
ファンタジーとは
こんにちは、高星です。
みなさん、ファンタジーときいてどんなものを想像しますか?
・ロードオブザリング
・ハリーポッター
・異世界転生もの
・十二国記
私のファンタジーのイメージはこのどれでもなく
栗本薫の長編小説「グインサーガ」です。
作者死亡により、別の作家に引き継がれ今も続刊が出ていますが
私は読まなくなってしまいました。
きっと私は栗本薫氏のメチャクチャさが好きだったのでしょう。
他の読者がどんなに「ここでまでBL始めんな!」と言おうが、吟遊詩人が妻子を置いて
旅立ってしまおうが、なんと大変じゃんと思いながら納得していたのです。
(これ、すっごいブーイングで信じられないほどだった)
え? 吟遊詩人なんて芸人じゃん。元王子様でもそういう生活が(昔の日本で言えば白拍子みたいな存在)長かった奴にかしこまった宮廷でナントカ伯なんて呼ばれる人生は受け入れがたいよ………と同情。
グインサーガは(以下グインとします)30年以上前に初版が発売された100巻を超える小説。
キレノア大陸に突如として現れた、豹頭で筋骨隆々の戦士グインが主人公。
彼は個人的な記憶がなく、自分がどこから来た何者であるかも知りません。
ただ、どう戦えばいいかは熟知している妙テケレンな存在です。
そのグインが大国のパロの双子の王子・王女と出会い、彼らを守りながら核で砂漠化した土地ノスフェラス(巨大ミミズのような怪物、取り憑かれると栄養分を吸い取られてしまう謎の生物がいたりする)を渡り、蛮族の王と呼ばれ神の使いとして信頼され、ついには双子を本国へ送り届けます。
そこまでは1幕目。
のちに三国志状態にあるキレノア大陸の戦乱の渦中に巻き込まれるのでした。
ベベン!!
さきに話した吟遊詩人はグインの守って戦った双子の叔父に当たります。彼は兄のナリスと爺やの娘リギアと共に育ちますが、音楽以外にできることがほとんどない。眉目秀麗を絵に描いたような兄に大変なコンプレックスを持っており、成人する間際に宮殿を出てしまいます。
王族なのだから音楽ばかりやっていてはいけない、勉学をし、剣の稽古もおこたってはいけないよ、といくら兄に言われてもできません。言いつけを守れなくて、ついに兄のナリスに楽器を壊されてしまう場面もある。
この小説は登場人物が多く、グインが出てこない巻もすくなくないという
誰が主人公だったっけ? 状態も珍しくない群像劇。
初心者が手を出してはいけない書き方のいいサンプルかもしれませんね。
実は読み始めたのが16才当時だったもので、私はこれが普通だと思っていたんですよ!
(バカですねーー)
その後、主人公は大体1人で目的があり出てこない巻があるなんてのは非常に非常識だと知るw
指輪物語も主人公はフロドで、目的はやべえ指輪を火の山に捨てに行くこと! だもんね。
グインは出自を知りたいとは思うものの、手がかりがなさすぎて何をすればいいか見当がつかない。その上、戦えば強いからどんどん中央に引き摺り出されてしまう。
自分の目的のための行動ができなくなっていく主人公なんですよね。
これ、作者が魔導師を登場させて世界の秘密にグインが関わっているらしいぞと
言ってくれることで何とかしようとしているのが今は分かって興味深い。
通常の活動では目的を果たせないグイン……魔導師が呼びかけてくれないと何も分からん!
可哀想に。
もういいじゃん、どこの出身でも頭が豹でも、受け入れてくれる人たちがいるんだから、って
今の異世界転生ものではなるような気がする。
グインはラノベのハシリと言われているのを見た!
のですが、どうしたことでしょうか。異世界転生みたいな始まりでファンタジー➕SFだから?
うーん……ラノベをバカにする気はないんですよ。エンタメ小説全般をそう言いたいのかなあ?
一般の伝奇小説やSF小説もエンタメ小説だけど、内容はともかくラノベではとにかく言葉遣いを現代的にする、分かりやすくゲームの概念を取り入れるなどに重きを置いているような気がするのですがどうでしょう。ただ……
ファンタジー時代劇は言葉も時代ががっていて欲しい!
これが私の本音でございます。
王侯貴族や怪物蛮族が跋扈する世を描くのであれば、それなりの言葉遣いが入り用かと。
その場にいる人々の身分と育ち、それゆえのものの考え方、が滲み出る言葉遣いが。
姫君が公の場で「〜〜ですわ」と仰るのはいささかくだけ過ぎかと存じます。
斥候が将軍に報告を上げるのに立ったままとは! まったくもって慮外。
跪き礼をして、しかるが後に報告すべきでありましょう。
お爺さん将軍がこんな小言を言う、それがファンタジー時代劇の世界に相応しい。
と、私は思っているのです。