【新資本論】⑦/最終回"シリコンバレーの無血開城" 〜ネオ江戸ルネッサンス~武士道と『禅譲』の創世記〜
……はたして「資本」を独占する巨人は、本当に打倒すべき「悪」なのだろうか。
現代のデジタル資本主義の頂点に君臨するビッグテック。彼らに対する規制の網は世界中で狭まり、格差の元凶として矢面に立たされている。
ーーしかし、私たちは忘れてはいない。彼らがもたらしたテクノロジーの恩恵が、かつて特権階級のものだった「知」や「繋がり」を、全人類に解放したという事実を。今、私たちが時空を超えて高度な思想を紡ぎ合えていること自体、彼らが創り出した偉大なインフラの果実なのだ。
ーーだからこそ、私たちは「二項対立の革命」という古い罠に陥ってはならない。
歴史のループを振り返れば、力ある体制を力で打倒しようとした試みは、常に暴走と破壊を招いてきた。かつて世界が核戦争で一度滅んだという仮説があるならば、それこそが「正義の衝突」がもたらした最悪の結末(バッドエンド)だ。奪い合い、引きずり下ろす革命は、支配者の名前が変わるだけで、システムの歪みそのものを解決しはしない。
私たちが求める「ネオ江戸ルネッサンス」は、敵を作らない。目指すべきは打倒ではなく、未来の人々の歩みへの「禅譲(ぜんじょう)」である。
かつて幕末の日本は、血で血を洗う内戦の危機を前に、時の最高権力者が政権を国へと返上する「大政奉還」、そしてその工程としてのーー
「江戸城無血開城」という世界史上奇跡の融和を成し遂げた。
——これと同じ奇跡が、今、グローバル資本主義の最前線で起きようとしている。
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