
小銭の話
何かを買えばお財布から出ていき、何も戻ってこなかったり、別の小銭が戻ってきたり、お財布の中で常に入れ替わるお金。
小銭には、造幣された年がデザインされていて、古いもので昭和、新しいと今年のものが流通しています。
それらの中には、自分の生まれた年に造幣された小銭が混ざっていることがあります。
当然、古いお金はどんどん少なくなるため、自身の年齢があがるほど、生まれ年のお金と出会う確率は低くなっていきます。
長い年月を経て、潰れや汚れが酷く廃棄されるものや、どこかの下に入り込みそのまま出てこないもの、誰かのお財布に残されて眠っているものもあるでしょう。
多くの人の手に渡り、あらゆる機械を通り、何十年と旅を続ける小銭。
私が過ごしてきた時間と同じように、この小銭も、どこかで数々の苦難を乗り越えて、今、私のもとに辿り着いたんだと思うと、愛着が湧き、お財布から取り出さずにはいられなくなります。
1円は1円、10円は10円の価値しかありませんが、私にとっては、とても貴重なものに感じるのです。