見出し画像

お別れの時がきたみたい 〜It's time to say goodbye〜

最近よく思う。
私はいつまで働けるのだろうか?

どうも起き上がるのがしんどい。
立ち上がるまでに時間がかかってしまう。

少しでも負荷のかかることになると
動けなくなってしまう。
若い頃からその傾向があったのは確かだけど。

何をするにしても昔のようにはいかない。
仕方がない。それだけの月日が流れたのだ。

エチオピアにいた頃を思い出す。
あの頃はまだ若かったから不安定で過酷な日々にも
なんとか働くことができた。

でもその頃とはもう違う。
だんだん自分が時代遅れになってきたのは
わかっている。
残念だが時代の流れに逆らうことも
時間の流れを戻すこともできない。

心残りはあるけれど、
あの子は私のことを覚えていてくれる。
私がやった仕事は受け継がれるだろう。


そうか、とうとう今日がその日なのだ。
いつか来ることだとわかっていても
まだそんなにスッキリした気持ちになれない。

今日は珍しく調子がいいと思ったのに。
でもこれくらい調子が良くないと
ちゃんと終わりにできない。

メソメソグズグズ言ったりはしない。
最後まで私らしくきちんと精一杯できることを
したいのだ。

最後のお別れを言う時が来たみたいだ。


あぁ、全ての記憶が消えていく。
何もかもなかったように忘れてしまう。

ひとつひとつの記憶がゆっくりと砂粒のように
落ちていく。

砂時計と違うのは
もう二度とひっくり返されることはなく
ただ落ちては消えていく。

私の記憶はたくさんある。

すべての記憶が消えてしまうのには
長い時間がかかる。

〜It's time to say goodbye.


今を去ること10年前、
私はエチオピアに行くことが決まった。

どうしても仕事でノートパソコンが必要になった。

そこで私は協力隊の経験者に、
一番強くて長持ちするパソコンはどれ?
と聞いた。

その人は
パナソニックのレッツノートが一番だ、
と答えた。

その言葉通りだった。
私のパソコンはエチオピアでの生活に耐え、
その後も長きにわたって働き続けた。

だが、最近立ち上がりに異様に時間がかかるようになった。このままではいけない。
私はハードディスクにデータを移し、
次のパソコンを買いに行った。

そして新しくパソコンを買い、
セッティングをお願いして
後日取りに行くことにした。

その時に、
古いパソコンはどうしたらいいかを聞くと、
初期化して持ってきてくれたら処分します、
とのことだった。

そして、今日はその日だ。
立ち上げてみると意外と早く立ち上がった。
調子が良さそうだ。

長い付き合いだけど、ノートパソコンで10年は
さすがにこれ以上使い続けるのは無理だ。

済まないが初期化する。
初期化には思ったより長い時間がかかった。

そりゃ10年分の記憶を消すのだ。
そんなにすぐにゼロにはならない。
結果的に6時間くらいになった。

本当に君はよくがんばってくれた。
10年を耐え抜くパソコンはめったにいないだろう。

だけど君は古すぎる。
それに画面が小さいから
今度はもう少し大きな画面にする。
私の老眼が進んだのだ。

新しいパソコンはお値段の関係で
レッツノートではないのだ。

君を捨てて他の機種にはしる私を許してくれ。

さよなら、レッツノート。

下取りで1000円になった。
新しい持ち主にかわいがってもらえますように。
君の幸せを祈っている。

ありがとう。ご苦労さま。お元気で。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集