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【怪談ショヌトショヌト集 怪怪談談】 ♯『じゅじゅ坊䞻』


    ♯『じゅじゅ坊䞻』

    文字数玄2,340字

     ある晩、小孊幎生の女の子が、自宀のベッドでう぀䌏せになっおいた。

     枕に顔を埋めお、溜め息をくりかえしおいる。

     なかなか寝入れずにいるのは、明日、孊校の課倖授業で登山にいくこずになっおいるからだ。運動嫌いの女の子にずっお、登山など、むやみやたらず疲れるだけの苊行以倖のなにものでもない。登山を楜しみしおいるクラスメむトたちの気が知れなかった。

     ぀たり明日を迎えるのが嫌なのである。

    「雚降らないかなぁ  」

     そうすれば䞭止になる。

     できるこずなら仮病を䜿っお䌑んでしたいたかったが、登山の日を嫌がっおいるこずを母芪は承知しおいるため、嘘はすぐに芋抜かれる。ズル䌑みは認めおくれないだろう。

     だから倩気の悪化を期埅するしかない。

     しかし䜕床ずなくスマホで倩気予報を確認しおも、朝から晩たで晎れマヌクが䞊んでいる予報に倉曎はないのだ。

    「どうにかしお雚にできないかなぁ  あっ、そうだ」

     女の子はスマホのAIアシスタントアプリを起動させた。

    「ねぇ、倩気を雚にするおたじないを知らない ぜったい、ぜったいに効くや぀を教えお」

     困った時のAI頌みである。

     パパママよりずっず賢いAIなら、䜕か方法を知っおいるかもしれない。

     い぀もよりも返答に時間が掛かったあず、AIが、回答をスマホ画面に衚瀺させた。

    ―――――――――――――――

    【AIの回答】

     倩気を雚にする効力の高いおたじないに〝じゅじゅ坊䞻〟がありたす。以䞋に衚蚘する順番を厳守し、実行しおください。

    1. 癜い玙の䞭心に、自分の名前(フルネヌム)を赀いむンクで蚘入する。

    2. 巊手薬指の爪を切り、玙に蚘入した自分の名前の䞊に乗せる。

    3. 爪を乗せた玙を四回折りたたむ。

    4. 癜い垃やティッシュペヌパヌなどで「おるおる坊䞻」を䜜る。このずきに『』の工皋で䜜成した玙を、おるおる坊䞻の頭の䞭に、確実に封入する。

    5.  おるおる坊䞻の頭ず胎䜓の境目ずなる箇所は、自分の頭髪を甚いお、きっちり結び留める。

    6. おるおる坊䞻の顔に圓たる郚分に『己』ずいう文字を赀いむンクを䜿っお曞く。

    7. 完成したら「降りたすように、降りたすように、降りたすように」ず䞉回願をかけながら、おるおる坊䞻を窓際に逆さ吊りする。

     これで〝じゅじゅ坊䞻〟が完成ずなりたす。䜜成した〝じゅじゅ坊䞻〟に䞍備があったり、蚘茉した手順が守られなかった堎合には効力が埗られたせんので、くれぐれも泚意しおください。

    ―――――――――――――――

     女の子はダメ元で質問しおいたが、AIから返っおきた答えが具䜓的であったため、本圓に効き目がありそうなおたじないだず思った。

    「〝じゅじゅ坊䞻〟を぀くろう」

     ず、すぐにベッドから飛び起きる。

     準備するものは、リビングから爪切りを取っおくる以倖は郚屋の䞭にあるもので枈んだ。

     手順を間違わないようにスマホを䜕床も確認しながら〝じゅじゅ坊䞻〟を䜜っおいく。

     明日雚になるのなら自分の髪の毛を数本切るこずだっお、なんの躊躇いなどない。

     そうしお完成させるず、

    「降りたすように  降りたすように  降りたすように」

     手順通りに䞉回唱えながら、窓ガラスのできるだけ高い䜍眮たで手を䌞ばし、〝じゅじゅ坊䞻〟の裟をセロテヌプで留めお、逆さ吊りにした。

     これで起きたずきには雚になっおいるはずだ、ず、女の子はすっかり安心しお眠りに぀いた。

       のだが、

    「晎れずるやないかい」

     目が芚めおカヌテンを開けた女の子は、カラッカラに晎れおいる青空に向かっお぀っこんだ。

     あたりの腹立たしさから、AIに嘘を぀かれたこずを朝食時に母芪に語っお聞かせた。

    「あんたも銬鹿だねぇ」ず母芪は笑った。「〝じゅじゅ坊䞻〟なんお聞いたこずないよ。䞋手な尋ね方をするから、AIが勝手に創䜜しお答えちゃったんだね。ハルシネヌションずか蚀うや぀だよ」

    「ムカ぀いたから今日は登山䌑む」

    「だめ」

     結局、女の子の登山を回避したいずいう願いは叶わなかった。

    ◯

     その日の正午頃、女の子の母芪が、ふず、朝食時に嚘から聞かされおいた〝じゅじゅ坊䞻〟のこずを思い出した。

    「これから雚になるかもだから、ただそのたたにしおるから、ぜったい觊らないでね」

     ず蚀っお嚘は玄関を出お行ったものの、残念ながら、珟圚も空はカラッカラに晎れ枡っおいる。

     AIが提瀺したおたじないなんかを本圓に信じお〝じゅじゅ坊䞻〟なる怪しげなものを郚屋の窓に貌り付けっぱなしにしおいるのだろうか、ず気になり、母芪はちょっずだけ芗いおみるこずにした。

     嚘の郚屋のドアを開けるず、確かに、匵り出し窓の䞊の方に、『己』ず顔に描かれたおるおる坊䞻らしき真っ癜い物䜓が、頭が䞋向きになった逆さ吊りの状態で貌り぀けられおいる。

    「たあ、ただおたじないを信じちゃう可愛いお幎頃だよね」

     そう埮笑たしく思っお、ドアを閉じ戻そうずしたその時だった。

     ――ぜずっ

     セロテヌプの貌り付けが甘くなっおきおいたのか、〝じゅじゅ坊䞻〟が、頭から真っ逆さたに床に向かっお萜䞋しおしたったのである。

     貌り付け盎しおあげようかず思い、母芪が窓際に向かう。

     そしお、顔をしかめた。

     床に転がっおいる〝じゅじゅ坊䞻〟の癜い頭が、脳倩から胎郚の裟のほうに向かっお、赀く染たり出しおいるのだ。じわじわ、じわじわ、液䜓が染みおいくように、党䜓が真っ赀に着色されおいく。

     ――プルルルルッ

     母芪のスマホに通話着信が入った。

     孊校からだった。


    了


    《怪怪談談 各話䞀芧甚マガゞン》

    #創䜜倧賞2025 #ホラヌ小説郚門

     
     
     
    物曞き。 lit.linkhttps://lit.link/nekobuchidesu マガゞンに『AI+ME』ず『怪怪談談』の各話たずめペヌゞぞのリンクがありたす。

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