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嗚呼、老化 憂いの白髪

    2026年現在、私は46才独身女。数年前までは人並みに結婚したいという思いはあったけれど、今は「まあいっか」という考えになった。

    だけど、ひとつだけ「まあいっか」という思いにならない事がある。
    それは

    老化現象

    どんなに見目麗しい人でも大金持ちにも、みな平等にやってくるこの老化現象。生きてりゃ誰しもが体に現れる大人の証。

    30歳を過ぎた頃、すり傷、切り傷、打ち身がなかなか治らない。40歳あたりになると「この傷っていつの何だっけ?」となり、打ち身に至ってはタトゥーの様に残り続ける。

    私が一番、衝撃だったのは白髪だ。鏡を見て白髪を発見したら即、抜いたりしていた。ハサミがあれば切っていたが大体は抜いていた。

    ある日、会社のトイレの鏡で白髪を発見したので抜いて眺めていた。何気に右のこめかみ辺りの髪の毛をめくってみると、そこには無数の白髪がいるではないか。

    なに…これ…

    慌てて左のこめかみの髪の毛もめくってみる。
    同じように白いアイツがいるじゃないか!

    一本、二本、三本…四本……五本

    番町皿屋敷のお菊の如く恨めしく数える。もう抜いたり切ったりするレベルではない。思った以上の量に愕然とする。2ヶ月に一度は、美容室で普通のカラーをしてはいるが、この時は忙してくて行けていなかった。
    これが最初の「老化」とのご対面だった。

    とあるショップで可愛いワンピースと遭遇。
    ウキウキしながら試着室に入る。ふと目の前の鏡を見ると頭頂部に元気な白髪あり。
    どうしてこんな目立つ場所に生えるかねぇ。
    まるで春先のツクシのように元気いっぱい、生命力に溢れた生え方。とりあえず隠す。
    よし、これで見えんぞ。安心したのも束の間、あっちやこっち、そっちにも…。
    ここで「あのぉ…ご試着はいかがでしょうか?」と店員さんの声。
    しまった!こんな所で白髪チェックをしている場合ではない。再び目の前の鏡に目をやると、そこには服を途中で脱ぎ、髪がボサボサの不様な女の姿があった。

    20代の頃、白髪も老眼も出てきたら全部受け入れてるものだと思っていた。いざ、自分がその年齢を迎えると、こんなにも見苦しくジタバタするとは思わなかった。

    まだ、グレイヘアにするほどの白髪は無い。だけど、グレイヘアが似合う人は、ごく限られた人のような気がする。私の勝手なイメージ、小顔でお洒落で洗練された「大人」。残念ながら今の私には、どれも当てはまらない。
    以前、美容室の担当くんに、普通のカラーで太刀打ち出来なくなったら白髪染めに変えてねと言ってあるが、まだその時はやってきていない。

    友達と会えば自然と、白髪はどうだ?老眼はどうだ?と言う話になる。20年前は、やれ婚活だ!やれコンパだ!の話をしていたのに…。
    あと10年もすれば血圧や持病の話に花を咲かせてる事だろう。

    たかが白髪、されど白髪

    白髪軍団を見ては、焦り、受け入れ、そしてまた焦り…を繰り返す、憂う日々。
    だけど、憂いてばかりじゃつまんない。
    そうだ、どうせならお得意の妄想をしてみようかな。グレイヘアをなびかせ、颯爽と歩く自分を。

    #創作大賞2026
    #エッセイ部門

     
     
    孤独のグルメ井之頭五郎に強い憧れと尊敬を抱いている40代女。 好きな食べ物は焼き肉とカレーとチーズ。 生クリームは私の活力。

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