【創作】数学
「俺、数学になりたいんだよね」
「突然、何を言い出すのかと思えば。今度はなんですか?」
「なんも、なんも、数学になりたいだけさ」
「どういうことでしょうか?」
「つまり、こういうこと(パチッ)」
「妙に様になっているのが、少し腹立たしいですが」
「それはともかく。俺は、数学が好きだ。それは君も知ってるよね」
「そうだね」
「それだけで十分じゃないか」
「はあ」
「それなら僕も数学になりたいな」
「君も数学同盟に入るか?」
「数学同盟ってなに?なんかの宗教?」
「まさか。いや、まて、君は数学が苦手ではなかったか?」
「まあね」
「じゃあ、なんで数学になりたいんだ?」
「いや、苦手だけど数学になったら、苦手なんて思う暇ないかなって」
「的を射ている」
「ほんと?」
「さあ」
「でもさ、数学好きなくせに勉強しないよね」
「好きなものは最後まで取っておくタイプなんだよ」
「食べ物じゃないけどね」
「好きなものは焦らしたいんだよ」
「数学を何かと勘違いしてるんじゃないかな?」
「君は数学苦手なくせに、一番成績がいいよな」
「苦手だから勉強してるんだよ」
「それで一番成績がいいなら、得意ではないのか」
「そうなのかもね」
「結局、数学って何なんだろう?」
「数学とは何かも知らずに、こんな話をするとは。怒られますよ」
「誰に?」
「数学に」