メインコンテンツへスキップ
見出し画像

展覧会レポ:アーティゾン美術館「マリー・ローランサン―時代をうつす眼」

    Naota_t

    【約2,700文字、写真約30枚】
    アーティゾン美術館で開催されている「マリー・ローランサン―時代をうつす眼」を鑑賞しました。その感想を書きます。

    結論から言うと、1)ローランサンの作品をまとめて数多く見ることができたため満足、2)ローランサンの作風が確立した内面的な変化などを深掘りできるキュレーションだとなお良かった。

    展覧会名:マリー・ローランサン―時代をうつす眼
    場所:アーティゾン美術館
    おすすめ度:★★★☆☆
    会話できる度:★★★☆☆
    ベビーカー:ー
    会期:2023年12月9日[土]− 2024年3月3日[日]
    休館日:月曜日
    住所:東京都中央区京橋1丁目7−2
    アクセス:京橋駅から徒歩約5分
    入場料(一般):1,800円
    事前予約:した方が良い
    展覧所要時間:1時間弱
    混み具合:ストレスなし
    展覧撮影:ほぼ全て撮影可能
    URL:https://www.artizon.museum/exhibition_sp/laurencin/

    画像
    入り口の自動ドア。書体が格好いい
    画像
    外観

    ▶︎訪問のきっかけ

    画像
    外に展示されているポスター

    訪問のきっかけは「マリー・ローランサンとモード」(Bunkamuraザ・ミュージアム:2023/2/14~4/9)に行かなかったと若干後悔していたためです。

    なお、かつては「マリー・ローランサン美術館」がホテルニューオータニ(東京)内あったようです(2019年閉館)。

    ▼以前に私が訪問したアーティゾン美術館の展覧会

    ▶︎「マリー・ローランサン―時代をうつす眼」感想

    画像
    6階の入り口

    マリー・ローランサン(1883-1956)は、20世紀前半に活躍した女性画家で(略)「前衛的な芸術運動」や「流派」を中心に語る美術史の中にうまく収まらない存在です。ローランサン自身は、自分に影響を与えた存在として、同時代の画家マティス、ドラン、ピカソ、ブラックの名前を挙げていますが、彼らの様式を模倣することなく、パステルカラーの独自の画風を生み出しました。(略)本展では石橋財団コレクションや国内外の美術館から、ローランサンの作品約40点、挿絵本等の資料約25点に加えて、ローランサンと同時代に活躍した画家たちの作品約25点、合計約90点を展示します。

    公式サイトより
    画像
    いざ、展覧会へ
    画像
    入り口では倉俣史朗の《ハウ・ハイ・ザ・ムーン》に座れます
    画像
    展覧会の様子

    展覧会に行くまで「ローランサン」と言えば、1)高貴なおばさまが好きそうな絵、2)ローランさんはピカソやココ・ シャネルと友達だったという印象くらいしかありませんでした。当然、キュビズムの前衛画家ということを私は知りませんでした。

    画像
    《自画像》1904
    ▼
    画像
    《自画像》1908
    ▼
    画像
    《帽子をかぶった自画像》1927:画風の変遷が分かりやすい
    画像
    《パブロ・ピカソ》1908

    ローランサン自身は、マチス、ドラン、ピカソ、ブラックに影響を受けたと語っています。国立西洋美術館で開催された「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展」に行った人は、この展覧会と関連が強いため、訪問をおすすめします。展示されているマチスなどの作品は全てアーティゾン美術館の所蔵でした。まるで「俺は全部もってるぞ!」と自慢するかのようでした😁

    画像
    アンドレ・ドラン《自画像》
    画像
    アンリ・マティス《両腕をあげたオダリスク》
    画像
    パブロ・ピカソ《女の顔》
    画像
    ジョルジュ・ブラック《梨と桃》

    中には、ローランサンによる水彩画の挿絵も展示されていました。ヨーロッパで、水彩画は油絵に対して下に見られていると読んだことがあります。そのため、水彩画があること自体に少し驚きました。ローランサンの作風は挿絵にもマッチしていると思いました。

