
難聴エッセイ | 難聴の私が、母になったら家で補聴器をつけるようになった
私は生まれつき、感音性中等度難聴だ。
両耳50dB前後で、補聴器をもっている。
「もっています」と表現したのは
持ってはいるけれど、いつもつけているわけではないからだ。
必ずつける場面は
仕事中、病院、友人と食事、映画館。
(つまり、聴こえにくいことで自分が困るときと、
話や音を楽しみたいとき、です…)
一緒に暮らす夫の声は、他の人に比べて大きめだとは思うけれど、それを抜きにしても不思議なことに聴こえやすい。
それに、きき返すとどこが聴こえなかったかすぐに分かって言い直してくれるので、ためらわずにきき返すことができる。
だから家では、必要性がなかったので補聴器をつけなかった。
それに、音がいつもと違う聴こえ方になるし
雑音も気になるし
ずっとつけていると頭が疲れるし
むしろつけたくなかった。
そんな私たちのもとに赤ちゃんが生まれ、
あっさりと、私は家で補聴器をつけるようになった。
赤ちゃんの声が聴きたいのだ。
くぅんというため息、エッエッという泣き声
うんちした音
この尊い音声を聴きたいのだっ!!!
そして家で補聴器をつけてすごすようになると
今まで聴こえていなかった音が
たくさんあることに気づかされた。
・電子レンジの音
(チン、じゃなくて、加熱している最中のジジジジという音。初めて聴いたときは何かが爆発するんじゃないかと恐れた)
・風呂が沸いたメロディ
(「お風呂が沸きました♩」は聴こえてたのだけど、その前にメロディが流れていたとは…)
・夕方の町内放送
(カラスと一緒に帰りましょが、流れていたのか…)
・玄関の鍵が開く、カチャンという音
(補聴器つけていないと、夫が仕事から帰ってきたことが、夫が私の視界に入って初めて気づく。急に目の前に現れると毎回めちゃくちゃびっくりする。)
・自分の足音のでかさ
・お風呂で歌うと筒抜けだということ
・サーキュレーター、空気清浄機、加湿器、あらゆる家電は動作音がするということ
こんな小さな家の中にも、
私の知らなかった音であふれていたのだった。
きっとまだ知らない音が、
聴いたことのない音が、たくさんあるんだろう。
外の世界にはなおさら。
それから、テレビの音量。
YouTubeにつなげて音楽を聴くとき、
わたしは音量を30くらいにしてのだ。
が、補聴器をつけると8くらいでも割と聴こえることに衝撃。
夫よ………30なんて爆音だったのでは??
聞いてみると、
「うん、とってもうるさかった」と。笑
夫は本当は15くらいで、ちょうどいいそうだ。
我慢してくれていたのか…。ありがとう…。