
【4話】ある日、全知全能の神さまに出会ったら | 人生のやることリスト#1-4
『私は"人間"を作ったつもりだった。』
『だが。』
神さまは少し目を細めた。
『とんだ"化け物"を生み出したのかもしれないな。』
私は笑った。
「そうかもしれません。」
神さまは少し笑った。
『否定はしないのだな。』
「だって事実かもしれませんから。」
やがて神さまは口を開いた。
『もし私がお前の提案を受け入れたとして。』
私は黙って聞いている。
『私は何から始めればいい?』
私は答えた。
「呼吸です。」
神さまは首を傾げた。
『呼吸?』
私は頷く。
「人間は産まれた後、すぐに呼吸をしなければ生きていけません。」
『なるほど。』
神さまは小さく頷いた。
『ではそのあとは何をする?』
私は真剣な顔で答えた。
「泣いてください。」
神さまは問いただす。
『泣く?』
私は頷く。
「ええ。」
「産声というやつです。」
『なるほど。』
神さまは小さく頷いた。
『して、その後は?』
「誰かに抱き上げてもらってください。」
「自分では何もできませんから。」
「歩くことも。」
「食べることも。」
「言葉を話すことも。」
神さまは少し考える。
『不自由だな。』
私は頷く。
「とても。」
「でも面白いんです。」
「不自由だから助けてもらう。」
「不自由だから誰かを好きになる。」
「不自由だから誰かを必要とする。」
私は続けた。
「だから神さま。」
「恋をしてください。」
神さまは首を傾げる。
『恋か。』
私は頷く。
「ええ。」
「できれば失恋も。」
神さまは眉を動かした。
『失恋も必要なのか?』
私は少し考える。
「必要かどうかは分かりません。」
「でも。」
「たぶん。」
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#5 ある日、全知全能の神さまに出会ったら やることリスト①
