メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo byekakinonakagawa

囲碁が習い事に最適だと思う理由15選

    最近囲碁が盛り上がっていますね。
    ※年末に囲碁棋士の兄に会って囲碁の話をしたからそう感じているだけかもしれない。

    僕は2歳頃~6歳まで碁会所で囲碁を習っていましたが、この習い事が能力・人格に大きく作用したと感じています。

    囲碁のおかげで中学受験もうまく行きました。

    僕は囲碁をゲームや競技だと思っているので、それが楽しいからやればいいし、自分もそうだったから続けていたわけですが、親目線や社会目線だと「何の役に立つか」という観点も重要であることは感じているので、今回はなぜ囲碁は習い事に最適なのかというのを紹介します。
    囲碁棋士になったらこんないいことがあるよ、ということではなく、囲碁をやることで副次的にこんな能力や習慣が身につき、受験など将来別の場面でこんなことに役に立つよということを紹介します。習い事ってそういうことですよね。

    2歳~12歳くらいのお子さんがいる保護者の方で、囲碁を全く知らない方がターゲットです。囲碁なので15選です、はい。

    ①計算が「勝つための手段」である

    囲碁で強くなるためには計算や先読みが必須です。
    ここで、計算自体や未来を予想すること自体が目的ではないというところがポイントです。
    囲碁というゲームで相手に勝つには、計算をすることが求められるんです。だから強くなりたいと思ったら、やるんです。手段だから、自発的にやるんです。

    PCゲームをやるためにパソコンの操作を覚えるとか、海外ゲームをやるために英語を覚えるとか、これも「手段」だからです。

    そもそも囲碁は終了時に「相手より多くの陣地があれば勝ち」というゲームなので、数の大小を比較できないとゲームが成り立ちません。
    この陣地の数え方は掛け算が基本なので、自然と九九も覚えていきます。

    また、強くなっていくと「形勢判断」と呼ばれる「今時点で自分と相手の陣地はどのくらいあるかな」と脳内で数えて判断することが増えてきます。
    これは脳内で数字を留めておく必要があるので、ワーキングメモリという能力を鍛えることにもなります。

    僕は囲碁のおかげで、公文やそろばんに一切通っていないのに、幼稚園の時点で九九を言えるようになっていましたし、計算がかなり速い子どもになっていました。
    ちなみにこの計算は将棋ではほぼ必要ないので、囲碁ならではの利点だと思っています。(この記事は将棋との優劣を比較したいわけではないですが、一応。将棋は将棋で競技人口の多さからくる利点がめちゃくちゃある)

    ②脳内で先を読むという映像を描くことができる

    よく囲碁や将棋の棋士は「先を読む力に長けている」と言われます。
    「先を読む」とは、今実際に目の前にある盤面から、「自分がこう打つと、相手は恐らくこう打ってきて、そうすると自分が悪いからこれは良くない手なのか」などと考えて、最善手を探していくという行為です。

    この先読みは、相手に勝つためには当然必要な行為ですが、重要なのは「目の前の盤や石を使うことができない」という点です。そのため、自分の脳内で盤を思い描き、そこで石を置いていくという力が求められます。

    これも先ほどの形勢判断と近いですが、ワーキングメモリを鍛えることができます。さらに、脳内で思い描くという行為はスキルとして非常に重要で、記憶力を上げることにもつながります。
    僕は普段記憶力を高める指導を行っていますが、最も必要な能力は頭の中で映像を思い描くという能力です。これを自然と鍛えられるのが囲碁です。

    ③相手の視点に立って考える癖がつく

    囲碁の基本思想は「相手に打たれたら嫌なところに打つ」です。
    ほぼ全ての対人ゲームはそうだと思いますが、相手にやられたら嫌なことを先にやると勝利に近づきます。

    囲碁も同様で、次に打つ手に困ったら、とりあえず相手の立場になって考えて、次にここに打ちたいなと思う場所を探します。

    これを毎回行うことで、常に相手の目線に立ち、「自分が相手だったらどうするか?何がしたいか?」「逆に相手には自分がしたい行動がどう映っているだろう?」と考える癖がつきます。

    視点の移動ができるということですし、相手の立場になって考えられるということですし、メタ認知ができるということです。子どものうちからこの能力が鍛えられるのは、僕はとても良いことだと思います。

