メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【展覧会レポ】直島新美術館「開館記念展⽰ー原点から未来へ」

    Naota_t

    【#264、約3,900文字、写真約45枚】
    初めて直島新美術館へ行き「開館記念展⽰ー原点から未来へ」を鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。

    ▶︎ 結論

    直島という特殊な場所にありますが、行く価値のある美術館だと思いました!それは主に、1)オープンしたての美術館(2025年5月)に行ける機会は中々ない、2)安藤忠雄による建築は、自然・作品とうまく共生している、3)少数精鋭の作品群はどれもインパクト抜群だったことによります。なお、安定感はあったものの、何かもう1つ意外性があると、直島を代表する美術館に近づくと思いました。

    おすすめ度:★★★☆☆
    会話できる度:★★★☆☆
    混み具合:★★★☆☆
    展覧会名:開館記念展⽰ー原点から未来へ
    場所:直島新美術館
    会期:2025年5月31日~(一部は2026年2月以降に展示替え予定)
    休館日:月曜日
    開館時間:10:00 ~ 16:30
    住所:⾹川県⾹川郡直島町 3299-73
    アクセス:本村港から徒歩約10分
    入場料(一般):1,500円
    事前予約:オススメ
    所要時間:約1時間半(カフェ含む)
    撮影:会田誠の作品以外、すべて可能
    巡回:ー
    URL:こちら

    ▶︎ 訪問のきっかけ

    画像
    入り口のサイン

    この夏、妻が子どもを連れて小旅行へ。私は「死ぬまでに直島に行きたい!」と考えていたことに加え、2025年5月に直島で安藤忠雄による建築の「直島新美術館」がオープンしたことを覚えていたため「そうだ 直島、行こう。」と参上しました。

    ▼ 安藤忠雄の展覧会@VS.

    ▶︎ アクセス

    画像
    直島の本村港

    直島新美術館へは、直島の本村港から徒歩約10分。海沿いを歩き、ほぼ一直線のため、迷うことはないです。道中に立っていたガイドの方に道順を質問できたため、安心感がありました。

    画像

    注意点は、本村港でレンタルサイクルの店舗がないこと!

    私が事前立てた計画は、高松空港→高松港→直島の宮ノ浦港→自転車を借りる→地中美術館→直島新美術館→…でした。しかし高松港で、フェリー乗り場のお兄さんが「直島新美術館がある本村港行きの船がもうすぐ出ますよ〜」というセリフを聞き、反射的にそのフェリーに乗ってしまいました😨

    なお、直島新美術館に行く際、事前予約がオススメ。予約した方が安心な上、当日券より予約券の方が200円安いためです。

    ▶︎ 直島新美術館とは?

    画像

    初めて館名に「直島」を冠した、集落の中に位置する美術館です。(略)地域の活性化に資する美術館のありようを改めて示すとともに、「アート・建築・自然・コミュニティの共生」のさらなる深化を図ろうとするものです。また、同館は日本を含むアジア地域の現代アートの展示や紹介を中心に、展示替えやパブリック・プログラム等、より幅広く動きのある活動に取り組みます。(略)より多様性に富んだ鑑賞体験が創出されるとともに、地域、アジア、グローバルな視点による「よく生きる」についての考察が促されることを願います。

    公式サイトより

    要は、直島新美術館のポイントは、主に3点です。
    1)直島で安藤忠雄10作目の建築
    2)初めて美術館の名前に「直島」が入った
    3)「新」はアジア作家のみで構成することに加え、今後も新しくあり続ける決意が込められている

    画像
    坂の傾斜がすごい!
    画像
    丸っこい石も使用
    画像

    直島新美術館は、ものすごい階段&坂の上にあります(足腰の弱い方にはかなりハード)。高台の上にあるため、カフェからの眺めは絶景です!

    画像
    カフェのテラス席からの眺め
    画像

    建物は、まさに「安藤忠雄」という印象でした。自然の中に突如現れるコンクリート。一見、コンクリートは無機質に感じます。しかし、周りの自然がより強調され、むしろ自然との共生を感じる佇まいでした。また、どんな作品にも相性抜群なつくりと思いました。

    画像
    画像

    ▶︎ 「開館記念展⽰ー原点から未来へ」感想

    画像

    ベネッセアートサイト直島の初期から関わりのあった作家や、2016年以降ベネッセ賞をヴェネツィアからアジアへ移行したことをきっかけに関係性を築いてきた作家、さらには近年の現地調査で出会った作家等12名/組による、代表作やこの場所にあわせて構想された新作が(略)展示されます。(略)アジアのアーティストたちの作品が放つ様々なメッセージが、未来への希望の手紙となることを願います。

    公式サイトより

    定期的に少しずつ展示替えを行う珍しいスタイルです。会場は、主に4つの展示スペースとカフェで構成されてます。適当なルートは、2階→1階→地下1階(ギャラリー3→4)だと思います。

    来館者の中で、特に中国の方が多いと感じました。香川や岡山からフェリーに乗らないといけないし、港も複数あるし、フェリーの本数も少ないため、来館すること自体が結構難しいです。みんな、すごい😮

    ✔️ ギャラリー1

    画像
    マルタ・アティエンサ《ティグパナリポッド(守護者たち)》
    画像
    パナパン・ヨドマニー《アフターマス》
    画像

    「こんなにでかい壁、よく設置したなぁ」と思いつつ、作品を間近でみると少しホラー。チトラ・サスミタを思い出しました😨

    ▼ チトラ・サスミタの作品を見た展覧会

    画像
    ヘリ・ドノ&インディゲリラ《人類の自覚:中心への旅》
    画像
    画像
    画像
    ヘリ・ドノ《ヘリ・ドノ論の冒険旅行》
    画像
    ヘリ・ドノ《空から降る天使》

