
アラフィフ女子㉔投資詐欺被害1億円超:詐欺は金銭だけの犯罪ではない。「人生の基盤を破壊し尽くす犯罪」だ。
詐欺は、人生を破壊する犯罪だ。
お金をだけを盗む犯罪ではない。
言葉では、到底足りない。
詐欺は、他人の人生を内外から壊す。
積み上げた時間を消し、
未来を潰し、
人間への信頼を壊し、
自分自身への確信を崩す。
被害額の数字だけを見れば、単なる経済的損失に見えるかもしれない。
だが実際に失われるのは、通帳の残高だけではない。
何十年も働いて、節約して、悩みながら築いてきた
「人生の設計そのもの」を失う。
子どもの教育。
老後の安心。
家族を守れるという感覚。
「ここまで頑張ってきた」という人生の土台。
それらが、一気に奪われる。
しかも、暴力のような見える傷跡がない。
殴られたわけではない。
刺されたわけでもない。
だから周囲は言う。
「なぜ信じたの?」
「怪しいと思わなかったの?」
「自己責任では?」
だが、被害者に起きている事は、そんな単純な話ではない。
詐欺は、「信頼を利用」する。
人間が本来持っている「相手を信じる」という力を、逆手に取り利用する。
被害者は、「儲け話に不用意に飛びついた」のではない。
そこに至るまでに、「相手をすでに信頼」していた。
いや、「自然に信頼するように詐欺師に導かれていた」。
その違いは、周囲が見るより遥かに大きい。
だから被害後、被害者は金を失うだけでなく、
「人を信じる力そのものを失う」。
何を見ても疑う。
誰の言葉も信じられない。
そして、自分自身の判断すら信じられなくなる。
それが、どれほど人生を壊すのか。
他人には理解されない。
被害者は、今日も普通に生きているように見えるかもしれない。
笑っているかもしれない。
穏やかに見えるかもしれない。
だが、その内側では、「本来あったはずの人生」が壊れたままだ。
私も、その一人だ。だから私は書き残す。
綺麗な回顧録としてではない。
「前向きになれた」という美談でもない。
何億奪っても、刑期は長くても十年。
なのに、被害者はそれ以上の大きさで人生を失う。
そこには、依然、大きな非対称が残る。
人生を壊された人間が、どれだけ苦しみながら家族や自分を守ろうとしているのか。
わたしはその現実を、書き残す。
詐欺は、人が長い年月をかけて築いた人生を、一瞬で破壊する。
被害の傷は、決して消えない。
そして二度と、前と同じ人間には戻れない。
それでも、なんとか深い傷を抱えたまま、
立ち続けることはできるかもしれない。
けれども社会はいまだに、その傷の本当の大きさや本当の深さを
把握し理解することが、十分に出来てはいない。