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映画『黒牢城』ミステリーより伝記として面白い。戦国武将にとっての瞑想とは?荒木村重と茶道

    映画『黒牢城』は、
    直木賞や国内ミステリーランキング4冠に輝いた
    米澤穂信の小説『黒牢城』(2021) を
    黒田清監督が実写化した作品だ。

    伝記>ミステリー


    時は戦国の世。
    織田信長の家臣だった荒木村重が
    主君に反旗を翻して、有岡城に立てこもる。
    信長は、説得のために、村重と親交のあった黒田官兵衛を
    有岡城に送り込むが、
    村重は説得を聞き入れずに、官兵衛を土牢に入れてしまう。

    そして、フィクションのミステリー部分が展開する。
    城内で次々と怪事件が起こり、
    その謎を追っていくなかで、
    村重は牢につないだ官兵衛の頭脳を借りるのだ。

    この部分は、
    村重VS官兵衛の言葉の格闘があり、
    真犯人の弁明があり、
    俳優陣がそれぞれの力量を存分に発揮し、見ごたえがあった。

    現場検証については、
    ・画面が暗くて人物の区別がつきにくい
    ・怪しい人物たちが特定されない
    ・時代の言葉の理解が追い付かない
    ことで、観客としては犯人探しに没頭しにくかった。

    村重の新評価


    歴史には詳しくないのだが、
    調べたところによると、
    荒木村重は、妻子や家臣を見捨てて、
    有岡城から逃亡したというマイナスの評価がされていたようだ。
    しかし、近年では、抗戦のための戦略的な移動という見方も出てきて、
    この映画でも村重の名誉を挽回するような結末になっていた。

    毛利への援軍を求めるため、村重は従者をつれて、山道を行く。
    ある程度城から離れ、織田方の追手に襲われる危険が少なくなると
    村重は、これまでを労い、従者を返す。
    大荷物を背負った最後のひとりにも、
    城に戻りたければ戻ってもよいというが、
    従者は共に行くと言って、最後は二人で山道を下っていく。
    鷹揚なやりとりに、村重が格好良くみえた。

    茶道=瞑想


    映画の中で、
    村重が茶を点てる場面がある。

    お湯を注ぐ。
    茶筅を振る。
    茶碗を持つ。
    抹茶の味と香りを感じる。

    動作のひとつひとつに集中して、
    〈一期一会〉の相手を大切にもてなす心遣いは
    茶道もまた瞑想の一つだといえる。

    相手を殺さねば、自分が殺されるという世界の中で
    茶道は、心を整えて、英気を養う手段であり、
    静けさの中で、精神を立て直すひとつの拠り所だったに違いない。

    村重は有岡城を出た後は、身をひそめ
    本能寺の変で信長が亡くなった後は、堺で、茶人として活躍したという。

    戦国という極限の時代を生き抜いた村重。
    その生命力の根底には、茶道がもたらす静けさと精神の鍛錬があったのかもしれない。


    この映画から得たもの


    荒木村重という武将の新しい評価に共感できました。
    茶道をやっていた意味も分かる気がしました。

    こんな方にオススメ


    ・歴史に興味がある方
    ・部下を持っている方

    評価


    ★★★☆☆(3.5/5)
    ミステリーよりも
    伝記として観たらいいと思います。

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