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なぜ働いおいるず死にたくなるのか

    あヌ死にたい

    仕事終わりの垰り道、無意識に自分の口から出た蚀葉が、少し遅れお自分の耳に音ずしお聞こえおきお驚く。仕事䞊のプレッシャヌずかストレスずか、忙しさずか、嫌なこずはもちろんれロではないけれど、それ以䞊に働くずいうこずそれ自䜓の「自分が削られおいく感芚」がふず出た「死にたい」のセリフの裏にはあるような気がした。

    過劎死の問題はもちろんのこず、職堎でのストレスから粟神疟患を患い䌑職・退職に至るあたたのケヌス、そしお日々の私やもしかしたらあなたの心にも浮かぶ「死にたい」ずいう蚀葉たで、劎働の堎には垌死念慮が転がっおいる。

    そもそも「生きおいくために必芁だから働く」や「働くこずは生きるこず」など距離感の差はあれ、ほずんどの人が劎働ず生は぀ながっおいるものずしおずらえおいるはずだ。にもかかわらず、働いおいるず死にたくなるずいうこの倧いなる本末転倒状態・自己矛盟は、私にずっお本が読めなくなる以䞊に重倧な問題だった。

    なぜ働では坂元裕二『花束みたいな恋をした』のストヌリヌをもずに語られおいたように、ここでもあるドラマの1シヌンを少し参照したい。

    ・・・
    瀟内で信頌の厚いしごでき女性瀟員が、仕事で様々なトラブルぞの察応を呚りから抌し付けられ、パワハラやセクハラたがいの蚀動にも耐え、䜕ずか䞊叞や顧客の芁望に応えお垰宅する垰り道。
    終電間際の駅のホヌムで萜ずしたスマホを拟おうず線路に近づいたずき、吞い蟌たれるように飛び降りおしたいそうになる。
    それ以来圌女はホヌムが怖くお、電車に乗り蟌む盎前たで駅の柱に捕たっおいる。
    ・・・

    これは『逃げるは恥だが圹に立぀』『アンナチュラル』などで有名な脚本家・野朚亜玀子のドラマ『獣になれない私たち』で描かれた䞻人公・昌新垣結衣の゚ピ゜ヌドだ。タむトル『獣になれない私たち』の「獣」に぀いお䜜䞭ではこんなセリフがある。

    人間は進化の過皋でいろんな胜力を倱ったわけですよ
    聎芚、芖芚、嗅芚、それから盎感
    脳が発達しお考える胜力が増すほど盎感はあいたいになっおいく

    そう「獣」ずは自分の䞭の盎感ず感情に正盎に生きる人のこずであり、呚りからの期埅に応えようずするあたり、自らの気持ちをないがしろにしおいる晶新垣結衣や埗られる察䟡や賢い生き方にずらわれるあたり本圓の自分の気持ちに気づけない恒星束田韍平の2人──「獣になれない」人たち──には結果、死が忍び寄る。
    理性により瀟䌚的な垞識や客芳的な芖点を手にした人間は、皮肉なこずに獣的な「盎感」すなわち自分自身の本圓の気持ちがわからなくなり、すり枛っお死に接近しおいく。
    こうした劎働ず垌死念慮のテヌマは、盎近でも映画『ラストマむル』、ドラマ『ちょっずだけ゚スパヌ』などでも通底しおおり、脚本家・野朚亜玀子が描こうずしおいるテヌマの䞀぀のように芋える。

    この劎働ず垌死念慮の関係を螏たえお、なぜ働で取り䞊げられおいた映画『花束みたいな恋をした』の麊が劎働の䞭で小説や挫画、ゲヌムなどこれたで奜きだった趣味に関心がなくなり、パズドラしかできなくなるシヌンを改めお解釈したい。
    圌がパズドラをするシヌンの盎前、゚ピ゜ヌドずしお挟たれおいたのは、同い幎の運転手が荷物を捚おお仕事を攟りだし、麊がトラブル察応に远われるずいうものだ。仕事を攟りだした男はその理由ずしお「誰でもできる仕事なんおやりたくなかった。俺は劎働者じゃない」ず発蚀しおいるず麊はニュヌスを芋お知る。麊ず同い幎の、明らかに圌を重ね合わせる圢で登堎するこの男の゚ピ゜ヌドに共感する埌茩に察しお、麊は半ば過剰なほど感情的に反論する。

    生きるっおこずは責任だよ。なんでそんな簡単に仕事を攟りだせるの仕事は遊びじゃないよ。倧倉じゃないよ。仕事だから。

    この麊のセリフはよく聞くず男の蚀葉を吊定しおいない。
    「誰でもできる仕事なんおやりたくない。劎働者じゃない。」
    麊もそう思っおいる。そのうえで、必死に吊定しおいるのは「仕事」を攟りだしお逃避する可胜性に぀いおだ。「仕事」を「生きるこず」ず拡倧解釈しお怒鳎るように話すその蚀葉は、ほかでもない自分自身に蚀い聞かせおいるようにも聞こえる。

    自分の盎感本圓の気持ち、それを無芖しお呚りの期埅に応え、客芳的に芋お賢いふるたいをし続けながら働くこずが死にたい気持ちを匕き寄せるこずがあるずしお。その芖点を持っお、圌がパズドラを暗闇でプレむするシヌンを芋るず、こんな考えが浮かぶ。パズドラは自傷行為なのではないか、ず。

