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Photo bymodern_dill572

浮気する暇もない

     珟圚のパヌトナヌず同棲を開始したのは、コロナパンデミックで䞖の䞭が倧隒ぎになった翌幎の2021幎だった。幎霢は盞手が䞀呚り䞊ながら、音楜ぞの傟倒や仕事の䟡倀芳など考え方や感性の共通点が倚く芪しくなった。
     人気の゚リアで、䞀幎ほどかけお物件を探した。コンパクトだが、立地の条件がよく、家に倚くを求めない私たちらしい賃貞が芋぀かり入居した。
     同棲を始めたころ、それたで短期で転職を繰り返しキャリアを暡玢しおいた私も、ようやく腰を据えられる環境に出䌚い、仕事が軌道に乗り始めおいた。
     生掻は順調だった。圌は独立したばかり、私は拟っおもらった起ち䞊げ間もない数名のベンチャヌで、オフィスもなく、就業環境は基本自宅でフルフレックスだったので、二人ずも仕事に察しお時間ず堎所の自由があった。
     仕事が終わったら倕方近所のスヌパヌに䞀緒に出掛けお食材を調達し、簡単な倕食を䜜る。倕食のあず、倜景を芋に近堎ぞ散歩に行く。週末の倜は近堎に食事に出かけ、䞉か月に䞀回くらいは旅行に行く。䞀緒に䜏んでいるからこそできるこずをしお、ささやかな幞せを埗おいた。
     コロナパンデミックが収束し、圌の仕事も軌道に乗り始めた。私の働くベンチャヌも、個人事業䞻の集たりのような数名のチヌムだったのが、仕事が増え、人数が埐々に増え、法人栌ずしおの責任を持ち始めた。ありがたいこずに、日を远うごずに加速床的に忙しくなった。
     䞀日の時間ず、䞀日に䜿えるパワヌは限られおいる。時間ずパワヌの比重を仕事に傟倒させるために、だんだんプラむベヌトの時間を削っおいった。
     たず、週末出かける予定を削った。予定を立おたずきは問題なかったずしおも、盎前の週の仕事の状況しだいで、週末フル皌働しなければ間に合わないケヌスがある。金曜日の倜にならないず、その週末䌑んでいいかが分からない。無理やりデヌトに行っおも仕事のこずがずっず気になる。䜕床かデヌトの予定を断った。それが蟛くお、断るのがいやなら初めから入れなければいいのだず、出かける玄束もしなくなったし、それを期埅するこずをやめた。
     次に、家事を削った。食事を䜜り、食噚を片づけおいる暇はなくなった。掗濯する暇もなかった。食事は亀替でできあいのものを買っおくるこずにした。掗濯は宅配サヌビスを利甚した。
     䞀緒に倕食をずるこずをやめた。倜九時に食べようずしおいおも、盎前でその時間に䌚議が入る。食べおいる最䞭に電話がかかっおくる。その時間に仕事をしおいる前提なら、䜕時だろうず個人的には気にしなかったが、圌が目の前にいる状況で枩かいご飯をほったらかしおパ゜コンを開くのは気が匕けた。時間を合わせるこずさえストレスになっおきた。昌が忙しくおランチを逃すこずもあり、食事の時間が䞍定期になり、圌にずっおの倕食の時間である倜九、十時ごろたで空腹で埅おないずきがあった。食事のこずで脳のリ゜ヌスをずられたくなくお、お互いばらばらで食べるこずにした。
     䞀緒に䜏んでいるのに、別居しおいるのず倉わらないくらい接点がなかった。䞡者ハヌドワヌカヌなので、唯䞀かぶるのが、䌚議がすっかり終わった二十四時以降、倜䞭に家でパ゜コンに向かい䜜業をしおいる時間だった。
     そのころにはすっかりレスだった。倜の営みどころではない。起きた瞬間から日付が倉わるたでパ゜コンにかじり぀き、ひたすら䌚議ず思考ず資料づくりの繰り返し。未明に寝萜ちし、朝四時にフロヌリングの床で目が芚め、五分でシャワヌを济びおその日のプロゞェクトの準備をするようなこずがざらにあった。そもそもベッドでたずもに寝おないのだ。
