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アラフィフ女子㉓投資詐欺被害1億円超:誘導された信頼感ーー「儲かる話を信じた」のではなく「信頼していた相手に判断を預けてしまった」のだーー

    #創作大賞2026   #エッセイ部門

    人は言葉ではなく、「信頼」で騙される。
    わたしは、『絶対、儲かる』を信じたわけではない。


    SNSでの投資詐欺について、
    警察はよく
    「 “絶対儲かる” “元本保証” といった甘い言葉を信じるな 」
    と広報している。

    もちろん、それ自体は間違っていない。


    でも、実際に被害に遭った側からすると、実は、違和感がある。


    人は、言葉だけで大金を動かしたりしない。

    その前にもっと時間をかけて作られるものがある。

    それは、信頼だ。

    毎日のやり取り。
    親切さ。
    知識があるように見える会話。
    不安に寄り添う態度。
    時には、こちらの人生や悩みを理解してくれているような感覚。

    そういう積み重ねの中で、人は少しずつ警戒を解いていく。

    最初から「絶対儲かります」
    と言われても、普通は怪しいと思う。

    でも、
    「この人なら自分を騙さない」
    という気持ちが出来上がった後では、同じ言葉の意味が変わってしまう。

    私は、この構造の本質は、
    単なる“甘い言葉”ではなく、「信頼感の誘導」にあると思っている。

    詐欺は、ただ情報を与えるだけではない。

    相手に
    「この人は安全だ」
    「この人は誠実だ」
    「この人は自分の味方だ」
    そう感じさせる方向へ、少しずつ心理を動かしていく。

    しかも、その過程は驚くほど自然だ。

    雑談。
    共感。
    励まし。
    成功談。
    コミュニティの空気。
    小さな安心感の積み重ね。

    そうやって人は、
    「警戒する相手」ではなく、
    「信頼する相手」として相手を見るようになる。


    そして最後に、
    「儲かる」
    「元本保証」
    「大丈夫ですよ」
    という言葉が入ってくる。


    だから被害者は、甘い言葉に飛びついたというよりも、
    「信頼してしまった」のだと思う。


    私は今でも、あの時の自分を、馬鹿だったとは思えない。


    被害者は、
    「強欲だったから騙された」
    「知識が足りなかったから、騙された」
    のではなく、
    人間として自然な「信頼する力」を、
    「悪意を持って」利用されたのだ。


    これが、この特殊詐欺という犯罪の、本質的な恐ろしさだ
    と私は思う。


    tentoumushi|note



     
     
    特殊詐欺(SNS型投資詐欺)被害者。 「長期段階型詐欺(感情コントロール詐欺)」と名付け、一次情報としての記録を試みるブログです。 アラフィフ女子専門職。大学高校の子ども3人と暮らす。 経済的・精神的大打撃を受け立ち直りは15-20年かかりそう。これからの奮闘を記録しようと思う。

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