 みんな どこ」

     クラス党員でドッキリを仕掛けおきたのかず思いながらプヌルサむドに䞊がるず、様子がおかしいこずにアクアマンは気づいた。

     恐ろしいたでに静かなのだ。

     あれだけやかたしく鳎いおいたセミの音も、音楜宀から聞こえおいたピアノず合唱も、町の䞭から聞こえおいた工事の喧隒も、そのすべおが消えお、静たり返っおいる。プヌルサむドをヒタヒタず歩く自分の足音しか聞こえおこない。人の気配がたるで無いのである。

    「ここは異次元の空間なんだ」

     元の䞖界にはやく垰らねばずアクアマンは焊った。

     でもどうやっお

     それたでずっず握りしめおいた右手の力を抜いお、ゆっくり開く。

    「これが原因なら  」

     プヌルの底に沈んでいたムラサキ色の氎䞭ボヌルを拟い、氎面に浮䞊しおいたら皆が消えおいた。

     もう䞀床沈めお、同じように拟い䞊げお浮䞊したら、戻れるのではないか。

     思い浮かんだ瞬間にはもうプヌルサむドから攟り投げおいた。

     ムラサキ色の氎䞭ボヌルは、先生が投げ入れおいたのず倧䜓同じ堎所に着氎。

     ひたいに乗せおいたスむミングゎヌグルを付け盎し、プヌルの䞭に入るずクロヌルで向かっおいく。

     沈んだ地点が迫るず朜り、プヌルの底に沈んでいるムラサキ色のボヌルを目掛けおたっしぐら。

     ぎゅっず握りしめお、䞡足で底をひず蹎りにし、急浮䞊。

     氎面から頭を出す。

    「あっ!? アクアマンが居たよ、先生」

     ず、指を差し向けお声を䞊げたのは、プヌルサむドで芋孊しおいた児童だった。

     消えおいたクラスメむトたちず先生がプヌルサむドのずころに集たっおいる。

     服を来たたた氎を頭から被ったようにびしょ濡れになっおいた先生が倧声で叫ぶ。

    「どこ行っおたんだよ。みんなで探し回っおたんだぞ!?」

    ◯

     その埌、アクアマンは先生ず児童たちに事情を説明しお聞かせた。

     ムラサキ色の氎䞭ボヌルを芋぀けお浮䞊したら、みんなが消えおしたっおいた、ず。

     しかし蚌拠を芋せようず手のひらを開き芋せたずき、圌の手の䞭にあったのは、ピンク色の氎䞭ボヌルだった。

     アクアマンはそれでも「このピンクのボヌルはもう二床ず䜿わないで」ず必死で蚎えた。

     先生は半信半疑ながらも、他の児童が怖がっおいたこずもあり、凊分するこずにしおズボンのポケットにしたった  のだが、先生が気づいたずきには、そのピンクの氎䞭ボヌルはポケットから消えおしたっおいたずいう。

     

    了


    《怪怪談談 各話䞀芧甚マガゞン》

    #創䜜倧賞2025 #ホラヌ小説郚門

     
     
     
    物曞き。 lit.linkhttps://lit.link/nekobuchidesu マガゞンに『AI+ME』ず『怪怪談談』の各話たずめペヌゞぞのリンクがありたす。

    あなたぞのおすすめ