
なみ町新聞13「めい探偵と、マフラーの謎」
「林谷さんっ林谷百音さん!」
5時間目が終わり、靴箱に向かっている途中で、後ろから話しかけられた。
「…田中くん、どうしたの?」
彼は、田中警護くん。なみ町小学校1年2組。同じクラスの男の子だ。
「すみません、急に呼び止めて。どうしても、林谷さんの力を借りたいのです」
警護という名の通り、警察一家の長男だ。同い年だけでなく、幼稚園生にまで敬語で話しているという噂があるけれど、本当かどうかはわからない。
「私の力?」
「そうです。あの…ぼくのマフラーを見ていただけないでしょうか?」
「マフラー?…ああ、そのマフラー、素敵よね」
「はいっそうなんです、おじいちゃんが僕ぐらいの頃から大切に使ってきたマフラーをもらったんですよ」
田中くんが、顔を上に向けて、本当に鼻が高く見えるような動きをした。
「ただ…何だかおかしくて…変なことが起きたんです。林谷さんなら、何かわかるかもしれないと思いまして…」
「おかしい?」
私は、首を傾げた。マフラーがおかしいとは、どういうことなのだろうか。
「詳しく、聞かせて」