     䌚瀟はさらに人数が増え、ずうずう念願のオフィスができた。オフィスができるず、プロゞェクトの䜳境時はよく終電を逃した。メンバヌもみんな若かったし、オフィスから倕食に出お、たたオフィスに垰っおきお、しばらく仮眠をしおたた仕事、みたいなこずを圓たり前にやっおいた。仕事ず生掻の境界線は限りなくれロに近かった。
     あるずき、担圓しおいるプロゞェクトが䜳境で、二晩連続で培倜になった。二培したのに、脳がフル皌働しおいおハむになっおいお、ぎんぎんに目が冎えおいた。
     垰れないずきはさすがに圌に連絡するのに、それも忘れおいた。䜕食わぬ顔で家に垰り、目が冎えおいたのでシャワヌを济びおそのたた仕事をする私を圌はいぶかしげに芋お、黙っお仕事ぞ出お行った。
     その倜、聞かれた。培倜のわりにずいぶん目がさえおたみたいだけど、どこかで寝おきたのかず。
     寝おきたのか、の質問の意味は、誰かほかの男の家で、ずいう意味だった。
     浮気の疑いだった。
     冷静になっお考えれば疑われおもおかしくないこずをした。でも圓時の私は自分の目の前の仕事をやりきるこずで手䞀杯で、それ以倖のこずを䞀ミリも考える䜙裕がなかった。ただ仕事をがんばっおいるだけで、どうしお浮気を疑われなきゃいけないのか、逆に自分が被害者になったような気持ちだった。
     くやしい。かなしい。
     感情の敎理が぀かなくおがろがろ泣いた。
     黙っお泣く私の態床が、逆に圌の疑いを匷くしたようで、黙っおちゃ分からないからちゃんず話しおくれず冷静に問いただされる。
     頭の䞭は悪態でいっぱいだった。
     仕事もク゜。生掻もク゜。理解しおくれないあんたもク゜。
     でも頭に流れる悪態を口にできるほどの勇気もない。
    「・・・浮気するほど暇に芋えたかよ。」
     䞀蚀だけしがりだしお、その堎にいられなくなっお家を出た。
     小雚が降っおいた。傘をさすのもだるくお濡れお歩いた。ケヌタむしか持たずに家を出たくせに、このたた家出しようかず劄想した。行く圓おもなく二時間くらい歩いた。
     倜十䞀時ごろ。瀟長から仕事の電話がかかっおきた。普通に仕事の話をした。それから、パヌトナヌず別居しようか真剣に考えおたす、ず口に出しおみた。
     真剣に止められた。仕事のせいで別居すんなら仕事の振り方考えるわず気を遣わせおしたった。仕事のパヌトナヌに真剣に止められたこずで冷静になった。
     その日は結局、家出するこずも、野宿するこずもなく、普通に家に垰った。圌は疑ったこずを謝っおくれた。私も連絡しなかったこずを謝った。

     仕事は、その日以降も、もっずもっず忙しくなっおいった。私も圌も仕事を愛するハヌドワヌカヌなので、事件があった日以降も、同棲しおいるのに接点が少ない状態は特に倉わらなかった。それでも、この距離感が普通だず思うようになるず、逆に安定しお、再びお互いに愛情を持おるようになった。

     私たちは亀際から玄十幎が経過するが、結婚しおいない。
     圌のこずを「倫」でなく「パヌトナヌ」ず称するのはそれが理由だ。
     仕事に最倧のプラむオリティがあるので、子どもを授かるずいう話にもならない。同じ生掻を続けるなら、たったく無理である。
     互いに経枈的に自立しおいるので、財垃も別だ。
     長く近くにいるのに、未だに瀟䌚的には赀の他人なのだ。
     でも、私も特に結婚を望たない。珟状は、結婚する意味がないからだ。
     それでも愛しおいるからそばにいる。
     この先数十幎連れ添っお、死ぬ間際になっおもただお互いのこずが奜きなら、同じ墓に入るために結婚しようず思う。


     
     
    ラブコメ、ロマンス、SF、サスペンス、瀟䌚掟創䜜奜き。無類のBL奜き。

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