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人を理解すると、働くのが楽になる

    働くのがしんどいときって、
    仕事そのものより、「人」に疲れていることが多い気がする。

    言っていることの意図がわからない。
    なんでそんな言い方をするんだろう。
    どう動けばいいのか読めない。

    そういう小さなズレが積み重なると、
    仕事そのものまで重たく感じてしまう。

    でも、あるとき気づいた。

    人って、ちゃんと傾向があるのかもしれない、って。


    私は以前、リモートで50人のメンバーを持つ立場になったことがある。

    それは、前の職場で「いい経験だったな」と思えることのひとつだ。

    顔を合わせない環境で、一人ひとりと向き合う。
    正直、大変だった。

    でもその経験は、今でも記憶に残っている。
    初めて1on1をしたこと。
    人それぞれの考え方の違いに触れたこと。
    そして、その違いを知ること自体が、すごく面白かったこと。

    会社で働いてきた中でも、
    あの時間はかなり印象に残っている。

    なぜなら、あのとき初めて、
    「誰かにやりがいを与えられる仕事」があるんだと思えたからだ。


    そのとき、私が重視していたことがある。

    ひとつは、その人の強みを最大限活かせる役割を考えること。
    もうひとつは、その人に合ったKPIを設定して、一緒に追いかけること。

    もちろん、苦手を克服することも大事だと思う。
    でも、それ以上に、強みを使って成果につなげる方が、
    人の可能性は広がる気がしていた。

    自分が得意なことを活かしながら成果を出せると、
    その人の中に少しずつ自信が積み上がっていく。

    そして、その状態が続くと、
    「言われたからやる」ではなく、
    「自分で進める」が増えていく。

    私は、そこをすごく大事にしていた。

    KPIも、ただ管理のために置くものじゃなくて、
    その人が自分で走れるようになるための目印にしたかった。

    最初は一緒に追いかける。
    でも最終的には、一人でも自走できるようになってほしい。

    そうやって、少しずつ習慣にしていくことを意識していた。


    そのときに役立ったのが、
    人のタイプを理解する視点だった。

    MBTIのように、人の考え方や行動の傾向には違いがある。
    私が当時参考にしていたのは、ソーシャルスタイルという考え方に近いものだった。

    人のタイプは、大きく分けると4つあると言われている。

    ドライバー。
    アナリティカル。
    エミアブル。
    エクスプレッシブ。

    もちろん、人はそんなに単純じゃない。
    きれいに4つに分かれるわけでもない。

    でも、「この人はどの傾向が強いんだろう」と考えるだけで、
    見え方がかなり変わる。

    結論から話した方が動きやすい人もいる。
    背景や理由を丁寧に説明した方が安心する人もいる。
    まず関係性を作った方が力を出せる人もいれば、
    未来の可能性を見せた方が前向きになる人もいる。

    同じ言葉でも、届き方がまるで違う。

    そのことを知ったことで、
    メンバーへの声のかけ方も変わった。


    それまでは、うまく伝わらないと、
    「自分の伝え方が悪いのかもしれない」
    「自分のやり方が間違っているのかもしれない」
    と思うことが多かった。

    でも、タイプという視点を持ったことで、
    そうじゃない可能性にも気づけるようになった。

    この人には、この順番で話した方が伝わる。
    この人には、いきなり結論より、少し安心感が必要。
    この人には、細かく管理されるより、自分で考えられる余白が必要。

    正解はひとつじゃない。

    ただ、相手に合っていないだけ。

    そう思えるようになった。


    そしてそれは、
    相手を見るためだけのものじゃなかった。

    そのタイプを知ったことで、
    自分の考え方も変わった。

    自分の価値観や感じ方って、
    あまりにも小さい一つのかけらでしかないんだなと思えた。

    自分が当たり前だと思っていることは、
    誰かにとってはそうじゃない。
    人によって、価値観も、悩みやすいポイントも、
    やる気が出る言葉も、全部違う。