    ④勝ち負けが明確にある

    囲碁は勝ち負けがある競技です。
    勝てて嬉しい、負けたら悔しいを1局ずつ味わえます。
    また、一切運要素の無い個人戦なので、勝ったら自分のおかげですし、負けは「自分の能力が足りなかった」という全責任を負うことと同義です。

    頑張ったらライバルに勝てるという経験、負けた時に運や環境などの他責ではなく自分が弱かったからだと認めざるを得ない悔しさと自責思考、どれだけ頑張っても上には上がいるという絶望を体験できます。
    これを理屈で分かっているのと、心の底から味わったのでは人間としての勝負強さに大きく変わってくると思います。

    たとえ地方大会や全国大会で勝てなかったとしても、その悔しさは心に残り、糧となって受験や仕事など別の場所で必ず役に立つでしょう。

    ⑤詰碁によって論理的思考のFBを得られる

    将棋で言う詰将棋のことを、囲碁では詰碁と言います。
    明確に答えがあるクイズです。

    囲碁教室に通ったり、本で勉強したりすると、この詰碁を何問も解くことになります。
    詰碁という明確に答えがあるクイズを繰り返し行うので、自分の論理的思考が正しいかのフィードバックを即座に得られるという利点があります。

    もちろん詰碁が強くなると、先述の通りで脳内で石を置いていくためイメージングやワーキングメモリ、先を読む力も付きます。

    パズルでも算数の文章題でも同じことですが、ピュアに自分の論理的思考が合っているか間違っているかを測定されることで、ストレスなくスキルを磨くことができると思います。

    ⑥普通に礼儀が学べる

    囲碁では礼儀を重んじます。
    対局前の「お願いします」、対局後の「ありがとうございました」は教室では叩き込まれると思います。
    僕はこれが癖になって今でも友達とボードゲームなどで遊ぶときは必ず「お願いします」と言って始めます。

    礼儀はシンプルに大事な習慣ですね。

    ⑦家族以外の大人と密接な関係になる

    子どもにとって家族以外に拠り所になる大人がいるというのは案外大きな影響を与えます。

    囲碁はプレイヤーの年齢も高いので、先生だけでなく対戦相手も大人であることが多く、知らない大人と接する機会も多いです。
    その中で先ほどの礼儀を学んだり、囲碁以外の大切なマナーや知識を学ぶことも多かったりします。

    また、プロを目指す場合は道場に通ったり、弟子入りしたりしますが、家族のような関係になります。
    多くの習い事がそうだと思いますが、家族以外に頼れる大人ができるのは良い習い事だと思います。

    ⑧体格差がないので、努力次第で年上に勝てる快感がある

    囲碁に体格差はありません。
    僕は自分で座れない年齢の頃から、母親の膝の上に座って囲碁を打っていたそうですが、そんな赤子が大人に勝つこともあり得ます。

    フィジカルスポーツではなかなかそうはいきません。勉強でもそうです。
    体格差に関係なく、自分の努力次第で年上に勝てるというのは、快感ですし、大きな自信にもつながります。

    ⑨棋譜並べによって情報処理能力が上がる

    先述の詰碁と並んで、囲碁の勉強の王道としてあるのが「棋譜並べ」です。
    これは、棋士が実際に打った対局の記録(=棋譜)を見て、自分で碁盤に1から順に並べていくという勉強法です。

    画像
    こういうのを紙でもらって、ひたすら並べる

    僕も碁会所や家で延々棋譜並べをしていた記憶があります。

    大人だと、並べながら「こういう打ち方があるんだな」「自分だったらここに打ってしまいそうだけど、なんでこうしたんだろう」「本当にこの手が良いのかAIで調べてみよう」などと考え、棋力を上げる良い練習法になります。
    が、子どもだとあんまりそこまで思考はいかないかなと思います。そこまで考えられれば非常に立派な子で、めちゃくちゃ賢くなります。

    でも、これができなくても棋譜並べに一定の効果はあったなと思っていて、囲碁的な能力で言えば感覚的な「石の並びの美しさ」は量をこなすことで身につきます。自覚的ではないですが、画像認識として強くなっていく感覚です。

