
🕊️💌父さん、母さん
一人になりたいって強く思って。
物理的に距離をとった時期。
誰にも何も言われたくなくて、
縛られる生活からどうしても逃げたくて。
あの時は楽だった。
一人になったら姿見が欲しいってずっと思っていたから、安めのだけど自分でシールを貼ったりして可愛い布をかけて。
これからはお化粧もスキンケアも、とにかく自分を見る為の相棒となった。
楽しくて。楽しくて。楽しくて…。
楽しかった?
なんでかな?いつからか、笑っていない自分が写り始めて。
その内、布を掛けっぱなしになった。
あんなに離れたかったのに、戻りたくなった。
あんなに孤独だったはずなのに、家族に会いたくなった。
うるさいと思っていたのに、寂しくてたまらなくなった。
この部屋で輝いているのは、
着飾った姿見だけになっていた。
帰って来たら部屋は暗い。
寒いし暑い。
戸締りもこれから。
22時を過ぎてから。
家族と一緒の時は何も思って無かった。
帰ったら温かい部屋。
涼しい部屋。
ポットには既に沸いたお湯と冷蔵庫を開けたら冷たいお茶が入っていて。
どれだけ甘えていたのか。
どれだけワガママだったのか。
全てを自分の為になんて、
そんなやる気は私には起きなかった。
けれど誰かの為だと自然とやっていた。
よく分かった。
ごめんなさい、当然だと思って。
もっと優しく出来なくて。
皆に会いたい。
同じ事を思うのだろう。
孤独だ、一人になりたいって。
でも、自分を大切にしようなんて思えなくなっていたから。
誰とも話さないし、テレビもつけなくて。
会社と一人の空間の往復の日々。
初めて泣いた。
「帰って来たら?」
「いいの?」
「どこに嫌な理由があるの?」
「だって、私が一人になりたいって言い始めたんだよ?」
「良い経験をしたんじゃない?次の家賃、払えるの?帰って来なよ」
「給料日が来たら払えるけど、でも帰りたい」
親は、お見通しなんだと痛感した。
家族の元に一年で戻った。
あの経験、忘れないから。
友達が来たり楽しかった事も沢山あったけど。
これからは姿見を皆で使おう。
ネクタイ締める父親や出かける前の母親。
一回離れて分かった。
私は家族が大好きだ。
家事なんて関係なかった。
特別な温かさと自分への愛情、
両親への愛情が、きちんとあって。
前より気持ちも強くなったと思うから。
これからは、私が恩返しするからね。
一人暮らしは、もうしたくない。
「ただいま」


