
きずき
満員のスタジアムが、低く唸っている。
私たちは円陣を組み、息を合わせる。
背後では、メンバー外の選手たちが喉を潰して叫んでいた。
その声はかすれ、血の味すら滲んでいるように聞こえる。
「あいつのドリブルは止めらんねえ」
背番号は10番でチームの要。
愛される存在に。
エースとして引っ張ってきた。
ー「起きて!遅刻するよ!」
視界が白く弾けた。
さっきまでの歓声が、嘘みたいに消えている。
夢
想像の世界だったのか。
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朝起きて、学校へ行って、勉強をして、授業後に部活をする。
部活後。
誰もいない校舎で、自販機だけが白く光っている。
「じゃんけんポイっ」
負けたやつが買う、いつものやつだ。
コインを入れる。
――あの円陣に、俺はいない。
指が、止まる。
「プシュ」
炭酸の音が、やけに大きく響いた。
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