    それ以上に、「大量の数字の中から目当ての数字を探す」というのが脳に良かったなと思います。これは囲碁が強くなるのとは無関係ですが、この練習のおかげで大量の文章からキーワードを抜き出すのとか、数字を探すのが格段に速くなりました。単純な情報処理能力が上がったのです。
    おかげで中学受験はかなりアドバンテージがありました。俗物的ですみません。

    ⑩囲碁って人生と同じじゃんと大きくなったら気づく

    囲碁は伏線を張る作業を繰り返します。布石と呼ばれる序盤の石の並びが、後半になって大きく作用します。また、作用するように手を重ねていきます。

    布石が自分の思い通りになったら嬉しいし、別の場所で戦っていた石たちが活用できて巧妙に絡み合ったらバタフライエフェクトのようで気持ちいいです。これは子どものうちから体感します。

    将来のために伏線を張って根回しをするし、過去にやってきたことを良い手でも悪い手でも「良い手」にするために無理やり回収していく営みが、囲碁です。
    これって、人生と同じじゃん、と高校生あたりで気づいていきます。
    経営者はよく「囲碁は経営と同じだ」と言っていますね。

    まさにコネクティングザドッツで、将来のために今から色んな経験をして伏線を張るし、過去やってきた経験を「やって良かった」と思うために今から繋いでいくというのが具体的に理解できます。

    ⑪メンタルが鍛えられる

    囲碁は運がないので、自分でコンディションを整えるしかありません。メンタルスポーツです。
    大事な対局の前日に何をして過ごすか、直前にどうやって興奮を抑えるか、どうやって適度な緊張を保つか、というのを自分で考えて実行します。

    最初はうまくいかなくても、ずっと付きまとう問題なので、自分で自分のメンタルをコントロールするという習慣がつきます。
    もちろんこれ自体が習い事として良いですが、これは受験や仕事など囲碁以外の場面でも非常に役立ちます。
    入試前日に緊張したとき、囲碁で学んだメンタルコントロールが使えることは間違いないでしょう。

    ⑫40分という子どもからしたらものすごい長い時間も、集中していたら一瞬で過ぎることを体感できる

    小学校の1時限くらいある40分って、子どもからしたら本当に長く感じますが、囲碁の対局だと一瞬で過ぎます。
    それだけ集中できるということですし、「没頭したらこんなに時間って早く過ぎるんだ」と感じることや、常に時間に追われながら極限状態で思考をし続けるという経験は、受験や他の場面でも役に立っています。

    ⑬PDCAを回すサイクルが早い

    詰碁でも紹介しましたが、自分の努力や行動に対してのフィードバックが早いと、それだけ試行錯誤ができて成長に繋がります。
    囲碁は完全に自分の実力だけのゲームですし、今はAIで着手の良し悪しをすぐに判断できるようになったので、フィードバックがものすごく早いです。

    自分でコントロールできる部分と相手の打ち手次第のコントロールできない部分があると知れるのも良いですし、コントロールできる部分はPDCAを回して最適化していく(=囲碁を「研究する」ということ)プロセスを学べるのは非常に良いことです。

    ⑭手先を使う

    囲碁は対面でやる場合は石を持って打ちます。
    手先を常に使うので、脳に良い気がします。要出典。

    ⑮ゲームなのに目が痛くならない

    僕はあらゆるデジタルゲームより囲碁の方が面白いと思っています。
    こんなに面白いゲームなのに、目が痛くならないというのは地味にすごいです。(まぁPCやスマホで囲碁の研究をし始めるようになるわけですが…)


    囲碁が習い事として最適だと思う理由を挙げてみました。
    実際にやる場合は、こんなことを気にせず楽しんでいくのが一番ですし、もしあなたが保護者でお子さんにやらせたいと思うならば、「一緒にゲームとして楽しむ」か「一切干渉しない」が良いと思います。
    強くなるために練習して、気づいたら副次的に能力としてさまざまなものを得ていたという状況になるのがヘルシーかなと思うので。

    僕は6歳で囲碁を辞めてしまいましたが、中学受験を含めて大きな効果を得ましたし、最近は復帰して楽しく続けているので、本当に魅力的なゲームだと思います。もっと流行ってください。

     
     
    記憶力元世界ランク1位 / メモリースポーツ / 株式会社メモアカ COO / 好き→ボードゲーム(特にテラフォ・囲碁)、キューブ、GeoGuessr、クイズ、謎解き、お笑い

    あなたへのおすすめ