    画像
    《椿姫 第9図》
    画像
    《限定書籍『セルゲイ・ディアギレフ劇場<牝鹿>』1・2巻》

    ローランサンと言えば「真っ白すぎる肌の女性」です。藤田嗣治とは違った次元の白のベタ塗りでした。その先入観で作品を見ると違和感はありません。ただし、「美白」が人種差別用語として敬遠されている現代、今を生きるアーティストがこの作風を全面に出すとNGなのかな、と思いました。

    画像
    《女優たち》
    画像
    作品のアップ。ものすごい白い
    画像
    藤田嗣治《人形を抱く少女》

    ローランサンの作風は、どこか竹久夢二のような、平面的で日本風な印象も受けました。しかし、ローランサンの年表を見ても、特に日本から強くインスパイヤされた訳ではないようでした。

    画像
    《女と犬》
    画像
    犬がかわいい!
    画像
    《プリンセス達》
    画像
    犬がかわいい!(2回目)

    また「白」以上に印象に残ったのは、犬の絵がかわいいこと。つぶらな瞳がキュート過ぎました🥺

    画像
    《田園の祭典》:まるでディズニーみたいな作品

    全体を通して、ローランサンの作品を数多く見ることができたため満足しました。強いて言えば、副題にある「時代をうつす眼」感はあまり感じられませんでした。彼女はピカソたちと仲が良かったものの、キュビズムに傾倒せず、独自の作風を確立しました。戦争など時代の変化に紐づけて、ローランサンの作風の変化やその理由が端的に分かるとなお良いと思いました。

    例えば、ピカソは、第二次世界大戦後「ゆるかわ」なセラミック作品が多くなります。それは分かりやすいほどに、戦争の終わりにホッとした心境が垣間見れました。ローランサンの特徴的な白ベタ塗りの作風はどういう心象の変化、外部の影響があったのか、その点をよりクリアにしたかったです。

    なお「スケッチNG」のマークを美術館で初めて見ました。写真はOKなのに、なぜスケッチがダメなのか?疑問に思ったため、看視員の方に聞いてみました。曰く「作品の展示場所によって、スケッチをする行為は他の鑑賞者の妨げになるため」とのことでした。

    画像
    初めて見たスケッチ禁止のマーク

    私は、美術館内でスケッチしている人を今まで見たことがありません。もしかして、過去にアーティゾン美術館で作品をスケッチしている人がいて、他の鑑賞者の邪魔になった際に「スケッチはダメとはどこにも書いてない!」と駄々をこねるトラブルがあったのかな?と邪推しました。

    (蛇足)撮影したほぼ全ての写真が左に傾いていて、どこか気持ち悪いです。シャッターを押す時は、片手で横着するのではなく、必ず両手でカメラを構えないとダメだと再認識しました😅

    画像
    《花を生けた花瓶》
    画像
    《椅子(2脚)》
    画像
    ローランサンが絵付をしたそう

    ▶︎まとめ

    画像
    買ったポストカード《女と犬》:犬がかわいい!(3回目)

    いかがだったでしょうか?単純にローランサンの作品を数多く見ることができたため満足でした。ローランサンの内面性をもう少し深掘りできるキュレーションであれば、満足はさらに上がったと思いました。

    画像
    次回の展覧会はブランクーシ。わたし、気になります!

    ▶︎今日の美術館飯

    画像
    ★3.4/ブレスコーヒー (東京都/京橋駅) - BLTたまご (¥693)、coffee (¥220)
     
     
     
    混雑から見どころまで。展覧会選びに役立つ、実体験レビューを投稿 ■年間53万ページビュー、1.2万スキ、196万インプレッション ■投稿:年間89(4.1日に1本) ■展覧会:年間87 ■読書:年間120、累計2321 ■食べログ:年間247、累計2798 (数値は2025年)

    あなたへのおすすめ