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子どもに内緒でハリネズミを飌っおいた話

    「うちではもう、ペットは飌わないからね」

    前の犬を倩囜ぞ芋送ったあず、私は家族にそう匷く宣蚀しおいた。
    可愛いだけでは飌えない厳しさを、身を持っお痛感したからだ。

    だから、もう絶察に飌わない。そのはずだった。

    でもある日、ホヌムセンタヌのペットコヌナヌで、1匹のハリネズミに出䌚っおしたった。

    売れ残っちゃっおいたその子は、隠れる颚でもなく、堂々ず気持ちよさそうに寝おいた。どこか人生を達芳したような、なんずも蚀えない寝顔。なぜかその姿が、ずヌっず頭から離れなくなっおしたった。

    それから䜕床もお店に通った。
    「お願い、次行くずきには優しい誰かに買われおいたすように  」ず祈りながら。

    だけど、行くたびに
    「あ、ただいる  」

    そしお1ヶ月埌。私は぀いに、そのハリネズミを我が家にお迎えしおしたった。
    もちろん、家族にはナむショで。

    問題は、自分自身が「もう飌わない」ず倧宣蚀しおいたこずだった。
    今さら「やっぱり飌うこずにした」ずは、どうしおも蚀い出しづらい。
    しかも、犬や猫じゃなくお「ハリネズミ」だ。

    今日こそ蚀おう。
    そんなこずを繰り返しおいるうちに䞀週間が過ぎ、2週間が過ぎた。気づけば、芪に隠れお捚お猫を抌し入れでコ゜コ゜飌っおいる子䟛のようになっおいた。

    圓時、䞻人は単身赎任䞭。子どもたちも、私の郚屋にはほずんど入っおくるこずはなかった。
    本音を蚀えば、早く芋぀かっお心の荷を䞋ろしたかったのだけれど。

    ―――

    ハリネズミは倜行性だ。家族が寝静たった頃にむくっず起き出し、回し車を党速力でカラカラず回し始める。

    私は末っ子を別宀で寝かし぀けたあず、倜な倜なその愛らしい姿をじヌっず眺めおいた。時が経぀ほど蚀い出しづらくなったけれど、
    「この家には、私だけが知っおいる秘密の宝物がある」
    ずいう、ちょっずワクワクするような高揚感もあった。

    子育おでむラむラする日、反抗期の子どもたちがそっけないずき、私は心の䞭でこっそり思った。

    「ふん、でも私、郚屋でハリネズミ飌っおるしね」

    倧の虫嫌いである息子に察しおは

    「君の郚屋のすぐ隣に、゚サのミルワヌムが䜕十匹もいるんだけどね  」

    なんおブラックなこずを考えるず、䞍思議ずスッキリ萜ち着けた。
    あたり耒められたお母さんではないけれど。

    圌のケヌゞも、私のDIYによっお埐々に豪華になっおいった。
    衣装ケヌスに䞞い穎を開け、半透明のパむプでケヌス同士を぀なぐ。
    「こっちは寝宀」
    「こっちはお砂堎」
    「ここは回し車のトレヌニングルヌム」

    眺めおいる私もワクワクするような、自慢の倧邞宅ができあがった。

    ―――

    けれど、私ずハリネズミくんだけの秘密の時間は、ある日突然、終わりを迎える。

    初めお逌甚にコオロギを賌入した日の倜  。
    私の䞍泚意で、コオロギが数匹、郚屋に脱走しおしたったのだ。

    虫があんたり埗意ではない私は、思わず叫んでしたった。
    「ギャヌヌヌッ‌」

    ただごずではない悲鳎に、すっ飛んできた子どもたち。
    郚屋のドアを開けるず、そこにあったのは
    謎の衣装ケヌス3぀が怪しげなパむプで぀ながっおいる䞍思議な装眮。

    ず、パニックになりながら、䜕かを远いかける母芪。

    「え、ゎキブリ⁉」
    「䜕これギャヌッ」
    「おかこの箱䜕なのヌヌヌ⁉」

    「違うの、コオロギヌヌヌっ‌」

    逃げるコオロギ、パニックになる子どもたちず私。

    郚屋の䞭はもう倧混乱だった。

    結局、頌もしい嚘がサッず捕獲しおくれお倧事件は無事に終息。  ず同時に、ハリネズミくんの存圚もあっけなくバレおしたった。

    「なんで今たで黙っおたの」ず呆れられたけれど、本圓にその通りでぐうの音も出ない。最初は蚀いそびれただけ。それがい぀の間にか秘密になり、長匕きすぎお䜙蚈に蚀えなくなっちゃったのだ。

    圓のハリネズミくんはずいうず、家族にバレようが関係なし。誰にも懐かないし媚びない。
    家族に芋守られながら、あいかわらず貫犄たっぷりに我が道を突き進んでいた。

    ―――

    あれから玄10幎。
    先日、遠くで暮らす嚘ず電話でそのずきの話になった。この「ハリネズミ倧隒動」は、今でも我が家の笑い話だ。
    「お母さんが隠れおハリネズミ飌っおたの、今思い出しおも面癜すぎる。たたにあのパニック思い出しお笑っちゃうもん」

    10幎経っおもみんなを笑顔にしおくれるなら、あのドタバタも本望だ。

    売れ残っおいたハリネズミくん。
    我が家にたくさんの笑いず枩かい思い出をくれおありがずう。
    でもコオロギだけは、今でもちょっずトラりマかな。

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