
捨てられなかったスタイが、太鼓のバチになった日
引き出しの奥にしまってあった1枚のスタイ。
息子がまだねんね期だった頃、毎日のように使っていたものです。
抱っこでしか眠れない時期。
泣いては抱っこ、眠っては抱っこ。
あやしながら座っているうちに、気づけば私もそのまま眠ってしまっていたことが何度もありました。
そんな頃に使っていたスタイでした。
もう使うことはないけれど、なかなか手放せずにいました。
先日、心理士さんとのお話の中で、息子はあまり「叩く遊び」を経験していなかったことに気づきました。
そういえば、おもちゃを振ったり転がしたりすることはあっても、何かを叩いて音を楽しむ機会はほとんどありませんでした。
遊び場に置いてあった太鼓のバチにも興味を示していて、「家でも遊べたら楽しそうだな」と思ったのがきっかけです。
パパが叩いて見本を見せると、息子は大笑い。
その姿を見ながら、同じように家でも遊べるものを作ってみることにしました。
材料は家にあるものばかり。
割り箸、綿、輪ゴム、キッチンペーパー、カラーガムテープ。
そして、思い出のスタイ。
息子の手でも握りやすいように割り箸を2本合わせ、さらにキッチンペーパーを巻いて少し太くしました。
叩いた時にやさしい音になるように先端には綿を入れ、その上からスタイを巻きました。
作りながら、「こんな形でまた使う日が来るなんて」と少し不思議な気持ちになりました。
完成した太鼓のバチを渡してみると、すぐに太鼓を叩くわけではありませんでした。
握ってみたり。
持ち替えてみたり。
転がしてみたり。
時には投げてみたり。
息子なりに確かめるように遊んでいます。
大人からすると「叩いて遊ぶもの」ですが、息子にとってはまだ新しいおもちゃ。
まずは触れて、持って、確かめている最中なのかもしれません。
口元を拭いていたスタイ。
抱っこで眠っていた頃の思い出が詰まったスタイ。
その1枚が、今は新しい遊びの時間を作ってくれています。
すぐに太鼓を叩かなくてもいい。
息子のペースで、このバチと仲良くなってくれたらうれしいなと思っています。