メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【展覧会レポ】群馬県立近代美術館「群馬からみる日本の美 戸方庵井上コレクション5つの扉」「コレクション展示」

    Naota_t

    【約3,800文字、写真約45枚】
    群馬県立近代美術館に初めて行き「開館50周年記念 群馬からみる日本の美 戸方庵こほうあん井上コレクション5つの扉」「コレクション展示」を鑑賞しました。その感想を書きます。

    ※本展覧会はすでに終了しています。

    ▶︎ 結論

    印象に残った点は、1)磯崎新の建築が面白い!、2)「群馬の森」は子供が大喜び!でした。展覧会については、企画展よりもコレクション展の方が見応えたっぷりでした。しかし、両展示にはストーリー性が乏しく「ふ〜ん」で終わる人が多いと思いました。今後は、撮影可能にしたり、もっと子供フレンドリーな企画を実施するなどの対策が必要ではないでしょうか。

    おすすめ度:★★★☆☆
    会話できる度:★★★☆☆
    混み具合:★★☆☆☆
    展覧会名:「開館50周年記念 群馬からみる日本の美 戸方庵井上コレクション5つの扉」「コレクション展示」
    場所:群馬県立近代美術館 展示室1〜7
    会期:2024年9月21日(土)から11月10日(日)
    休館日:毎週月曜日
    開館時間:午前9時30分から午後5時
    住所:群馬県高崎市綿貫町992−1 群馬の森公園内
    アクセス:高崎駅からバスで約30分
    入場料(一般):1,000円
    事前予約:ー
    展覧所要時間:合わせて約1時間半前後
    撮影:すべて不可
    URL:https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4820.html 

    ▶︎ 訪問のきっかけ

    画像
    博物館と美術館が併設

    群馬旅行に行った際、県内の美術館を検索したなかで、群馬県立近代美術館に行くことに決めました。それは主に、1)高崎駅からバス1本で行ける、2)時間があれば博物館も行ける、3)大きな公園がある(子供には最重要!)ことによります。

    ▶︎ アクセス

    画像
    高崎駅のバス停

    群馬県立近代美術館(群馬の森)へは、高崎駅からバスで約30分。美術館がオープンする9時半から入館したい場合、9時台(3本あります)のバスに乗ると良いです。なお、私は9時40分のバスに乗ったところ、ほぼ満員だったため、ベビーカーと一緒に乗車するのに少し苦労しました。

    画像
    時刻表(高崎駅→群馬の森)(画像引用)
    料金は300円と安い
    画像
    群馬の森に到着

    ▶︎ 群馬県立近代美術館とは

    画像
    ファサード

    ✔️ 今年で50周年の歴史

    1967年に群馬県明治百年記念事業準備会議が発足。1974年に群馬県立近代美術館が開館、「群馬の森」が供用開始(今年で50周年!)。1979年、群馬県立歴史博物館開館が開館しました。

    画像
    2024年で50周年!

    群馬県立近代美術館は、県ゆかりの作家作品、日本・海外の近代美術、現代の造形表現など、収蔵作品は約2,100点(2023年3月時点)。また、日本と中国の古書画による「戸方庵こほうあん井上コレクション」も229点を所蔵しています(井上房一郎は群馬県出身の実業家)。

    なお、HPには、美術館建設の経緯、目的(パーパス、ミッションなど)の開示がないことが気になりました。それらに美術館の独自性があり、そこに基づいて美術館の運営、展覧会の企画が始まるはずです。「所詮は100年記念でつくられた美術館だから、”仏作って魂入れず”なのは仕方ないのかなぁ」と思ってしまいました。

    画像
    ブールデル《巨きな馬》
    画像
    「群馬の森」に入った時に見える建築
    画像
    宮脇愛子《うつろひ》  
    画像
    隣にある群馬県立歴史博物館

    ✔️ 磯崎新による四角い建築

    建築を担当したのは磯崎新です。1971年、井上房一郎は、作家の斎藤義重の紹介で磯崎新を知り、推薦したことがきっかけ。1971年では、磯崎新の北九市立美術館(1974年)も水戸芸術館(1990年)もないため、先見の明がありましたネ。

    ▼ 磯崎新の代表作の1つである水戸芸術館

    画像
    外から見た様子
    画像

    この美術館の特徴は何といっても、たくさんの正方形。建築は、一辺を12mとした立方体フレームの集積を基本構造とし、外壁のアルミパネルなどは一辺120cm、館内の壁面や床面のパネルは一辺60cm、床のタイルは一辺15cmの正方形となっている面白い造りです。

    画像
    入り口付近
    画像
    1階展示室付近
    画像
    オシップ・ザッキン《破壊された都市》

    立方体を基準としているため、流動的に増殖可能というコンセプトもありました。実際に、シアター棟(1994年)、現代美術棟(1998年)が増築されました。特に、現代美術棟は採光環境も良く、私のお気に入りの場所でした。

    画像
    チケット売場付近
    画像
    館内案内

    ✔️ 田中一光によるロゴ

    画像
    田中一光によるロゴ(画像引用)

    美術館のロゴは、奈良県出身の田中一光によるもの。磯崎新の建築コンセプトに則って、正方形に9文字が配置されたデザインです。

    ✔️ その他

    画像
    子供施策

    館内には、子供用に絵本コーナーがありました。これはとてもいい取り組みだと思います!基本的に、子供にとって美術館は面白くありません。そこで有効なのが、絵本に加え、塗り絵、触れるアート、寛容な看視員だと思います(機会があれば、noteでまとめたいです)。

