
病に挑むテクノロジー:次世代治療の最前線 第4回:マイクロRNAを“調整する”低分子薬は成立するのか?
RNAそのものを標的とする新しい創薬領域において、初の実用化が見えてきました。
miRNA(microRNA)に作用する経口低分子薬「オベファジモド」が、炎症性腸疾患(IBD)で第Ⅲ相試験に成功し注目を集めています。
• miR-124を増強するファーストインクラス機序
• 第Ⅲ相試験で臨床寛解率を有意に改善
• 生物学的製剤・JAK阻害剤不応例でも有効性を示唆
なお、miRNAは2024年のノーベル生理学・医学賞の対象となった分野であり、Victor AmbrosとGary Ruvkunがその発見と遺伝子制御機構の解明により受賞。
miRNAは遺伝子発現を制御する重要な分子である一方、これまで創薬ターゲットとしての実用化は進んでいませんでした。
オベファジモドは、RNAプロセシングに作用することでmiR-124を選択的に増加させ、炎症性サイトカインを抑制するという新しい作用機序を持ちます。
もし承認されれば、「RNAを調整する低分子薬」という新しいカテゴリーの創出につながる可能性があります。
一方で、長期安全性や寛解維持効果の検証が今後の鍵となります。
本テーマの詳細な臨床データおよび作用機序については、公開文献情報をご参照下さい。
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I034483058