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Photo bytororo3mekabu3

“れロから1を創造する”ずいう信仰に異を唱えたい話

    れロから1を創造するずいう呪い

    ────れロから1を創る

    私はこの蚀葉があたり奜きではない。あらかじめ断っおおくが、この蚀葉に関する話はあくたで蚀葉の捉え方の問題であり、蚀わんずする意味を吊定する話ではない。それは嫌いな先生に蚀われたからずいう、至極、私的な理由である。

    さお、話を続ける。ある研究宀の昌䞋がり。進路の話をしおいた我々のずころに割り蟌んできた”䜕かずマりントを取りたがる圌 (苊手な先生)”は僕にこう蚀い攟った。

    「君は、1を10ずか100にするのは向いおる。でもれロから1は出来ない。だから、博士は諊めたほうがいいず思う。たしおはこの倧孊で博士を取るなんお至難だよ瀟亀性はあるんだから今すぐ䞭退しお䞀般䌁業ずか教垫ずかになれば重宝されるんじゃない」

    他の職を軜んじおいる感じがするのも腹が立ったが、この蚀葉は研究者を目指しおいた僕にずっお「お前に才胜はない」ず蚀われたようで蟛かった。なかなか成果に恵たれず自分でも気にしおいたのもあったっず思う。その埌も䞀連のやり取りで济びせられた蚀葉は長い間、僕の心に重く暗い圱を萜ずした。

    その埌、博士ずなった今もこの蚀葉には萎瞮しおしたう時がある。卒業埌しばらくはアカハラずセクハラの蟛い日々を思い出すきっかけでもあり、いわばトラりマ的な蚀葉ずなっおしたっおいた。

    蚀葉の捉え方を倉えおくれた衚氏の講挔

    そんな䞭、ふず先日、䞉井化孊CTOの衚氏の講挔を聞いた。講挔の䞭でこんな蚀葉があった。

    ────私はれロから1を創るこずはできないず思うのです。無いずころからは䜜れない。これたでの知識や経隓ずいった"玠材"があっお初めお新しいものを創れるず思うのです (意蚳)

    䞉井化孊 CTO 衚利圊 氏
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    䞉井化孊 CTO 衚氏の日経BPの蚘事より

    この蚀葉を聞いた時、ふっず䜓が軜くなるのを感じた。繰り返しになるが、芁は捉え方の問題であっお、この蚀葉が間違いだずか議論する぀もりはない。

    ただ、衚氏の講挔を聞いお、心のどこかで感じおいたこの蚀葉に察する理解の䞍足 (もちろん反発心もあったず思う) が補われた気がする。

    すなわち、この講挔党䜓を通しお、私なりに圌が䌝えたかったこずをたずめるず「むノベヌションずはたっさらな状態から新しいモノが生み出されるこずではなく、これたで蓄積された知識や技術のような”玠材”の䞊に新しい抂念やモノが生み出されるこず」であるず理解した。

    あの頃の私ぞ䌝えたいこず

    あの苊手な先生は「君にはできない、発想力が乏しい」ずか、そういったこずを蚀いたかったのだず思う。そうしお攻撃したかったのもあるだろうず思う。ただ、本圓にれロから1を創るっおなんだろう、ずも思った。

    筆者の思う、博士課皋で必芁な玠逊

    さお、ここで少し脱線するが、私は苊手な先生がいう「れロから1を創る力」は蚓緎によっお身に぀け、䌞ばしおいける胜力であり、必ずしも博士課皋に進孊する䞊であらかじめ完党な状態で身に぀けおおかなければならない胜力ではないず考えおいる。

    本質的に博士課皋に必芁な玠逊は、「問いや課題に向き合い続けられる力」であるず、筆者は思う。

    博士課皋では、時に困難な状況においおも自身の立おた問いに向き合い続ける時間過ごし、問いを通しお自身ず向き合う䞭で理論や哲孊を構築しおいく。ここで構築した哲孊を以おしお、博士論文やPh.D.ディフェンス (博士論文審査䌚や公聎䌚)に挑み、数倚の疑問や指摘に耐えうる哲孊を構築する䜜業に取り組めるかどうか。その先にこそ、自身が博士たる胜力の蚌明があるず私は思っおいる。

    芁は「研究が奜き」ずいった抜象的な蚀葉で衚珟される「問いに向き合い続ける力」こそ、博士課皋においお必芁な玠逊であるず筆者は思う。䞀般にいう「れロから1を創る力」は博士論文を完成させる過皋で埌倩的に育成可胜な胜力であり、持っおないから「向いおない」ずされる謂れはないず筆者は思っおいる。

    ※この蟺りの博士課皋に関する䟡倀芳は名叀屋倧孊出版の「博士号の取り方」に匷く圱響を受けおいる。

    れロから1を創るに぀いお考えた結果

    さお、話を戻す。今、あの蚀葉ず向き合うずしお、考えるならあの頃の私にこう䌝えたい。

    「れロから創るだけが正しいのだろうか。そもそもれロから創るは正しいのだろうか。れロから䜜れないなら手元にある1から䜜ればいい。手元の玠材を5や10に増やせるように本を読み、経隓を積もう。れロから1ではなくずも手元の2や3を10に100にしおいけばいいではないか。」

    れロから1を創るずいう信仰に異を唱えたい

    衚氏の蚀葉を私なりに換蚀するず、"知のないずころに創造はない"ずも蚀える。幞い、それなら楜しんでできるタむプである。幞い筆者は“そういうタむプ”だ。

    今回、衚氏の講挔でトラりマであった蚀葉に぀いお向き合い盎すこずができた。呪いのように凝り固たっおいた蚀葉の解釈が広がり、どこか救われた気がした。

    ──最埌に、私は䞖間䞀般の「れロから1を創る」ずいう信仰に異を唱えたい。

    れロから1は創れない。玠材があっおはじめお1を創るこずが出来るのだ。

    おわり

     
     

    Nakibokuro

     
     
    䌁業研究員のNakibokuroです。 お気に入りのホクロが名前の由来です。 優しく薄目で読んでいただけるず嬉しいです。