    画像
    豊富な絵本が素晴らしいし、楽しい空間設計もgood
    画像
    子供は絵本が大好き
    画像
    わたなべちなつ『きょうのおやつは』は面白かった
    画像
    博物館に直接つながる通路

    ▶︎ 「開館50周年記念 群馬からみる日本の美 戸方庵井上コレクション5つの扉」感想

    画像
    館外の案内
    画像
    チケット

    高崎市の実業家、井上房一郎(1898-1993)は、美術館での公開を念頭に長年作品を蒐集し、昭和49(1974)年の群馬県立近代美術館開館に際して、国の重要文化財を含む日本・中国の美術作品をまとめて寄贈されました。このコレクションは、井上氏の号「戸方庵」にちなみ「戸方庵井上コレクション」と名づけられ、現在、所蔵品の重要な柱の一つとなっています。

    公式サイトより
    画像
    子供が描いた展示室内の井上房一郎の像

    この日は、時間が十分でなかったことから、群馬県立近代美術館の全体をサクッと楽しむことにしました。なお、展示室内はすべて撮影禁止です。

    群馬県立近代美術館の特徴でもある「戸方庵井上コレクション」を軸に、全98点を5章で分けて展示していました。国宝は1点、重要文化財(地方指定含む)は9点です。

    戸方庵に敬意を払っているためか、キャプションでは「戸方庵井上コレクション」は赤囲みで目立っていました。その一方で、俵屋宗達の「国宝」はちょこんと記載されているのは、少しクスッとしました。

    特に、印象に残ったのは、長谷川宗宅《柳橋水車図屏風》、伊藤若冲《菜蟲譜さいちゅうふ》、伝 司馬江漢《時計図》、作者不明《文房図》でした。

    画像
    長谷川宗宅《柳橋水車図屏風》(群馬県指定重要文化財、画像引用)
    レイアウトが絶妙。同じものは日本に約30あるそう

    ▼ 《柳橋水車図屏風》は岡田美術館でも見ました

    画像
    伊藤若冲《菜蟲譜》(部分、画像引用)
    かわいすぎる。まるでジブリ

    全体を通して、作品は粒揃いではあるものの、展示方法が平凡だったため、メッセージ性が低い企画展だと思いました。「戸方庵井上コレクション」を軸にしているため仕方ない部分はありますが、記憶に残りやすいキュレーションや見せ方の工夫が必要ではないでしょうか。

    画像
    会場出口にあるスペース
    画像
    フォトスポット
    画像
    いざ、コレクション展へ

    ▶︎ 「コレクション展示」感想

    画像
    2階の休憩スペース。このイス面白い

    コレクション展は、2階の展示室2〜7で実施されています(約150点)。企画展同様、コレクション展も撮影禁止です。

    西洋近代は、ピサロ、ルノワール、モネ、ムンク、ルオー、ドラマンク、シャガール、ローランサン、ドゥフィ、ピカソなど、多くの人が知っている有名人の絵画が並んでいました。

    中でも、1998年に増築された現代美術棟は、大きなホワイトボックス空間だったため、見応え抜群。天井真ん中に採光の窓がある珍しい造りでした。

    現代美術棟の中でも、福田美蘭《still life》がめちゃくちゃ面白くて、釘付けになりました。厳かな西洋絵画(?)が、額ごとスパッと切られた作品です。写真で紹介できず残念😩

    画像
    2階からの風景

    なお、全て撮影禁止は満足度が下がると思いました。例えば、企画展は撮影禁止でも、コレクション展は一部でも撮影可能にするなど、メリハリをつけた方がいいです。

    群馬県立近代美術館のアクセスは、良くありません。そのため、来場者に勝手に情報を拡散してもらって、客数を増やすなどの工夫が必要です。HPも含めて、今の時代にフィットしていないと思いました。

    ▶︎ まとめ

    画像
    買ったポストカード。長谷川宗宅《柳橋水車図屏風》

    いかがだったでしょうか?企画展よりも、コレクション展の方が楽しい展覧会でした。ただ、どちらもストーリーが乏しいため、特に示唆は得られませんでした。価値があったのは「磯崎新の建築が面白い」「”群馬の森”に子供は大喜び」だと思いました。

    ▶︎ 群馬の森について

    画像
    群馬の森はとても広いため、1日遊べる

    群馬県立近代美術館の魅力の1つが「群馬の森」の中にあることです。とても広大で自然が豊かなため、とても気持ちがいいです。

    画像
    ピクニックに最適
    画像
    ブールデル《巨きな馬》
    画像
    分部順治《飛翔》

    「群馬の森」で素晴らしいのが「あそびの広場」!広い空間の中に、大きくて楽しめる遊具や、小さい遊具が点在しているため、子供は何時間でも遊べます。このために、子供をココに連れてきたと言っても過言ではないです。

    画像
    「あそびの広場」が最高
    画像
    子供は大きな遊具に大喜び
    画像
    小さな遊具もあるヨ
    画像
    ミニジャングルジム
    画像
    画像
    大人用の健康器具
    画像
    画像
    画像
    烏骨鶏も飼育

    ▶︎ 今日の美術館飯

    画像
    ★3.3/森のレストラン ころむす (群馬県/北藤岡駅) - 松花堂御膳 (¥1,200)

     
     
     
    混雑から見どころまで。展覧会選びに役立つ、実体験レビューを投稿 ■年間53万ページビュー、1.2万スキ、196万インプレッション ■投稿:年間89(4.1日に1本) ■展覧会:年間87 ■読書:年間120、累計2321 ■食べログ:年間247、累計2798 (数値は2025年)

    あなたへのおすすめ