
金魚の飯田さんは元気です。
マイブームはいろいろある。
NHKの朝ドラをきっかけに、金魚のとりこになったのは10年以上前のこと。一度飽きた時代もあったが、またわくわく感が復活し、現在も金魚を飼っている。東錦(あずまにしき)、ピンポンパール、パンダ蝶尾(ちょうび)、丹頂、そしてオランダ獅子頭(ししがしら)。
一時、難易度の高い穂竜(ほりゅう)に凝った時期もあった。
だが、何度も失敗し、天国へと泳いでいった。
好みは出目と肉瘤(にくりゅう)。ずんぐりむっくりした体系の子が好きだ。飯田さんは、長野県飯田産のオランダ獅子頭で、濃い赤色が特徴。
知人は、金魚が嫌いだと言った。
ある朝、洗濯物を干しに行くと、金魚が物干しにぶら下がっていた。
金魚の赤い鱗は、色あせて生気を失い、その身を投げ出していた。
それ以来、気持ち悪くなったという。
理科の実験を試みた子供のいたずらだった。子供は時に残酷である。
餌を与えるのは、朝と昼の2回、冬は朝のみで、冷えこんだ日は、餌を与えない。金魚はなつき、人影を見ると猛烈に餌くれコールが始まる。
ちなみに猫には反応しないので、大きさで判別しているのだろうか。
餌やりのとき水と金魚の状態を観察し、健康チェックする。
水換えは週に1回、井戸水を利用。バケツ1杯分の水を捨て、ろ過フィルターを洗う。無心になれる時間が気に入っている。
真面目にやりすぎると、続かなくなるのでほどほどに手を抜くことも大切だと思っている。
9匹の個性あふれる金魚たち。
丹頂さんは口紅をつけたおしゃれさん。
パンダさんは、パンダ柄がステキな、おっとりマイペースな出目金。
飯田さんは赤いアイシャドーを塗った元気印。
ピンさんとポンさんは、まんまる食いしん坊。
東錦さんは長い尾ひれで優雅に踊る。
今日は週一回の水替えの日。
「さあ、やるよー。」と声を出して気合を入れる。
わざわざ声を出すのは、面倒くさがる気持ちに負けないためだ。
水替えの後、井戸水の香りが部屋中に充満する。
水を替えた次の日の朝が、一番好きだ。
水はたゆたゆと朝日を受けて光り、金魚は鮮やかな鱗をきらきらさせて、
優雅に泳ぐ。
そして、飯田さんは元気に餌をねだるのだ。
今日も金魚の飯田さんは元気です。
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