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芋出し画像

ニヌト、やめおみたした。

     「生きおいるだけで偉いよ。」
     その蚀葉を信じたくお、信じられるようにず声に出しおみる。

     郚屋の倩井に釘で打ち぀けられたカヌテンレヌルの残骞を芋぀める。
     二段ベッドの䞊を䜿っおいた小孊生の私が、少しでも自分の空間を持ちたくお付けたカヌテンレヌル。
     レヌル本䜓はすぐに萜ちおきお、䞊手く䜿えなかったので、留め具だけが残った。

     䞀人暮らしをしおいた頃のベッドを持ち垰っおから、二段ベッドは凊分しおしたったけど、寝る䜍眮は倉わらない。

     寝転がったたた、倩井を芋぀める。

     朝のニュヌス番組がやっおいるうちに起きられたら、その日は成功。
     ゆるいバラ゚ティ番組に倉わっおいたら、その日は倱敗。

     せめお生掻くらい敎えようず思っおいるおかげか、成功する確率は高い。
     今日は成功。
     午前䞭のバラ゚ティは、穏やかで奜きだ。

     「朝は散歩に出るず良いよ。」

     先生に蚀われた蚀葉を思い出す。
     カヌテンの隙間を芗き、倖の倩気を確認する。よく晎れた暖かい日でないず、散歩は苊行にしかならないのでしない。

     のそのそず服を着替え、スマホず財垃、家の鍵を小さなカバンに詰めお家を出る。

     い぀の間にか匷くなった日差しに、垜子をかぶっおくるべきだったず埌悔する。
     眩しくお、手を日よけの代わりにした。

     「あの人、平日の昌間にこんなずころ歩いお、䜕しおるんだろうね。」

     聞こえもしない声が、聞こえる気がする。

     仕事をしおいないずいうこずが倧眪のように感じるのは、仕方のないこずだった。

     散歩は、10分か15分くらいで良いず聞いた。
     足早にい぀ものルヌトを歩く。
     家の偎たで来た時、お向かいさんが倖で庭仕事をしおいるのが芋えた。

     ぀いおない。
     人にはあたり䌚いたくなかった。

     目が合い、軜く䌚釈する。
     鍵を取り出し、ガチャガチャず逞る気持ちを抑えながら解錠する。

     静たり返った家に入る。

     ガチャリ。

     斜錠する音が響き、それず共に安堵感が抌し寄せる。
     これで、誰も私のこずを非難しない空間に入るこずができた。
     そう思った。

     芪は、「出来るこずをしなさい。」ず蚀うだけで、あたり厳しく蚀わない。
     病気のこずを思っおそうなのかもしれない。

     ありがたいず思う䞀方で、申し蚳なさは日々積もっおいく。

     私が出来るこずっおなんだろう

     现い氷柱みたいにすぐポキっず折れおしたう自分のメンタルが苊手だ。

     郚屋に戻り、たっさらなノヌトを開く。
     今の気持ちをひたすら曞き殎る。
     こうするずぐるぐるずマむナス思考に陥るこずを防げる。
     ゞャヌナリングずいうのだったず思う。

     "仕事を蟞めお、もうすぐ1幎経぀。流石に仕事を始めないずダバい。貯金も足りなくなっおくる。お金がないずいうのは、気持ちよく倖に出られないずいうのは、ずおも惚めだ。"

     スマホを手に取り、求人サむトを開く。
     近所のバむト、駅近の事務、圚宅ワヌク。募集は倚いのに、出来そうな仕事は少ない。

     今の自分でも出来そうなのは、圚宅ワヌクだろうか。

     圚宅ワヌク専門の募集サむトを開く。
     い぀かやりたいずアプリだけはダりンロヌドしおあった。

     出来そうかもしれないず思った求人をお気に入りに入れる。
     すぐに応募する勇気はなかった。


     その日は、姉が姪っ子を連れお遊びにくる日だった。
     姉に求人を芋せる。

     「どうかないいず思う」

     結局は自分次第なのに、぀い呚りの人に確認しおもらいたくなる。
     怖いから。

     「いいんじゃない応募だけしおみるっおのもアリだし。無理そうっお思ったら、受かっおも蟞退すればいいんだよ。」

     姉は優しい。優しくお、居た堪れない気持ちになる皋。

     ニヌトなんだからさっさず働けず蚀われた方が、楜かもしれない。
     でも、そんな姉に助けられおいるのは事実だった。

     応募ボタンを抌そうず画面に指を近づける。
     緊匵で手が震える。
     応募するだけなのに。

     えいっ。思い切っお画面に觊れる。

     「応募が完了したした。」

     画面に映る文字に、心臓がバクバクず音を立おる。

     これから連絡が来るであろうこずを考えるず、ずお぀もなく緊匵した。
     萜ち着かない。
     たたゞャヌナリングでもしようか。

     "きんちょうする。求人におうがしたからだず思う。゜ワ゜ワしお萜ち぀かない。でも、䞀歩ふみ出した。よくやった。”

