メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【成瀬 日本語・英語・翻訳講座】言語・認識編(18)ベーシックな「動的理解」の実例(1/3)

    (↑のつづきです)

    ここからは、Mr. Yamada climbed Mt. Fuji with his family.というシンプルなセンテンスのツリー構造図を使いながら、ベーシックな「動的理解嗚」の分析をおこなっていく。

    動的理解で最も重要なことは、

    ある部分までを認識しながら、読み手がつぎにくるべき様々な選択肢を予想しながら待ち受ける

    という点にある。

    最初の頃は選択肢が非常に多いのだが、読み進むにつれて選択肢が絞られていき、最後のピリオドに至ってセンテンスの意味が確定する。

    これが、センテンスの「動的理解」の過程である。

    ☆☆☆

    画像


    実際に、この動的な分析をおこなってみよう。まず、Mr. Yamadaという語までを読む。

    Mr. Yamada

    その際、読み手の心のなかでは、

    このMr. YamadaがセンテンスのSubjectにあたるものだろうとの予測が働いているはずである。

    なぜならば、センテンスの最初に置かれた語の多くはSubjectだからである。

    さらに、Mr. Yamadaはそのかたちからしてもまさしく名詞であり、そうしたものがセンテンスの最初に置かれたときにはSubjectとなる確率がさらに高まる。

    ツリー構造図に示すと、以下のとおりである。

    画像

    ☆☆☆

    画像

    このとき読み手は、つぎにくるはずの構文要素も予測する。

    おそらく第1の予測は、述語動詞(Predicative Verb)であろう。ここでは、そのことを以下のような図で示すことにする。

    画像

    先に矢印のついたふにゃふにゃした線は、釣り糸と釣り針のメタファーのつもりである。

    そしてその先でひっかけようとしている点線の箱が、つぎにくるべき構文要素である。

    ここでは、Predicative Verb(述語動詞)をひっかけようとしているわけである。

    ☆☆☆

    画像

    ただ、第1の予測が述語動詞であるとしても、つぎにくる要素が100%述語動詞であるとは読み手も考えないことだろう。

    なぜならば、Predicative Verb(述語動詞)でなく、Modifier(修飾語句)がつぎにくる可能性もあるからである。

    したがって第2の予測としてはModifier(修飾語句)が考えられる。

    画像

    (つづきは↓)

    ☆☆☆

    ☆☆☆

    「ことさきく|成瀬由紀雄の日英文章・翻訳教室」では、このほかにも日本と日本人、英語・日本語・翻訳その他に関するコンテンツを数多くアップしてあります。総数は1000本を超えています。

    いくつものマガジンを設定していますのでぜひチェックしてみてください。

     
     
     
    プロ翻訳者、サイマル・アカデミー講師、日英文章・翻訳研究者である成瀬由紀雄が、日本語と英語の心と言葉のあり方、日英を自由に往来する方法について深く、広く、わかりやすく解説し、お教えします。「ことさきく」プロジェクト(https://kotosakiku.jp/)を展開中です。

    あなたへのおすすめ