    ✔️ ギャラリー2

    画像
    ソ・ドホ(Hub/s 直島、ソウル、ニューヨーク、ホーシャム、ロンドン、ベルリン》

    入った瞬間「ソ・ドホだー!」とテンションが少し上がりました。最近、仁川国際空港(韓国)で彼の作品を見たばかりです。

    画像

    実際に、作品の中に入れます(一方通行)。作品に触ってはいけませんが、ついつい触りたくなります。外国の来館者と一緒に、薄く半透明のカラフルな素材でできた、さまざまな国の「家」を通ることで「異文化ってまさにこの作品みたいなもんかなぁ」と思いました。

    画像
    画像
    画像

    ✔️ ギャラリー3

    画像
    Chim↑Pom from Smappa!Group《スウィートボックス(輸送中の道)》
    画像
    コンテナの中にハシゴ
    画像
    ハシゴに上って見える風景

    Chim↑Pomのカラフルなコンテナの中にハシゴがあり、頭だけそこに入れて様子を見られます。十和田市現代美術館で見た、栗林隆《ザンプランド》を思い出しました。

    画像
    村上隆《洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip》

    昨年の記憶も新しい、村上隆《洛中洛外図》を福武財団が購入していたとは!再会できてうれしかったです。この部屋のみ、作品の解説パネルや動画、書籍などが展示されていました。

    画像
    画像
    / 久しぶりっ! \

    このスペースの最後に、会田誠《赤い鳥居》が展示されていました(撮影不可)。会田誠は、私が現代アートに興味をもつきっかけになったアーティストです。

    久しぶりに会田誠の新作(2025年)を見られてラッキーでした!すごく大きな立体作品は、禍々しく、ナンセンス、どことなくグロ。会田誠らしい作品でした。いろんな写真や画像を無許可でコラージュしているから、撮影不可なのでしょうか。

    画像
    「会田誠展:天才でごめんなさい」@森美術館(2012年12月撮影)

    ✔️ ギャラリー4

    画像
    蔡國強さい・こっきょう《ヘッド・オン》

    部屋に入った瞬間に「お、おぉ…」と息を呑みました。この作品は、フィナーレに相応しいインパクトでした。この迫力は、写真では伝わらないです。まさに「インスタレーション」だと思いました。

    画像

    ワラワラいる99匹の狼は、すごくリアル。空間を進んでいくと、ガラスにぶつかっていることがわかります。それがわかるとクスッとして、一本取られたような気持ちになりました。

    画像

    この広々空間に、勢いのある蔡國強の作品は、とてもマッチしていました。また、ガラスの板は地面に完全に接着されていました。これは恒久展示作品なのでしょうか?

    画像
    / ドシーン \

    実はこれ、政治的な作品です。もともと、ベルリンのドイツ歴史博物館に展示するために制作されました。

    ガラスの高さは「ベルリンの壁」と同じ高さ。99匹(未完成の象徴)の狼(群れで行動するモチーフ)が、透明の壁に繰り返しぶつかる様子からは、勇気を感じる一方、体制へ盲目的に行動する虚しさも感じました。作者のメッセージを感じる、まさに現代アート的な作品でした。

    画像

    どこから撮っても映えるので、何枚も撮りたくなります。展覧会の冒頭から最後に至るキュレーションは、ワクワクの起承転結がうまくできていたため、読鑑感は心地よかったです。

    画像

    ✔️ 多目的カフェスペース「&CAFE」

    画像
    N・S・ハルシャ《幸せな結婚生活》

    ◾️ あともう一押し欲しい

    安藤忠雄の建築も良いし、作品のキュレーションも良い。しかし何となく、直島新美術館は、直島の代表にはなれない印象を受けました。その理由は「コンセプトの不十分さ」かもしれません。

    会場から「アジア地域を中心とした現代アート」「100年先も見据えて挑戦し続ける」といったメッセージは強く伝わってきませんでした。美術館名がシンプルすぎるのか、展覧会名が抽象的すぎるのか。

    来館者に何をもって帰ってほしいのかをシャープに伝える工夫がもう一押しあると、直島新美術館は、より強い支持を得られると思いました。もしくは、安藤忠雄の青りんごを置くと、話題性が高まるのではないでしょうか。

    画像
    安藤忠雄の青りんご@こども本の森 中之島

    ▶︎ まとめ

    画像
    買ったホログラムのステッカー(¥990)

    いかがだったでしょうか?2025年5月にオープンしたばかりの美術館は鮮度たっぷりで、訪れるワクワク感がありました。安藤忠雄の安定した建築と、粒揃いの作品群からたくさんのインスピレーションを得られたため、直島に来たらマストで寄るべきスポットだと思いました。ただ、感動が印象に残る仕掛けがもう一押しあると、さらに良いと思いました。

    画像
    ポストカード1枚500円は手が出ない…
    画像
    鑑賞後、100円バスで宮ノ浦港へ

    ▶︎ 今日の美術館飯

    画像
    ★3.3/&CAFE (香川県/直島町その他) - 瀬戸内プレート (¥1,800) 

     
     
     
    混雑から見どころまで。展覧会選びに役立つ、実体験レビューを投稿 ■年間53万ページビュー、1.2万スキ、196万インプレッション ■投稿:年間89(4.1日に1本) ■展覧会:年間87 ■読書:年間120、累計2321 ■食べログ:年間247、累計2798 (数値は2025年)

    あなたへのおすすめ