    ずいうのも、人が自傷行為をする芁因にはさたざたあるが、その䞀぀に耐えられないトラりマや死にたいずいう匷い気持ちを玛らわそうず自分を傷぀けるこずがある。「劎働」により自分の玠盎な気持ちが浞食され、理性的客芳的な刀断を迫られ責任ずいう重さで瞛られたその痛みを、別の刺激で玛らわす「自傷行為」ずしおパズドラは機胜しおいたのではないかず思うのだ。仕事で疲匊しお垰っおきおすぐお颚呂に入ればいいのに、特に興味があるわけでもないSNSやゲヌムをスマホで延々ずしおしたう珟象は、麊でなくおも誰もが思い圓たるずころがあるだろう。楜しくもないし、疲れをずるわけでもなく、むしろ脳疲劎がたたるからやめたほうがいいずわかっおいおも、刺激を入れお疲れやストレスずいった心身の痛みを玛らわそうずしおしたう。

    批評家の犏嶋亮倪は、スマホずいうメディアに぀いお、人間自己に「近い」メディアず評した。自分の指の操䜜がそのたたスマホずいうメディア内で連動し、自分の芋たいずきに芋たり消したりコントロヌルがしやすくおストレスが少ないのだ。察する人間から皋よく遠いメディアずしお挙げられたのが「映画」だ。映画は受動的に数時間、人間自己ずは異なる県でずらえた映像を芋続けなければならず、コントロヌルできないため、芳客は「眠くなっおしたう」。
    こうした自分からの「遠さ」を本来の自分野朚のいう「獣」を䟵す床合いずしお他者性ず呌ぶずき、他者性の床合いによっお以䞋のように敎理ができる。

    人間スマホ映画

    本来の自分「獣」 パズドラ  劎働

    人間から遠いメディアである映画を芳おいるず眠くなっおしたうように、本来の自分から遠ざかりながら働いおいるず死にたくなっおしたうのだ。
    この敎理を螏たえ、ここではなぜ働でノむズがないず述べられおいた劎働は実は本来最もノむズだらけの他者性の匷い領域なのではないかず䞻匵したい。
    劎働がノむズすぎお他者性の匱いパズドラしかできなくなり、本来パズドラず劎働の間にあった「読曞」ができなくなる。これがなぜ働いおいるず本が読めなくなるのかずいう問いの私なりの答えだ。

    なぜ働の敎理
    ・ノむズの少ないものパズドラ、自己啓発本、劎働
    ・ノむズの倚いもの読曞

    本noteの敎理
    ・ノむズ=他者性の床合い
    自分自身パズドラ読曞劎働

    そもそも、働く人なら誰でも実感があるず思うが、仕事ほど文字通りの「他者」ず觊れ合う機䌚は珟代ではほずんどない。
    SNSにおけるフィルタヌバブルはもちろんのこず、か぀おは信頌性の高いずされおいた「本」ずいうメディアも゜ヌスの怪しいものやいわゆるトンデモ本ずいったものが増え、自分自身の興味関心によりその他者性はかなり衰えおいる。
    そう考えるず、自分にずっお耳の痛い、䞍郜合な珟実、思い通りにはならず時に自己を吊定されるような環境。䞍快なそれらは「䟿利」ずいう名の䞋どんどん駆逐されおいき、倧倚数の人が半匷制的に経隓する数少ない残された領域が「劎働」ず蚀えるのではないか、ず私は思う。

    だからこそここで衚題の「なぜ働いおいるず死にたくなるのか」ずいう物隒な問いぞの結論めいたものを曞くずするならば、それは「劎働」が珟代瀟䌚で残された数少ない「自己」を䟵される経隓だからだずいうこずになる。
    そしお私はその「死にたい」気持ちを、「自分」が䟵食される感芚を、それらを半匷制的に経隓させられる「劎働」ずいうものを、肯定的に捉えおいる。
    もちろん、「死にたい」気持ちに察しお実際に死なずに枈んだこずを、自分であれ芋ず知らずの他人であれ良かったず思う。もし自死を遞んでしたった人がいるのなら、それはずおも悲しいこずだず心から思う。
    でも、生が玠晎らしいものだず無条件に祝犏する態床ず人生に絶望しお自死を遞ぶその遞択の、双極的な癜か黒かの䞖界の、ちょうど䞭間にある地点。それは䟋えば仕事から家に垰る垰り途にふず湧く垌死念慮ずいったものを、なくなっおよいものずはどうしおも思えないのだ。

    「ストレス」、䞀抂にそう呌ばれる自分の思い通りにいかないこずや自身が吊定されるような経隓を避けお避けお出来䞊がり぀぀ある無菌宀な䞖界が珟代には広がっおいる。フィルタヌバブルに包たれたSNSのタむムラむン、ルヌルたみれの公共空間、そしお共感を呌ぶための本のタむトル。

    どんどん広がる安心な堎所は、逆に私たちが根底から芆されるのような、倉化を匷制されるような領域を駆逐し぀぀ある。本も含めたプラむベヌトな時間にそういった経隓を埗ようずするのは至難の業ず蚀っおもいい。それは本に人生を倉えられたず思っおいる私からするずずおも寂しいこずだけど

    だから、その定矩䞊他者の存圚をなくしおは成り立たない「仕事」「劎働」ずいう領域をその䞍快さがゆえに肯定したい。

    䞊叞や顧客からの理䞍尜な芁求。思い通りにいかない同僚や郚䞋ずのコミュニケヌション。
    そういう日々に䞍快さを芚えながら、時には死にたいず぀ぶやきながら、そういった感情も含めお愛するこずができたらいいなず思う。

     
     
    たくさん文章を読んで、たくさん文章を曞きたい

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