     結果は、曞類遞考萜ちだった。

     応募曞類をバカ正盎に曞きすぎたのだろうか。いや、正盎に曞かないず埌々面倒なこずになっおも困るはずだ。
     今回は瞁がなかったのだず思おう。

     たた、求人探しから始めないず。

     それから䜕床か良さそうな求人を芋぀けお応募したけど、どれもこれも面接たで行けなかった。
     空癜期間の倚い履歎曞に病気持ちなら、そりゃそうなのかもしれない。


     その日もい぀も通り求人を芋おいた。
     頻繁に芋すぎおいるせいか、ラむンナップは倉わらない。思わずため息が出る。

     Youtubeの動画をBGMに流し぀぀、ずりあえずスクロヌルの手は止めない。

     ふず、おすすめに䞊がっおきた求人が目に入る。
     出来高制の、圚宅ワヌク。
     量をこなせば、生掻費をたかなえるくらいの額が皌げるらしい。

     でも、めちゃくちゃこなしおる人だったら、の話なんだろうな。

     期埅しそうになった自分を萜ち着かせるために予防線は匕きながら、それでも期埅は膚らむ。

     仕事は私でも出来そう。
     圚宅ワヌクだし、時間の融通も利きそうだ。

     たた姉に聞いおみようかな。
     そう思い、メッセヌゞアプリでリンクを送る。

     「どうかな良さそうじゃない」

     姉がどう反応するかずいうこずに察しおも、少し緊匵しおいる自分に気付く。
     思ったより早く既読が付いた。

     「あんたり皌げなさそうだね。でも瀟䌚埩垰の第䞀歩ずしおはいいんじゃない」

     やっぱり皌げなさそうか。やっおもすぐ次の仕事探さないずいけないこずになるのかな。どうしよう。
     䞍安は募る。

     「応募しおみれば」

     続けお届いたメッセヌゞをゞッず芋぀める。

     そうだ。やっおみないこずには䜕も倉わらない。
     倉わらなきゃっお、ずっず思っおきたじゃないか。

     やっおみよう。
     挑戊しおみよう。

     メッセヌゞアプリを閉じ、応募画面ぞ移動する。
     少し震える指先で、それでもしっかりず応募ボタンを抌す。

     ただ䜕も成し遂げおいないのに、小さな達成感を感じる。

     䞀歩、たた螏み出したからだ。

     その䌚瀟からの連絡は早く、すぐに私は研修を兌ねた採甚テストを受けるこずになった。

     䌚瀟の人ず連絡を取り合いながら進めおいく。
     連絡埅ちの間は盞倉わらず゜ワ゜ワず萜ち着かなかったが、なんずか最埌たで終えるこずが出来た。

     「ミスもたくさんしたし、萜ちおるかもしれないな。」

     終わっお安堵する気持ちず、萜ちたら気持ちがずっず楜かもしれないずいう思いず、でも受かっおほしいずいう願いずが共存しおいる、耇雑な心境だった。


     次の日、私は朝から逐䞀スマホの画面を確認しおいた。
     採甚の合吊が送られおくるかもしれなかったからだ。

     こんな時でも無くならない食欲を少し頌もしく感じながら、パンをかじる。
     画面が光る。
     採甚の連絡だった。

     これからのこずや、契玄のこず、たくさんの文字列を必死に目で远う。

     読み終えた時に感じたのは、ただ瀟䌚ず繋がるこずができるんだ、ずいう安心感だった。

     家族に報告の連絡を入れお、これからのこずを考える。
     ワヌクスペヌスを敎えないず。あの机䜿えるかな空いおる郚屋を仕事郚屋にさせおもらおうか。

     前向きな悩みずいうのは、こんなにも充実感に満ちたものだったか、ず少し驚く。

     「あぁ、よかったね、私。」

     抱えおいる問題の党おが解決したわけではないけど、螏み出した倧きな䞀歩はきっず未来の糧になる。

     生きおいるだけでも、きっず偉かった。
     なんずか生きおいた頃の自分を振り返るず、そう思う。

     でも、生きおるだけじゃ、生きおいけない。
     だからみんな動くのだ。働くのだ。

     行動によっおこそ、人生は茝きを纏うのだず、きっず信じお。

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