
これは、曖昧な気持ちを抱きしめるための記録 - 勘違いの恋 #00 -
神様が、人生の贈り物として彼との出会いをくれた——
これが私にとって最初の勘違いだったのだと思う。
既婚者の私が、同じく既婚者の職場の上司に恋をした。
ドラマにもならない、ありふれた話だと思う。
私は夫のことが好きだし、私にとってとても大切な存在で、別の人に恋をしたからといって夫婦の関係性を変える気なんて全くない。
恋のお相手である壱(いち)さんは、尊敬できる上司で支援的で、彼といるとどんどん新しい自分に挑戦できる。
恋愛関係になることよりも、プロとしてこの信頼関係を紡いでいくこと、それが何よりも大切だと思っていたし、今もそう思っている。
だからこの恋心は、もしかしたら一生壱さんに伝わることはないのかもしれない。
同じ様に、私は一生壱さんの心を知ることができないかもしれない。
ラブストーリーにおける山場をこの恋は迎えないかもしれない。
だったらきっと永遠に続く、平坦な道に咲く小さい花を愛でるように、微かな一瞬や気持ちを味わいつくしたいと思う。
そんな思いでこの文章を綴ります。
多分、恋心に正解なんてなくて、どんなに仲の良い夫婦や恋人でもきっと、相手の心を理解しつくすことなんてできない。
「この人は私のことが好きなんだ。」
「私は愛されているんだ。」
そんな風に思うこともあれば、それが突然消えてなくなったような気がする時もある。
恋は主観だと思う。
だから、都合の良い勘違いをたくさんして、たくさんこの胸をときめかせたい。
だからたくさん、勘違いの文章を書こうと思います。
もし、自分の気持ちを受け止めきれずにいる誰かがいたら、
この文章が、あなたの恋心をそっと包むものになりますように。
「期待をしちゃいけない。」
「こんな気持ちをもってはいけない。」
「自分がバカみたい。」
そんなふうに、自分の気持ちに蓋をしてしまいそうになるとき。
この文章が、ほんの少しでもその心に光を灯すものであれば、私は嬉しいです。