    そう思えるようになると、
    「なんでわかってくれないんだろう」が減っていく。

    その代わりに、
    「この人には、何が届くんだろう」に変わっていく。

    その変化は、かなり大きかった。


    一番良かったのは、
    上司に悩んでいた私にとって、
    理解できない存在だった人のことを、
    少しだけ理解できるようになったことだった。

    もちろん、全部わかるわけじゃない。
    合わないものは、やっぱり合わない。

    でも、
    「なんでこんな言い方をするんだろう」
    「なんでそこを重視するんだろう」
    と思っていたことに対して、

    「この人はこういうタイプだから、こうなるのかもしれない」

    と思えるだけで、
    受け止め方がかなり変わった。

    人を理解することは、
    相手をコントロールすることではない。

    でも、理解できる部分が増えるだけで、
    自分の心のざわつきは少し減る。

    働くのが楽になるって、
    こういうことなんだと思った。


    実はこの視点、
    仕事の中だけで育ったわけじゃない。

    私はもともと、グループアイドルを見るのが好きだ。

    なんとなく好き、だけじゃなくて、
    この人はどういうタイプなんだろう、
    なぜこの立ち位置なのか、
    なぜこの役割がハマるのか、
    みたいなことを考えながら見ていた。

    そうやって見ていると、
    人にはそれぞれ役割があって、
    その役割が合う場所にいると輝きやすい、ということが自然と見えてくる。

    その感覚が、そのまま仕事での人理解にもつながっていった気がする。


    そして今でも、あの経験は生きている。

    今の私は、自分のなりたい姿に向かうための行動設定をするときにも、
    あのときと同じような考え方を使っている。

    いきなり理想を掲げるだけじゃなくて、
    自分にはどんな強みがあるのか。
    どんなやり方なら続けやすいのか。
    何を目印にすれば、自分で自分を前に進められるのか。

    そうやって、自分なりのKPIのようなものを置いて、
    少しずつ行動に落としていく。

    人にしていたことを、
    今は自分にもしている感じなのかもしれない。


    少しだけ思うことがある。

    私は、誰かをサポートしながら、
    一緒に成長していけることに、すごくやりがいを感じていたんだと思う。

    あのとき、50人のメンバーと向き合っていた時間は、
    大変だったけど、どこか充実していた。

    私は、そういうリーダーが向いていたのかな、と思うことがある。

    会社という世界の中で、
    上司に従うことが優先される環境には、私は離脱してしまった。

    でも今、教育・人材業界で企画職として働いているのも、
    結局は、誰かの背中を押せる存在でいたいからなのかもしれない。

    直接教える立場じゃなくてもいい。
    でも、誰かの可能性が少し広がるようなことに関わっていたい。

    そう思うと、
    今の仕事も、これまでの経験も、
    全部がばらばらじゃなくて、少しずつつながって見えてくる。


    働くことがしんどいとき、
    「もっと頑張らなきゃ」と思ってしまうことは多い。

    でも、もしかしたら必要なのは、
    頑張ることじゃなくて、理解することなのかもしれない。

    人を理解すること。
    そして、自分を理解すること。

    それだけで、
    働き方は少し楽になる。


    このソーシャルスタイルの考え方は、
    ただのコミュニケーションのテクニックではなかった。

    人との関わり方を変えてくれて、
    自分の見え方も変えてくれて、
    人生の充実度まで少し変えてくれるものだった。


    頑張る前に、理解する。

    それだけで、
    働き方は変えられるのかもしれない。

     
     
    43都道府県を旅した会社員。 子どもにも、大人にも、 記憶に残る日本の旅を。 家族旅行・大人旅・ホテルステイの体験をもとに、 年齢や目的に合わせた旅先を紹介しています。 ふるさと納税やクレカ・ポイント活用で、 旅費を少し軽くする工夫も発信中。

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