
芦屋川で出会った「ヌートリア」…ひとつの命
芦屋川を散歩していたときのことです。
川沿いの道を、いつものように歩いていると、水辺で「小さな動き」を見つけました。
最初はカワウソかと思いました。けれど、どこか違います。少し距離を取りながら様子を見ていると、その生き物は前足で顔をこするようにして、丁寧に体を洗っていました。

この子は誰?
ずっとこの川で暮らしているの?
その仕草が可愛らしくて、猫みたいだな、と思いました。
何度も同じ動きを繰り返しています。
それは、2か月前に虹の橋に旅立った愛猫のミッキーの毛づくろいのようでした。
あの愛おしい時間の流れと、どこか似ていました。
しばらくその場に立ち止まり、向こうに泳いでいくまで、ずっと見ていました。

※今回の様子を、短い動画にも残しています。よろしければあわせてご覧ください。
帰ってから調べてみると、その生き物はヌートリアでした。
南米原産のげっ歯類で、日本では外来種として扱われています。かつて毛皮のために持ち込まれ、野生化し、いまでは特定外来生物にも指定されているそうです。
そうした情報を知ったあとで、さっき見た光景を思い返しました。
あのとき、目の前にいたのは、ただ懸命に毛づくろいをしている一匹の生き物。
何かを奪っているようにも、脅かしているようにも見えませんでした。
ただそこにいて、ただ生きていた。
けれど同時に、この場所の生態系にとっては、問題のある存在でもあるのだと思います。
その両方が、同じ場所にあります。
ヌートリアは人間が連れてきた歴史を持ち、いまは外来種として扱われる存在です。
それでも、目の前で一生懸命に生きている姿を見てしまうと、単純に切り分けることができません。
守るべき自然という考え方と、そこで暮らす動物。
どちらも間違っていない気がして、どちらも簡単には選べません。
あのとき感じたことを、うまく言葉にするのは難しいです。
ただ、ミッキーを見ていたときと同じ感覚で、その存在を見てしまった、ということだけは確かです。
ひとつの命として。
ショート動画
あのときの様子を、少しだけ残しておきます。