
【第8話】お姫さまとオオカミさん~エイダとぐるぐる足跡~【ねんね前の読み聞かせ】

エイダとぐるぐる足跡
むかしむかし、あるところに お姫様とオオカミさんがいました。
お姫様はその国で一番偉い人だったので、 お友達がいませんでした。
オオカミさんは森の動物たちに怖がられていて、 友達がいませんでした。
そんな二人の物語です。
今日は、ユマール王国のお城で小さな事件が起こりました。 エイダ姫は、朝からお城の庭を掃除していました。
彼女はお掃除が大好き。いつもきれいにしようと頑張っています。
「今日はきれいにするぞ!」
エイダは元気に言いました。すると、チュー太郎が壁の隙間から顔を出しました。
「おはよう、エイダ! 何してるの?」
「おはよう、チュー太郎! 今日は庭を掃除しているの。手伝ってくれる?」
エイダは笑顔で答えました。
「もちろん! でも、少し休憩してもいい?」
「いいよ、少しお話ししよう」
エイダは優しく答えました。二人は庭のベンチに座り、いろいろなお話をしました。楽しい時間が流れました。
すると、ふと目に入ったのは、泥だらけの足跡です。 エイダは不思議そうに足跡を見つめました。
「この足跡、誰のかな?」
「わからないけど、気になるね! 追いかけてみよう!」
チュー太郎が提案しました。
「うん、行こう!」
エイダはワクワクしながら言いました。二人は足跡をたどり、お城の中を探検することにしました。
ペタ、ペタ、ペタ……。
足跡は庭からお城の中へ続いていました。エイダとチュー太郎は、足跡を見つめながら進みました。
「ここにも足跡がある!」
チュー太郎が叫びました。
「本当だ! でも、同じところをぐるぐる回っているみたい」
エイダが言いました。
「どうしてだろう? 誰かが迷っているのかな?」
チュー太郎が心配そうに言いました。
「そうかも。でも、私たちが助けてあげよう!」
エイダは決意を込めて言いました。二人はさらに足跡を追いかけましたが、同じ場所に戻ってきてしまいました。
エイダは考えました。
「もしかして、足跡の主はお城の中にいるのかな?」
「うーん、でも誰も見当たらないね」
チュー太郎が首をかしげました。エイダはじーっと足跡を見つめました。その足跡は、大きくもなく、小さくもなく……。
ふと、エイダは自分の足元を見ました。
「……あっ!」
きれいに洗濯されたドレスの裾から、泥だらけになった靴が覗いていました。
朝、お掃除を始める前に、お花にお水をあげようとして、泥んこの水たまりを踏んでしまったのを思い出したのです。
「チュー太郎……犯人がわかったわ」
「えっ、だれだれ!?」
「……私よ」
エイダは頬を赤くして、くすっと笑いました。
「お掃除するぞー! って張り切りすぎて、自分の靴が汚れているのを忘れちゃってたみたい」
「えっ~~! エイダの足跡なの?」
チュー太郎が驚きました。
「だから、同じところをぐるぐる回っていたんだね!」
チュー太郎が笑いました。
「そうだね。私が靴を洗い忘れていたみたい」
エイダもくすっと笑いました。
二人はそのまま、エイダの靴をきれいにすることにしました。
「靴を洗おう! それから、また探検しよう!」
「いいアイデアだね!」
ゴシゴシ、キュッキュ!
二人は協力して、エイダの靴をきれいに洗いました。
「ほら、きれいになったよ!」
「わあ、本当だ! ありがとう、チュー太郎!」
エイダは嬉しそうに靴を見つめました。
「これで、また探検に行けるね!」
「うん、今度は泥だらけにならないように気をつける!」
エイダは笑顔で答えました。その後、二人はお城の隅々を探検し、たくさんの新しい発見をしました。エイダは、何かを調べるのは素敵だなと思いました。
「今日は本当に楽しかったね!」
「うん、また一緒に探検しよう!」
こうして、エイダとチュー太郎は小さな事件を解決し、お城で楽しい一日を過ごしました。
「それじゃあ、そろそろおやすみの時間だね」
「うん、おやすみなさい、エイダ!」
二人は、明日もまた楽しい冒険が待っていることを信じて、安心して眠りにつきました。
おやすみなさい。
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今回のお話は「自分で気づいて、やさしく直していくこと」が楽しく描かれていました。
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エイダと ぐるぐる あしあと
むかしむかし、あるところに
おひめさまと
おおかみが いました。
おひめさまも、
おおかみも、
ともだちが いませんでした。
これは、そんな ふたりの
おはなしです。
あるあさのこと。
ユマールおうこくの おしろで、
ちいさな できごとが
おこりました。
エイダは おにわで
おそうじを しています。
「きょうも
ぴかぴかに するぞ!」
げんきいっぱい。
そのとき、
ひょこっ。
チューたろうが
かべから かおを だしました。
「おはよう、エイダ!」
「おはよう!
いっしょに やる?」
「いいよ!
でも、ちょっと おやすみも しよう?」
「うん、すこし おはなししよう」
ふたりは ベンチに すわって、
のんびり おしゃべり。
たのしい じかんです。
そのとき――
「……あれ?」
エイダが みつけたのは、
どろの あしあと。
「だれの あしあとかな?」
「おいかけてみよう!」
「うん、いこう!」
―――――
ぺた、ぺた。
あしあとは、
おにわから おしろの なかへ。
ふたりは
あとを たどります。
「ここにも ある!」
「ほんとだ。
でも……ぐるぐる してる?」
おなじ ばしょを、
くるくる。
「まよってるのかな?」
「じゃあ、たすけよう!」
―――――
でも――
あるいても、あるいても、
また おなじ ばしょ。
「ふしぎだね…」
チューたろうが
くびを かしげます。
エイダは、
じーっと あしあとを みました。
おおきすぎず、
ちいさすぎず。
「……あれ?」
ふと、
じぶんの あしもと。
どろで よごれた
くつ。
「……あっ!」
「あさね、
みずたまりを ふんじゃったんだ」
「チューたろう……
わかったよ」
「えっ、だれ?」
「……わたし」
エイダは
ほっぺを ほんのり。
くすっと わらいました。
「きれいに しようって、
はりきりすぎちゃった」
「くつが よごれてるの、
わすれてたみたい」
「ええ〜!」
チューたろうが
びっくり。
「エイダの あしあと!?」
「だから ぐるぐる だったんだね!」
「うん、そうみたい」
―――――
「じゃあ、まずは
くつを あらおう!」
「いいね!」
ごしごし。
きゅっきゅ。
ふたりで いっしょに
くつを きれいに。
「みて!
ぴかぴか!」
「ほんとだ!
ありがとう!」
「これで また
たんけん できるね!」
「こんどは
よごれないように する!」
エイダは にっこり。
―――――
それから ふたりは、
おしろの あちこちを
たんけんしました。
あたらしい もの、
たくさん みつけました。
しらべるのって、
たのしい。
エイダは そう おもいました。
「きょう、たのしかったね!」
「うん! また いこう!」
こうして、
ちいさな できごとは
おしまい。
おしろで、
たのしい いちにちを
すごしました。
「そろそろ ねるじかんだね」
「おやすみ、エイダ!」
「おやすみ、チューたろう」
あしたも きっと、
たのしい ぼうけん。
ふたりは あんしんして、
めを とじました。
おやすみなさい。
このおはなしは、ここから つづいていきます。