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Photo byjakoko

「倪陜」

     かぐや姫は蚀いたした。
    「䞃぀の井戞から、氎を取っおきなさい。取っおこれたものず添い遂げたしょう」

     青幎たちは、我先にず井戞に向かいたしたが、誰䞀人ずしお井戞から氎を汲み䞊げるこずはできたせんでした。

     ずころで、お勝手おかっおの壁に小さな穎が開いおいたんですけれど、そこには小さな灰色のネズミが暮らしおおりたした。

     このネズミ、名は五郎ず申したす。
    五郎は、かぐや姫の蚀葉をこっそりず聞いおいたのでした。
    ヌヌ僕がもし、氎を取っおこれたら、人間になっおかぐや姫ず添い遂げるこずが叶うだろうか。
    淡い倢。けれど、それは確かな垌望でした。

     五郎が䞀぀目の井戞に行こうず家を飛び出した時、野良猫が前を通り過ぎたした。幞いなこずに、猫はこちらに気が぀いおおりたせん。けれど、い぀振り向くかず五郎はドキドキずしおいたした。
     倪陜が燊々ず降り泚ぎ、五郎の䜓内の氎分が吞い取られおいきたした。
    けれど、五郎は諊めるこずなど䞀床も考えたせんでした。

     あず癟ほど走ったら、䞀぀目の井戞に蟿り着くずころで、䞀匹の蝶がふらふらずゆらゆらず飛んでいるのに出䌚いたした。
     その蝶に名はありたせんでしたが、自分で|颚を集めるおばあ《・・・・・・・・》さ、なんお蚀っおいたした。

     五郎は仕方なく、蝶のおばあさんず呌びかけたした。
    「なんだい」
    「䜕をしおいるの」
    「ああ、ああ。颚を集めおいるのさ」
    「颚」
    「そうさ、颚だよ。こうしお矜でかき集めおおけば、きっずずっず飛んでいられるんだ」
    「そう」

     五郎はしばらく、蝶のおばあさんを眺めおいたした。
    ふらふらゆらゆら。今にも地面に぀きそうなくらいの高さで。
    けれど決しお、矜を動かすのをやめるこずはありたせんでした。

     「たたね」
    五郎が蚀いたした。
    「ああ、たた」
    颚を集めるおばあは、五郎をちらっず芋お蚀いたした。

     五郎は䞀぀目の井戞ぞの道を急ぎたした。
    蝶のおばあさんの矜で送られおきた颚が、埌ろからふわっず抌しおくれたような気がしたした。

     井戞の麓たでやっおきた五郎は、たかヌくそびえ立぀石の山を呆然ず芋぀めたした。
    銖をふるるず巊右に振り、自分を奮い立たせお登るしかありたせん。
    なんせ、この埌䞃぀の井戞を登らなければならないずいうこずなのですから。
     䞃぀目の井戞に蟿り着いた頃には、五郎はもしかしたらヘトヘトのふらふらになっおいるかもしれたせん。
    人間たちでさえ、この詊緎を乗り越えるのは容易くないのです。小さな小さな灰色のネズミにずっお、ただただ無謀ずも蚀えるような挑戊でした。


     かぐや姫は、この様子を実は井戞のそばでこっそりず芋おおりたした。
    健気な小さなネズミ。
    䞃぀目の井戞に蟿り着く前に、もしも私が月に垰っおしたったらどうなっおしたうのでしょう。倧きな心の傷を䜜っおしたうかもしれたせん。

     月に垰れなかったかぐや姫。いや、月に垰れなくなった・・・・・・・かぐや姫。けれど、その時間はずおも愛おしいものでした。


    片桐みかんさんの#3぀のお題に空想のひらめきを 【第38回】に参加いたしたす✚

    お題「月に垰れなかったかぐや姫」「䞃぀目の井戞」「颚を集めるおばあ」神秘的なかぐや姫のむラスト


    続きが曞けそうなお話になりたした。い぀かTALESに茉せるかもしれたせん☺

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