メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bygospelhouse

スーパーのSUPERおば様への感謝状

    スーパーにセルフレジが導入されるずっと前、
    いつも行く安売りスーパーの、シルバー店員さんのお話。

    その方がレジに立っていると、いつもその列に並んでいた。
    しっかりとエプロンを締めてテキパキ動く姿は、毎回好感が持てた。
    そのスゴ技に、いつも感謝、感激していた。

    他の店員とは違うレジさばき、食品の並べ方!これぞレジの鏡。
    彼女がいない時、他のレジ打ち係の教育を、彼女にしてほしいと思った。

    片言で話す外国籍らしい店員さん、若い男の子やおじ様だと、ダメダメ、がっかりなのだ。

    どんなところがスゴイのかというと…

    食品の並べ方だ。


    食べ盛りの息子二人を育て、フルタイム就労中だったので、土日にまとめ買い。食品はレジかご2つ分。

    そのおば様は、1000mlの牛乳パック、野菜ジュースなど重たい物は下に置かず、立てかけてくれる。冷凍食品、肉類なども取り出しやすいようにその横に並べてくれる。

    他の店員さんだと、重い物を一番下に横向きに入れ、その上にどんどん軽い商品を重ねていくから、レジを出て持ち帰りの保冷バッグ等に入れる際、下から重たい商品や冷凍食品を取り出すのが大変なのだ。
    菓子パン・卵など、つぶれそうな食品をレジかごの横に出して、引っ張り出すしかない。

    不愛想な片言の店員さんに、牛乳パックは縦置きにして、と言ったこともあるが、じろっとニラまれ嫌だった。



    あれから10数年が経ち、いつしかそのスーパーに行かなくなった。
    子供たちも独立し、買い物の量もグッと減った。

    その町に用事があり、数年前懐かしの安売りスーパーにまた立ち寄った。

    私のお気に入りのおば様がまだいらして、そのレジに並んだ。
    相変わらず商品の並べ方は私好み、保冷バッグに詰めやすい。

    何か声をかけたかったけれど、何も言えず、通り過ぎた…

    でも何か、伝えたかった。
    私が一方的に知っているだけだけど。

    少しウロウロして思いついた。

    カウンターに、お客様の声を書く紙があった。


    あのおば様(名札を見て記入)の商品の並べ方が、いつもありがたかったこと、まだいらして嬉しかったことを書いた。
    普通はポストに入れるのだけれど、思い切って直接手渡すことにした。


    またこのスーパーに来ることは、もうしばらくはない。
    レジがすくのを見計らい、そのおば様に声をかけた。

    食品の並べ方がありがたかったことを伝え、紙を手渡した。

    「そうなんです、持ち帰る際に取り出しやすいように心がけているんですよ。」

    他の人にも教えてほしかった、と伝えるとにっこり笑っていた。


    おそらく70代後半になっていらしたと思う。
    細身の体にエプロンの紐を前でキリッと締めた姿が、カッコよかった。




    時代が変わり、セルフレジの普及により、もう人手がいらなくなった。
    あのレジのおば様は、今どうしていられるだろうか?

    あの時、勇気を出して感謝状を渡せてよかった。


    老後の誇りになっていてくれてたら、いいな。




    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    10代後半からの人と人との縁にまつわる偶然・シンクロニシティを誰かに読んで頂きたくて、noteを開始。人の話を傾聴する相談職を数十年。少し遠回りの後、社会福祉士として相談業務に復帰。弾き語り・音楽イベントプロデュース・創作活動等で、多くの笑顔に触れられるよう残りの人生を思案中

    あなたへのおすすめ