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パン論争でドイツ人に負けた話

    「日本のパンはやたらと柔らかくてやたらと甘い」

    という感想を持っているドイツ人の友達。
    特に、日本人が「菓子パン」と呼ぶ甘い物体が
    「パンカテゴリー」に入っているのが
    何度考えても納得いかないという。

    パンへの先入観と執着がハンパではないドイツ人、
    甘いパンは「お菓子」に分類されるのだと主張する。
    だって、甘いのだからヽ(゜▽、゜)ノ


    日本で育った私は、いつも複数のドイツ人を相手に
    菓子パンはパンやアホー!と反論します。
    パン菓子じゃなくて菓子パンてついてるんやから、
    コンポジタの法則でも後ろのほうが強い。
    と、論理的思考が好きな民族には言語学的考察から攻めるのです。

    どこのパン屋にでも売ってるアンパンやメロンパンを見て
    「これは一体パンなんやろか?」なんて考えますか?

    ある日、ドイツの友人3人とお昼を食べていたときにピエールが突然

    「日本のパンは軟らかすぎてパンを食べた気がせぇへん」

    と(また)言い出しました。

    それから私に
    「メロンパンはパンだと思うか?」
    と質問。

    私は
    「思う」

    といったところから討論が勃発しました。
    ランチ中の外のテーブルで。
    ピエールを筆頭に3対1です。

    「あんな砂糖ばっかりやったらお菓子やろ」

    「メロンパンはちゃんと名前にもパンでついてるやろ
    パン以外にない」

    「パンが甘いっちゅー認識が間違ってんねん日本人は」

    「オーブンで焼いてそれなりに大きくて
    中身がふわふわしてるんやからパンやんか」

    「じゃあGarmknödelnもパンなんか?
    おやつとして食べるのに?」

    (これ↓)

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    「(び、微妙・・!でも!)あれも私の認識ではパンや。中身がふわふわや。お菓子みたいに固ない」

    「でもあれはおやつに食べるやろ。
    朝ごはんや晩ご飯に食べへんようなパンはパンじゃなくてお菓子や」

    「おたくらかてクロワッサン(お菓子カテゴリー)朝に食べるやん。
    そもそもスーパーのパンのコーナーに並んでるんやで、
    お菓子やったらお菓子コーナーにあらなおかしい」


    と私が言ったところで
    最後のトドメがこれ。


    ほんならトランプは必ずしも大統領にふさわしいか?
    ふさわしいものが必ずふさわしい場所にあるとは限らない

    Σ(=°ω°=;ノ)ノ


    爆笑してもうてピエールの頭脳(IQ142)の前にあっさり敗退。

    そして日本人代表の私は負けました・・・・。

    少し想像がつくでしょうか。ドイツ人の議論好き。そして屁理屈もユーモアを含む見事な論破。

    こんな内容が日々ごはんを食べながら繰り返されています。

    それにしても

    日本の(広い意味でアジアの)パン文化が違和感だとドイツ人たちにいわれ続けているうちになんかわたしも

    菓子パンはパンでないのだろうか
    そもそも菓子とパンが繋がってること自体おかしいのでは・・・

    などと日本にいては想像もできなかったような余計なことを考えてしまったりするのです。

    ヨーロッパとアジアの間の「パン」の定義のへだたりはとても大きいです。そしてそれは、長い歴史と環境の中で育った食文化から出てくる当然の違いです。もちろんそんなことは皆分かっています。それでもこうやって文化が違うことをいじりあって面白おかしく過ごすことも、言語が話せたり、色んな国の友達がいて楽しいなあと感じるのです。

    ヨーロッパの食への思考からの深い文化考察をしている最高の本。

    肉食の思想

    こんな素晴らしい研究者(鯖田豊之)が日本にいてさらに日本語で書いてもらえたなんて宝ですよ。

    今回の討論の引き金となった昼食時のパン。
    昼食的視点では存在感が薄いのに。

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    日独中3か国語話者。ドイツ住在。ドイツ語を教えています。言語は文化の中心。そして文化は日常生活そのもの。こちらでは文化と日常を書いています。https://gengo-kotatsu.com/

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