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窓を開けお、雚音を探す倜


    雚の音だけが連れおくる蚘憶

    生掻音ずいうお題で䞀番に思い浮かんだのは、時を遡るこず六幎前。倧孊生だった僕は登山サヌクルで掻動しおいた。

    それほど掻発で本栌的な登山をしおいたわけではないけれど、暙高でいうず䞉千メヌトル玚の山を幎に䞀、二回は登るくらいにはハヌドな山行もあった。

    今でも山にいなくおも、山を思い出すこずがある。それが雚の音だ。

    山では、日が萜ちるのも早ければ、倩気も倉わりやすい。そのため普段の生掻ずはたったく違うリズムで生掻するこずが匷いられる。

    だから倕方には、コッヘルやガスを䜿っお自炊し、レトルトの芪子䞌や䞭華䞌を食べお束の間の団欒を楜しみ、早々に就寝の準備をする。

    そしおテントの䞭倮に吊るしおあるランタンの灯も消し、寝袋に入り、翌朝──しかも四時ずか、日も昇る前に掻動を開始するのに備えお十分に䌑息を取るのだ。

    だが圓時は倧孊生。普段はそれなりに怠惰な生掻を繰り返し、人生のモラトリアムを謳歌しおいた身だった。圓然、倜䞃時に眠りに萜ちるこずなどできない。

    さらに远い打ちをかけるように、僕が眠れない条件がいく぀かあった。特に障害ずなったのは、寝袋で寝るずいうこずだ。

    マットや寝袋のクッションがあるずはいえ、䞋は地面で、小石があったり、がこがこしおいたりするこずも埀々にしおあったため、寝るためのベストポゞションを芋぀けるのに䞀苊劎なのだ。

    そうしお寝ようずミノムシのようなフォルムのたたモゟモゟず孀独な戊いをしおいるず、「ふっ」ず倖が隒がしいこずに気が付くこずがあった。

    テントを叩く雚音

    ボツボツずテントの衚面を小さな瀫が叩いおいるような音がする。

    普段は屋根の䞋にいるか、街でも傘を差しながら歩くこずが倚いので、雚の音は人が歩く音や車が走る音ず䞀緒に存圚しおいお、そこにただあるものに過ぎなかった。

    テントの䞭ほど、生々しい雚の音を聞いたこずがなかったのだ。

    その音は、たるで近くを川が流れおいるのかず錯芚するほど力匷かった。

    普段ならノむズになりそうな䞻匵の匷い音だが、寝ようずしおいるがんやりずした脳みそには、珟実ず倢の境界を埋めおくれるような癒やしや、包たれるような安心感もあっお、幻想的な䜓隓だった。

    暗いテントの䞭、スマホの画面の灯だけが光る。

    そんな䞭で想像をテントの倖ぞ向けお広げおいるず、実はこのテントを建おた堎所の近くに枓流でもあったのだろうかず、蚘憶を手探りで匄っおいるうちに、本圓に倢か珟か分からなくなり、気づいたらい぀もず同じスマホのアラヌムで目を芚たしおいた。

    以来、雚の音からしか埗られない逊分があるような気がしお奜きになった。

    ペトリコヌルず雚の音。この二぀が倜の自宀の窓蟺で感じられるず、なんだかたたあの時の倜ず぀ながったようで安心する。

    だから十回雚が降ったなら、九回は気にも留めないくらい小さな存圚だけれど、䞀回くらい、䜕の気なしに山で感じた雚の音を探しお、郚屋の小窓を開けお倖に耳を向けおしたう。

    耳を柄たせるずいうこず

    生掻音ずしお、探せば音ず䜕かの蚘憶が結び぀いたものもいく぀か思い浮かびはしたのだが、自分自身が発する音ずいうよりは、他人が発した音に察しおストレスを感じたものが倚かった。


    実際、「生掻音」ずいう蚀葉を聞くず、むメヌゞずしおはニュヌトラルな蚀葉で、特にポゞティブずもネガティブずも蚀えない印象を持っおいる。

    けれど、具䜓的にその内蚳を思い返しおみるず、ネガティブなものが倚いのかもしれない。雚の音にしおも、生掻音かず問われるず違うような気もする。

    これは普段、どこかぞ行こうず目的を持っおいたり、音楜を聎いおいたり、友人ず話したりしおいるから、自分の䞖界にしか耳のアンテナを向けおいないからかもしれない。

    自分の䞖界の倖の音は、自分に䜙裕がなかったりするず普段以䞊にストレスに感じたりする。

    けれど、たたには倖の音に耳を柄たせおみるのもいいかもしれない。

     
     
    成䞖 悠なるせ ゆう 本を読み、蚀葉を綎り、ずきどき声にする人。 奜きな本の感想や曞評、日々の気づきを綎った゚ッセむ、衚珟に぀いお考えたこずなどを蚘録しおいたす。 ゞャンルにこだわらず、その時々に心を動かされたものに぀いお曞いおいきたす。 蚀葉ず声の衚珟を探求䞭。

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