大学時代 ― 好きなことで役割に応えた出来事
「疑問が学びに変わるとき」という言葉を見て、大学時代の出来事も当てはまる気がした。「会話で役に立てない」と思った私は、そこから何を考え、何を選んだのか。
1.何があったのか
大学1年の初め、私は女子運動部に入った。その後、男子運動部のマネージャーも兼任することになった。
当時、男子運動部の先輩から「マネージャーは周囲を楽しい気持ちにさせる役割がある」と伝えられた。大学生になった時点で、私は同性の学生同士の会話は、苦手意識なくできるようになっていたものの、異性、特に異性の先輩との会話が苦手だった。くだけた雑談となるとなおさらだった。
二次会以降のカラオケでは、歌っていない時間に隣の人と何を話せばよいのか判らず、内心では緊張し、なすすべがなかった。
2.その経験を自分はどう意味づけたか
当時の私は、カラオケの雑談で周囲を楽しい気持ちにさせるなど不可能だと思った。それどころか、そんな苦痛な時間はできるだけ避けたかった。会話では役に立てない。それでも部活の皆とうまくやっていけるようになりたい。そのためには、できそうにないことを無理して続けるよりも、自分ができそうな方法を見つける方がよいと感じた。
3.その結果、自分は何を選択したか
会話で役に立てないなら、会話以外で場に貢献する方法はないか。そう考えて思い当たったのが、高校のダンスの活動で好きだと気付いた「踊ること」だった。
自宅では、自分で買ったテレビで歌番組を見ながら振り付けを真似した。そしてカラオケでは、踊りながら歌い、歌わないときはタンバリンなどを使って盛り上げることを始めた。
4.その後、どうなったか
踊って歌うことは、最初は役割を果たすために始めたことだった。しかし、続けるうちに周囲が楽しんでくれているように見えてきて、徐々に自分自身も楽しむようになった。
新人歓迎会でも踊って歌うことを続けた。引いている新入生もいるだろうなとは感じていたが、自分のスタイルとして続けた。大学4年頃には「踊って歌って場を盛り上げる」という、自分なりのコミュニケーションスタイルが出来上がっていた。
卒業のとき部員からもらった色紙には、またカラオケで盛り上がりたい、これからも舞ってください、といった言葉があった。ただし、色紙にあるのは卒業時の部員の言葉で、新人歓迎会に来て入部しなかった人や先に卒業した部員がどう感じていたかは判らない。
「これでは役に立てない」と思ったとき、あなたは何を考え、何を選びましたか。
