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【第1章】 第3話          チャリ爆走と、バイト先のケーキ屋 

    高3の夏、ガラッと進路を変えて飛び込んだ製菓専門学校の世界。
    そこは、自分から見るとハイレベルな場所だった。
    どこを見てもセンスのある人たちばかり。
    大雑把で、過去には「極厚クッキー」や「フォーク1本で持ちあがる生地」を生み出していた私がプロの技術を身につけるには、それなりの努力が
    必要だった。

    一方でお金を貯めるためにも頑張っていた。
    私の1日は、とにかく時間との戦いだった。 


    専門学校からバイト先へ、チャリ爆走の毎日


    私の1日は、とにかく時間と体力との勝負だった。

    実は、私が通っていた製菓専門学校は隣県にあった。
    そのため、早朝の電車に揺られて通学する日々。
    朝から夕方まで学校で授業を受け、知識と技術を身につけていく。
    しかし、学校が終わっても私の忙しい時間は終わらない。

    当時の私には「お金を貯めたい」という強い願望があった。
    (目的は、特にない。笑)
    だから少しでも長く働きたくて、学校終わると猛ダッシュ!!
    地元に戻る電車に乗り、駅からバイト先のケーキ屋さんまで20分ほど、
    チャリを全力で爆走させる。

    18時から21時すぎまで、今度はバイトとして働く。
    バイトが終わって家に着く頃には、ヘトヘト…。
    朝から夕方まで隣県で学校、夜は地元でバイト。
    そんなハードな毎日を、ノンストップで繰り返していた。

    体力的に限界のはずなのに、
    この時の私には「お金」と「成長」が原動力になっていた。


    ケーキ屋で働きたい!その志望動機は…


    そもそも、私がバイト先にケーキ屋さん(販売)を選んだ理由は、
    決して「学校以外でもお菓子の勉強がしたいから!」なんていう、
    熱心なものではなかった。

    ただただ、ケーキを眺めるのが好きだった。
    あのキラキラした空間が、とても好きだった。
    いい匂いがするのも。

    ケーキ屋さんで働けば、
    あの大好きなケーキたちや焼き菓子たちが眺め放題では!?

    そんな邪念いっぱいの、いたって不純な理由。
    どうせお金を稼ぐなら、自分の好きなところにいたい!
    ただそれだけの気持ちだった。

     夢中で駆け抜けた「お菓子漬け」の青春


    隣県への電車通学と、地元でのチャリ爆走バイト。
    そんな目が回るような毎日を、2年続けた。

    最初は覚えることに必死だったけど、慣れてくると嬉しいことに、
    手が空いたちょっとした時間や、在庫チェックの時間は、
    私の希望通り「大好きなケーキが眺め放題」の至福のひととき。
    キラキラした空間に身を置くだけで、幸せいっぱいに。

    最初は「学びのため」なんて真面目な気持ちは一切なく、
    ただ「お金を稼ぐなら好きな所がいい」というだけの理由で選んだバイト。

    でも、そこで得た知識や経験や見てきたものは後に、
    自分でブランドを立ち上げた時の私を、
    ものすごく助けてくれることになる。

    狙って入ったわけじゃない。けど今振り返れば、
    あの2年間は私にとって、「必要な経験」だったのだ。

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    どこにでもいる主婦。10回の転職、夫婦で無職、子供の病……色々あった日々の中で、いつも私を救ってくれたのは「お菓子」でした。一念発起し、お菓子屋を開業するまでの「なんやかんや」な記録。理想と現実の間で揺れながら、自分の道を歩む一人の職人の等身大ドキュメンタリー。

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