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ペットをお迎え2日目、脱走。格闘12時間の記録

    ゴクリ……。
    息を潜め、動かざること山の如し。
    私は夜通し、紐を握りしめてケージの前に座っていた。
    なぜこんなことになったのか。

    我が家に来たのはファンシーラット。
    ざっくり言えば“賢くてかわいいドブネズミ”だ。
    海外でメジャーなペットで、犬並みに懐くらしい。
    お迎え初日から手に乗ってきて、私は「もう懐いた!」と浮かれていた。

    ……が、2日目。
    外に出たがったラットを焦って掴んだ瞬間、スルリと手をすり抜け、部屋へダッシュ。

    脱走である。

    奴は空気清浄機の下に潜み、こちらをガン見。
    餌を差し出しても完全スルー。
    “2歳児並みの知能”というより、CIAのスパイだ。

    余裕の顔で毛繕いするラットを見ながら、私はひたすら祈る。
    「色々と齧るなよ……まだ果てしなくローンが残ってるんだ……」

    粘ること2時間。さすがのCIAも空腹には勝てず、ついに餌に手を伸ばした!
    ケージに入るか……!?という瞬間――

    「ママー!!ママがいない!!ママきてー!!」
    夜泣きである。泣き叫ぶな。時刻0時。

    ……ちび雲、お前……私に何か恨みでもあるのか。

    地獄の寝かしつけに30分かけ戻ると、案の定ラットは消えていた。
    くそ…あの2時間が水の泡に.…

    さらに1時間、静寂の中、息を殺して全ての神経を耳に集中させ音のする方向を探す。
    トタトタトタ..…
    テレビ台の裏だ!テレビ台の裏付近で裏張り込み、待つこと数時間、夜が明け、7時になった。
    何度かチャンスがあったが私が動くとラットは電光石火で逃げていった。

    泣く泣く張り込みは中断し、ちび雲の保育園の準備をし保育園を往復する。
    私は既にゾンビである。


    帰宅後、押し寄せる後悔。
    ――お迎え二日目で調子に乗って手に乗せなきゃよかった。
    ――車を廃車にした時と同じレベルの後悔。
    ――このまま野生化して糞尿だけ置き土産して去るんじゃないか。
    ――コード齧って感電→火事。
    脳内でバッドエンドがフル再生される。

    最終作戦。ケージに餌を仕掛け、ドアに紐を結びつける。
    私の役目はただひとつ――石像になること。
    遠隔で紐を引いてドアを閉めるだけだ。
    我ながら非の打ち所がない作戦だ。2歳児の知能を持っていても、私の頭脳には敵うまい。

    ラットが近づく。耳はピクリ、鼻はヒクヒク。私は死んだふり。まばたきすら許されない。

    カリッ。餌を食べる音。ズズッ……ケージに入った。

    今だ!!!バッと紐を引きしめ――

    ガチャン!!!

    決まったァァァ!!!!

    ……中で一瞬パニックになりガタガタ揺れたが、すぐに落ち着いて毛繕いを始めた。
    「なんやねんお前」みたいな顔で。

    こっちは心臓バクバク、寿命3年は削った。
    でも気づいた。12時間、私はラットのことを思い続けた。
    きっとラットも私をずっと意識してただろう。
    つまり「つまり相思相愛」。
    マイナスからのスタートどころか、むしろプラスじゃね?(ポジティブ幻覚)

    私は白目でガッツポーズ。ラットは毛繕いしながらドヤ顔。
    勝ったのは私か?いや、たぶんこの家で一番肝が据わってるのはラットだ。



    日常の違和感を吐き出しシリーズ是非見てね〜



    おしっこに救われたりする日常まとめ


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    3歳児とのカオスな日常を、漫画にしています。 育児のズレや違和感、 たまに人生のややこしさを、 だいたい笑いに変換。 育児漫画|コミックエッセイ|イラスト ご連絡は X(@nejigumo)または mail(nejigumo.wrk@ジーメール)

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